Gerry Mulligan Meets Johnny Hodges
ライオネルハンプトンとジェリーマリガンのアルバムで、ジョニーホッジスに捧げたマリガン作曲のバラードSong For Johnny Hodgesをマリガンは演奏していた。昔から演奏していた曲なので、ひょっとして2人の直接対決のこのアルバムでもやっていたかな?と思って聴き直してみたが、残念ながらこのアルバムには収められていなかった。
このアルバムが録音されたのは1959年11月。ノーマングランツが関与したマリガンのMeetsシリーズの中では最後のアルバムだと思う。ちょうどベンウェブスターとの共演と相前後してのセッションだが、その前のゲッツやデスモンドとのセッションと較べるとどちらも両ベテランとリラックしたプレーが楽しめるアルバムだ。
マリガンがクラリネットの後に最初に吹いたサックスはアルト、ジョニーホッジス、そしてエリントンオーケストラは子供の頃から憧れであったそうだ。1958年のニューポートの舞台ではエリントンオーケストラにゲスト参加できた。そして、いつかはホッジスと一緒にレコーディングしたいと思っていた所に、ノーマングランツから出されたMeetsシリーズでホッジスとの共演企画は、マリガンにとっても大歓迎であった。
その頃、マリガンはハリウッドにいた。というのも、人気のあるマリガンは自分のグループを率いてツアーで飛び回っていたが、一方でこの頃はすっかり映画に嵌っていた。前年にはマリガンの映画音楽で有名な”I Want To Live”を全面的に手掛けていたが、ツアーの無い時はロスを拠点にして、他にもちょくちょく映画の仕事をし、時には自ら出演する事もあった。
この企画が決まると、この企画には余程力が入ったのだろう、相方のジョニーホッジスを早めにロスに呼び寄せて、レコーディン前にセッションを何回が行った。という前準備もあって、本番は呼吸もぴったり、実にスムースに録音も進んだという。別に複雑なアレンジが施されてリ訳ではないが、2人の音色のブレンド感がたまらずいい感じだ。
曲は、それぞれ3曲ずつ2人のオリジナル曲。その点でも、事前のウォーミングアップセッションが生きていると思う。
このセッションのリズムセクションを選んだのはジェリーマリガン。ドラムにはメルルイスを起用した。レギュラーカルテットのドラムはデイブベイリーだったが、目立ちたがり屋のマリガンは、メルルイスの当時のロスでの活躍ぶりを無視できなかったのかも。ベースにはバディークラーク。これもレギュラーメンバーのビルクロウではない。このバディークラークの図太い安定感のあるベースが今回の2人の演奏には良く合う。そして、ピアノのクロードウィリアムソンというも意表をついた器用だが、派手さを抑えたピアノがまたしっくりくる。
メルルイスにとっては、実はこのマリガンとの共演が転機のきっかけになったのかもしれない。
1959年というと、しばらく前までロスで一緒にプレーしていたケントン時代の仲間、そしてマリガンの好敵手であったペッパーアダムスはニューヨークに戻って、こちらはマリガンのかっての盟友チェトベイカーとプレーをしたり、ドナルドバードとバリバリのハードバップの演奏を繰り広げていた時だ。
一方のマリガンは今回のようにベテラン達とリラックスした演奏と、そのプレースタイル同様、好対照な活動をしていた。
しかし、翌年マリガンが一念発起してニューヨークでコンサートジャズバンドを立上げ本格的に活動を開始すると、メルルイスも何か感じる所があったのだろう。そのバンドに参加するためにロスを去ってニューヨークに戻ることになる。
丁度ウェストコーストジャズも下火になりかけていた時、いいタイミングであったのかもしれない。世の中にタラレバはつきものだは、もしメルルイスがマリガンと出会うことがなければ、ニューヨークに戻ることもなく、その後のサドメルの誕生も無かったかもしれない。
レコーディングされた記録は無いが、短命に終わったマリガンのコンサートジャズバンドの最後にはベイシーオーケストラを辞めたサドジョーンズも加わって2人は一緒に同じ舞台に立っていた。ここでの2人の再会がその後のサドメルの誕生のきっかけになった。
という意味でも、このセッションでマリガンがメルルイスを起用した意義は大きいと思う。
1. Bunny Gerry Mulligan 5:47
2. What's the Rush Judy Holliday / Gerry Mulligan 3:45
3. Black Beat Johnny Hodges 7:28
4. What It's All About Johnny Hodges 4:02
5. 18 Carrots (For Rabbit) Gerry Mulligan 5:16
6. Shady Side Johnny Hodges 7:04
Gerry Mulligan (bs)
Johnny Hodges (as)
Claude Williamson (p)
Buddy Clark (b)
Mel Lewis (ds)
Produced by Ken Drucker
Recorded at United Recorders, Hollywood on November 17, 1959
