A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

残り物を集めたバラエティセットは中には当たりも・・・

2015-02-10 | PEPPER ADAMS
New Time Shuffle / Stanley Turrentine

昔のアルバムがCDで再発される時にLP時代に未収録であった曲が追加されることは多い。別テイクをやたら数多く収めるのは時には如何な物か?と思うが、未発表曲が収められるのはファンとしては嬉しいものだ。

セッション全体がお蔵入りしていた場合は、新アルバムとしてのリリースとなる。ブルーノートやヴァーブなどメジャーレーベルでその数が多い場合は、それらのアルバム全体がシリーズ化された事もあった。
未発表セッションが特に多かったブルーノートの発掘は、残り物とはいえない素晴らしい演奏も多く当時大きく話題になったものだ。

それを手掛けたのが、プロデューサーのマイケル・マスクーナ。最初は新アルバム制作のプロデュースも行っていたが、1975年〜81年にかけてはブルーノートの発掘に注力していた。
その後は、モザイクレーベルを自ら設立し、こちらでもミュージシャン別にテーマを決めてボックスセットでの再発を行っている、業界の発掘王ともいえるリイシュープロデューサーだ。

このアルバムも、カスクーナのプロデュースによって未発表セッションが世に出たものである。スタンレータレンタインは当時から人気があったせいか、セッションそのものの回数も多く、未発表曲が人一倍多かった。
アレンジャーとして参加したデュークピアソンも再リリースを手伝ったが、タレンタインの場合はあまりに数が多く一度ベスト物を出した。CDになってさらに未発表曲が追加され、結果的に、このアルバムは1967年2月17日と6月23日の両日録音されたすべての曲が収録されている。
売れ残りを色々組み合わせたが、最後に残ったものを全部束にして売り出したといえばそれまでだが。

自分の場合は、特にスタンレータレンタインの熱烈ファンという訳ではない。
ペッパーアダムスのセッションを追いかけて最近入手したという事情に加え、この所、デュークピアソンがアレンジしたアルバムを多く聴いたせいもあり、それほど期待もせずに一曲目を聴く。

いきなり場末のキャバレーのバンドの歌のバックのような出だしで、タレンタインのテナーも変り映えはしない。やはり残り物だけの事はあるなと思い3曲続けて聴く。クランショのベースもエレベでR&Bバンドの感じ、ジョーザビヌルのタイトル曲も今一つ。

4曲目から少し雰囲気が変る。ここから6曲が、アダムスも加わった2月17日のセッション。同じ、ピアソンのアレンジだが少し雰囲気が違う。メンバーも違うが、アダムスを含むサックスの3人は当時のサドメルのオーケストラの3人だ。アンサンブルの厚いサウンドが心地よい。アレンジでもフルートやクラリネットに持ち替えてサドジョーンズ風の雰囲気が出ている所も。ボサノバではバッキーピザレリのギターが効果的だ。トランペットにドナルドバードも加わり短いソロも。アダムスは特にソロは無い。

バードとアダムスとは前年久々に再会してコンビを組んでライブを行ったが、この一連のピアソンのセッションでも良く一緒になっていた。また、2人で一緒にやろうかという雰囲気にもなったのか、久しぶりの録音は10月に実現する。これもお蔵入りしていたが。

結果的には、どんな曲でもこなすタレンタインに、色々なスタイルのアレンジを提供した、まとまりのないアルバムとなっている。反対に一枚で色々楽しめるという事にもなるが、スタンレータレンタインのプレーだけは、バックのメンバーが変っても、アレンジの雰囲気が変ってもマイペースだ。

ピアソンもこのようなバックのアレンジが続くのにはいささか閉口していたのだろう。思いっきりアレンジに腕を振るったビッグバンドを編成し、この録音の1週間後にはハーフノートでライブをスタートさせていた。

ペッパーアダムスは、サドメルのレギュラー活動に加え、このピアソンのビッグバンドにもレギュラーとして参加するようになった。このピアソンのビッグバンドの録音は12月に行われる。

皆、サイドメンとして参加をしながら、メンバー同士では色々と次の策を練っていた。

1. Return Of The Prodigal Son
2. Ain't No Mountain High Enough
3. New Time Shuffle
4. Blues For Del
5. Manha De Carnaval
6. Here's That Rainy Day
7. What Now, My Love
8. Night Song
9. Samba Do Aviao
10. She's A Carioca
11. Flying Jumbo (Prez Delight)
12. Bonita

<#1〜#3 & #10〜12>
Joe Shepley, Marvin Stamm (tp, flh)
Garnett Brown, Julian Priester (tb)
Al Gibbons (as, fl, bcl)
Stanley Turrentine (ts)
Joe Farrell (ts, fl)
Mario Rivera (bs)
McCoy Tyner (p)
Bob Cranshaw (b)
Ray Lucas (ds)
Duke Pearson (arranger)

Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, June 23, 1967

<#4〜#9>
Donald Byrd (tp)
Julian Priester (tb)
Jerry Dodgion (as, fl)
Stanley Turrentine (ts)
Joe Farrell (ts, fl)
Pepper Adams (bs, cl)
Kenny Barron (p)
Bucky Pizzarelli (g)
Ron Carter (b)
Mickey Roker (ds)

Duke Pearson (arranger)
Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, February 17, 1967

Produced by Alfred Lion
Produced for release by Michael Cuscuna


ニュー・タイム・シャッフル+6
クリエーター情報なし
ユニバーサルミュージック

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 一段とパワーを増したバディ... | トップ | 人気の出てきたリッチ―コール... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。