A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

GEORGE LEWIS IN CONCERT

2006-06-10 | JAZZ LIFE
ディキシーランドJAZZに興味を持ち色々聞き始めると、すぐにニューオリンズJAZZなるものに出会った。

同じ楽器の編成で、同じ曲を聴いても、ディキシーが管楽器の輝きがあり、都会的な楽しさがあり、街の賑やかさを感じるのに対して、ニューオリンズJAZZは、体の奥底から搾り出される肉声のような楽器の響きで、裏町の物悲しさを感じる。
JAZZがやはり黒人の生活の中から生まれてきたことを実感する。

ニューオリンズで生まれたJAZZがミシシッピー川を登り、セントルイス、シカゴ、そしてニューヨークへと都市の音楽へと育っていく中で、JAZZを生んだミュージシャンはニューオリンズでコマーシャリズムの中へ流れて行ったJAZZから離れていった。
伝統を守ったままで。

ちょうど第2次世界大戦が終わりを告げる頃、JAZZのルーツをたどる動きが始まった。そして、戦後、JAZZの世界を離れていたミュージシャンが次々と現役に復帰してきた。いつの世でも同じで、突然「伝統芸能」が見直されるように。

GEOGE LEWISもその中のミュージシャンの一人。
独特の音色と独特の奏法でJAZZ発祥の時の音色を現在に蘇らせた。

このアルバムは、54年の有名なオハイオユニオンコンサートの直前に録音されたライブ。復帰をしたばかりの頃の溌剌とした演奏が聴ける。

曲は、いずれも有名な曲ばかりであるが、バガンディーブルースのルイスのクラリネットは秀逸。ルイスの珍しいオリジナル。リズムだけをバックに哀愁を込めたクラリネットがフィーチュアされる。彼が本業ともいえる波止場で沖仲仕をやって怪我をした時に、仲間を自宅呼んでこの曲を演奏してクラリネットをまだ吹けるかどうかを確かめたとか。彼のクラリネットへの想いがこもっている。

「世界は日の出を待っている」は昔大晦日のリクエスト番組で必ずかかった曲だ。
ローレンスマレロのバンジョーのショーケース。ボーカルそしてアンサンブルに続くマレロのソロと、ピアノとのパーネルとの掛け合いは否が応でも盛り上がる。

カレドニアはお馴染みウディーハーマンのヒット曲。古い曲だけでなく、新しい曲も積極的に取り入れているが何の違和感もない。

どんなスタイルのジャズでも不朽である。そして、このアルバムはいつの時代にも生き残る好例だ。


1. PANAMA
2. TIN ROOF BLUES
3. WHEN THE SAINTS
4. LORD,LORD,LORD
5. BURGUNDY STREET BLUES
6. THE WORLD IS WAITING FOR THE SUNRISE
7. CALERONIA

 GEORGE LEWIS (cl)
 JIM ROBINSON (tb)
 AVERY HOWARD (tp)
 ALTON PURNELL (p)
 ALCIDE PAVAGEAU (b)
 JOE WATKINS (ds)
 LAWRENCE MARRERO (bjo)


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