ライオネルハンプトンとジェリーマリガンのアルバムで、ジョニーホッジスに捧げたマリガン作曲のバラードSong For Johnny Hodgesをマリガンは演奏していた。昔から演奏していた曲なので、ひょっとして2人の直接対決のこのアルバムでもやっていたかな?と思って聴き直してみたが、残念ながらこのアルバムには収められていなかった。
このアルバムが録音されたのは1959年11月。ノーマングランツが関与したマリガンのMeetsシリーズの中では最後のアルバムだと思う。ちょうどベンウェブスターとの共演と相前後してのセッションだが、その前のゲッツやデスモンドとのセッションと較べるとどちらも両ベテランとリラックしたプレーが楽しめるアルバムだ。
マリガンがクラリネットの後に最初に吹いたサックスはアルト、ジョニーホッジス、そしてエリントンオーケストラは子供の頃から憧れであったそうだ。1958年のニューポートの舞台ではエリントンオーケストラにゲスト参加できた。そして、いつかはホッジスと一緒にレコーディングしたいと思っていた所に、ノーマングランツから出されたMeetsシリーズでホッジスとの共演企画は、マリガンにとっても大歓迎であった。
その頃、マリガンはハリウッドにいた。というのも、人気のあるマリガンは自分のグループを率いてツアーで飛び回っていたが、一方でこの頃はすっかり映画に嵌っていた。前年にはマリガンの映画音楽で有名な”I Want To Live”を全面的に手掛けていたが、ツアーの無い時はロスを拠点にして、他にもちょくちょく映画の仕事をし、時には自ら出演する事もあった。
この企画が決まると、この企画には余程力が入ったのだろう、相方のジョニーホッジスを早めにロスに呼び寄せて、レコーディン前にセッションを何回が行った。という前準備もあって、本番は呼吸もぴったり、実にスムースに録音も進んだという。別に複雑なアレンジが施されてリ訳ではないが、2人の音色のブレンド感がたまらずいい感じだ。
曲は、それぞれ3曲ずつ2人のオリジナル曲。その点でも、事前のウォーミングアップセッションが生きていると思う。
このセッションのリズムセクションを選んだのはジェリーマリガン。ドラムにはメルルイスを起用した。レギュラーカルテットのドラムはデイブベイリーだったが、目立ちたがり屋のマリガンは、メルルイスの当時のロスでの活躍ぶりを無視できなかったのかも。ベースにはバディークラーク。これもレギュラーメンバーのビルクロウではない。このバディークラークの図太い安定感のあるベースが今回の2人の演奏には良く合う。そして、ピアノのクロードウィリアムソンというも意表をついた器用だが、派手さを抑えたピアノがまたしっくりくる。
メルルイスにとっては、実はこのマリガンとの共演が転機のきっかけになったのかもしれない。
1959年というと、しばらく前までロスで一緒にプレーしていたケントン時代の仲間、そしてマリガンの好敵手であったペッパーアダムスはニューヨークに戻って、こちらはマリガンのかっての盟友チェトベイカーとプレーをしたり、ドナルドバードとバリバリのハードバップの演奏を繰り広げていた時だ。
一方のマリガンは今回のようにベテラン達とリラックスした演奏と、そのプレースタイル同様、好対照な活動をしていた。
しかし、翌年マリガンが一念発起してニューヨークでコンサートジャズバンドを立上げ本格的に活動を開始すると、メルルイスも何か感じる所があったのだろう。そのバンドに参加するためにロスを去ってニューヨークに戻ることになる。
丁度ウェストコーストジャズも下火になりかけていた時、いいタイミングであったのかもしれない。世の中にタラレバはつきものだは、もしメルルイスがマリガンと出会うことがなければ、ニューヨークに戻ることもなく、その後のサドメルの誕生も無かったかもしれない。
レコーディングされた記録は無いが、短命に終わったマリガンのコンサートジャズバンドの最後にはベイシーオーケストラを辞めたサドジョーンズも加わって2人は一緒に同じ舞台に立っていた。ここでの2人の再会がその後のサドメルの誕生のきっかけになった。
という意味でも、このセッションでマリガンがメルルイスを起用した意義は大きいと思う。
1. Bunny Gerry Mulligan 5:47
2. What's the Rush Judy Holliday / Gerry Mulligan 3:45
3. Black Beat Johnny Hodges 7:28
4. What It's All About Johnny Hodges 4:02
5. 18 Carrots (For Rabbit) Gerry Mulligan 5:16
6. Shady Side Johnny Hodges 7:04
Gerry Mulligan (bs)
Johnny Hodges (as)
Claude Williamson (p)
Buddy Clark (b)
Mel Lewis (ds)
Produced by Ken Drucker
Recorded at United Recorders, Hollywood on November 17, 1959
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