A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ジェームスディーンにはベイカーのトランペットが似合う・・

2012-05-15 | PEPPER ADAMS
Theme Music From “The James Dean Story” / Chet Baker And Bud Shank


最近車の事故関連のニュースが多い。数字だけをみれば、車の事故で死亡する人の数は、殺人事件で命を落とす数より遥かに多い。自動車が実は走る凶器であることは事実なのだが、ニュースではあまり強調されない。原発の事故で安全神話が崩れ、これまでの常識が非常識になりつつあるが、自動車に関しての価値観や位置づけも今後は変わっていくかもしれない。時代の変わり目だ。

クリフォードブラウン、スコットラファロ・・・・・など、ジャズの世界でも車の事故で若くして急逝したミュージシャンも少なくない。映画の世界では、同様に車の事故で若くしてこの世を去ったスターで思いつくのはジェームスディーンであろう。初の主演映画「エデンの東」でデビューし、翌年「ジャイアンツ」で、さあこれからという時に自動車事故で亡き人となってしまう。

没後、若いにも関わらず伝記映画が何本か作られたようだが、その中に死の直後にドキュメンタリー映画「ジェームスディーン物語」がある。そのオリジナルサウンドトラックとは別に、そのジャズバージョンのアルバムがある。さらにCD盤には、Let me be Lovedのベイカーによるボーカルバージョンも入っている。





演奏しているのは、チェットベイカーとバドシャンクをフィーチャーしたウェストコーストオールスターズ。チェットベイカーの若い頃の線の細い感じはジェームスディーンのイメージとも重なり合うものがあり、ウェストコーストのクールな演奏のイメージもジェームスディーンにはピッタリだ。アレンジは、ビルホルマンとジョニーマンデル。バックのミュージシャンも有名どころが揃っているが、バリトンには何故かペッパーアダムスが加わっているのだ???

このアルバムではチェットベイカーとバドシャンクがメインのソリストだが、ベイカーとサックス、それもバリトンサックスとの組み合わせというとジェリーマリガンとのカルテットが有名で、そのサウンドはウェストコーストのクールサウンドの代名詞にもなっている。ペッパーアダムスはマリガンと好対照なサウンドだが、実は、このアダムスとチェットベイカーのコンビというのも存在した。

ケントンオーケストラを辞めたペッパーアダムスがメルルイスと一緒にロスを拠点にして活動を始めたのは1957年の初頭。現地で名前も売れ出し、さあこれからという時にメイナードファーガソンのオーケストラメンバーと一緒に3月にはニューヨーク公演のために久しぶりに古巣ニューヨークへ戻ってしまう。2週間のバードランド出演を終えると、アダムスはそこでチェットベイカーのグループに加わったのだった。

ニューヨークではコルトレーンのレコーディングにも参加したが、その後はベイカーと一緒に旅を続け、7月にはロスに戻っていた。ファーガソンのオーケストラが出演していたPeacock Laneに10日間出演していたが、この最中にアダムスのファーストアルバムであるModeへの録音が行われた。状況はアダムスのアルバムにベイカーが参加してもおかしくは無かったのだ。そんな経緯もあったので、ジェイムスディーンに捧げるベイカーのセッションにアダムスも参加していても別に不思議ではない。

このアルバムのディスコグラフィーを見ると録音日は56年11月8日とある。この期間はアダムスもメルルイス達ケントンのメンバーは皆サンフランシスコに居座ってケントンオーケストラで連日クラブ出演をしていた。この時期にロスでとんぼ返り録音というのもなかなか難しいのでは。アダムスのメモによるとこのアルバムの録音は57年7月。この時期多分連日モードのアルバム収録が続いていたが、この方が現実的なような気がする。

1. Jimmy's Theme       Stevens 2:52
2. The Search         Stevens 4:43
3. Lost Love         Stevens 3:39
4. People           Merrill, Stevens, Styne 3:35
5. The Movie Star       Stevens 3:36
6. Fairmont, Indiana      Stevens 4:34
7. Rebel at Work        Stevens 3:44
8. Success and Then What    Stevens 3:58
9. Let Me Be Loved       Evans, Livingston, Stevens 4:11
10. Hollywood         Stevens 5:06
11. Let Me Be Loved [Vocal Version] Evans, Livingston, Stevens 2:14

Chet Baker, Don Fagerquist, Ray Linn (tp)
Milt Bernhart (tb)
Charlie Mariano, Richie Steward (as)
Bud Shank (as, fl)
Bill Holman, Richie Kamuca (ts)
Pepper Adams (bs)
Claude Williamson (p)
Monty Budwig (b)
Mel Lewis (d)
Mike Pacheco (bgo)

Composed by Leith Stevens
Arranged by Johnny Mandel & Bill Hokman
Produced by Richard Bock

Recorded in Los Angeles, CA, November 8, 1956

ジェームス・ディーン・ストーリー+1
Chet Baker
EMIミュージック・ジャパン

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