A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

いつものバリトン以外でも、何でもいけるぜ・・・・

2015-11-29 | MY FAVORITE ALBUM
New York Bound / Nick Brignola

ビッグバンドで活躍するサックスプレーヤーは基本的にマルチリードプレーヤーが多い。モダンビッグバンドになり、アレンジによってはアンサンブル、ソロと、取っ替え、引っ替え楽器を交換する頻度は多くなっている。さぞかし大変なことだと思う。

そんなプレーヤーでもコンボでの演奏となると、当然得意な楽器がメインになる。たまに持ち替えることはあっても、曲の中で何度もという事はない。
日頃バリトンサックスをメインにしているプレーヤーとなると、あまり他の楽器に持ち替えることも少ないように思う。ジェリーマリガンも、曲によってソプラノやクラリネットを吹いた事もあるが、基本はバリトン一本だ。ペッパーアダムスもソロ活動で他の楽器を吹いたアルバムは記憶に無い。

ウディーハーマンのオーケストラなどで活躍していたニックブリグノラがソロプレーヤーとして本格的に活動し始めたのは、ペッパーアダムスとのバリトンマッドネスを録音した1977年頃。翌1978年には初リーダーアルバムともいえるこのアルバムを制作している。

このアルバムのタイトルはEast bound。以前紹介したアルバムWest Boundと対を成すアルバムだが、こちらの方が先に作られている。どちらも妙中俊哉氏のプロデュースでWestがウェストコースト在住の中堅ミュージシャンとの共演であったが、こちらEastのバックを務めるのは、ピアノのウォルタービショップ、ベースのサムジョーンズ、そしてドラムのロイヘインズという錚々たるメンバー達。このアルバムは、このベテランリズムセクションのアグレッシブなプレーも印象的だ。

このバックにのって、ブリグノラのいつもの豪快なバリトンプレーが期待すると少し勝手が違っている。このアルバムの特徴はブリグノラのマルチプレーヤーぶりをフィーチャーしている点だ。
もちろん、バリトンも吹いているが、一曲目はいきなりアルトから始まる。バリトンのプレーから想像できる熱いアルトが聴ける。
次のエリントンナンバーはバリトンでのバラードプレー。ハーリーカーネイをイメージしてか、いつもの張り裂けんばかりのパワーを抑え気味に、重みのある音色が良い感じだ。
さらに、次はフルートに持ち替える、比較的ストレートな音色だ。ルータバキンなどは、テナーの豪快さがフルートにも通じているのだが。
ジターバグワルツはソプラノとなる。曲自体がソプラノとの相性がいいように感じる。アフターユーブゴーンでは再びアルトに持ち替え、アップテンポで快調に飛ばす。リッチーコール的饒舌さだ。ピアノのソロを挟んで今度はクラリネットで登場。モダンなクラリネットソロも悪くはない。
そして最後は、再びソプラノに。本職のバリトン結局1曲だけ。
ブリグノラのバリトンを期待して聴くと肩透かしを食らうが、ブリグノラの実力の程を知るにはいいアルバムだ。どの楽器を吹いても、ソリストとして第一人者であることを知る事の出来るアルバムだ。

1. Tears Inside
2. Sophisticated Lady
3. In Your Own Sweet Way
4. Jittebug Waltz
5. After You’ve Gone
6. Those Were The Days

Nick Brignola (bs,ss,as,fl,cl)
Walter Bishop Jr. (p)
Sam Jones (b)
Roy Haynes (ds)

Produced by Toshiya Taenaka
Recording Enginner : Ben Rizzi
Recorded on October 30, 1978 in New York City

ニューヨーク・バウンド
ニック・ブリグノラ,ウォルター・ビショップJr.,S.ジョーンズ,ロイ・ヘインズ
P-JAZZ

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