Woodlore / Phil Woods Quartet
先日、フィルウッズの訃報がニュースで流れた。自分が生まれる前から活躍しているウッズ、自分にとっては父親の年代に近い大ベテラン。ずっと現役を続けてきたが、先日演奏活動を止めるというニュースが流れたばかりであった。仕事を辞めると、健康を害すという話は良く聞く。自分の父親もそうであったが、仕事を続けるのが長生きの秘訣かもしれない。
自分とウッズの出会いは早い。ジャズのレコードをまだ何枚かしか持っていない時に、Phil Talks with Quillはその中の一枚であった。擦り切れるほど聴いた。その後ビッグバンドが好きになっても、クインシージョーンズのアルバムで登場したのがウッズであった。
ヨーロピアンリズムマシーンで復帰をした時の迫力にはびっくりした。その後も、自分のグループだけでなく、色々なアルバムに登場した、小さな編成からビッグバンドまで、そして歌伴でも。
作曲やアレンジも得意とした、いわゆるオールマイティーのミュージシャンであり、サックス好きの自分にとっても好きな一人である。
訃報を聴くと、しばらくその故人のアルバムを聴く事が多くなる。しかし、ウッズの関係したアルバムは沢山あるので、どれから聴くか迷う程だ。
久々に、初のリーダーアルバムを聴き返した。
1955年、ウッズが24歳の時の録音だ。初の12インチLP用の録音でもあったようだ。ワンホーンで、ウッズのアルトがタップリと聴けるデビュー作に相応しいアルバムだ。
丁度この年の3月パーカーが亡くなった直後だ。「後は任せろ」との気概も感じる。
ミディアムテンポのウッズのオリジナル曲で始まり、次のニフティ―の曲ではバラードプレーを。アップテンポのゲットハッピーでは、スピードに挑戦。最後の彼の娘に捧げてオリジナルでは思いっきりグルービーな演奏を。パーカー派のアルトの代表格ウッズの本領を初アルバムでいきなり発揮している。
野球でいえば、よく攻守走3拍子揃った名選手という。このウッズも若くして、ライナーノーツに、ウッズのアルトを評してアイラギトラーが記している。
Soul:すごくソウルフル、疑いなく彼のルーツはジャズに根差している。
Swing:強烈にハードにスイングし、ファンキーでもある。
Ideas:いつも考えられていて、探求している。特に、リズミカリーに。素晴らしくメロディックなセンスも持ち合わせている。
Technical Skills:楽器を自由に駆使でき、そして綺麗で歌う音色で。
Potential:無限である
デビューしたばかりの新人の評価であったが、その後の活動を見ても、それらが間違いのない事であったのが実績で証明された。さらに、作編曲やプロデュースなど、アルトプレーヤー以外の評価が加わると、ウッズの偉大さが改めて分かる。
バックのリズムセクションは、一緒にプレーしていた仲間、同じニューイングランド出身のメンバーが多い。ピアノのジョンウィリアムスのパウエルの流れをバップスタイルのリズミカルなバックが良い感じだ。最近はこのようなピアノを弾く人は少ない。日本人では吉岡秀晃といった感じだ。
この後、ウッズはジーンクイルとコンビを組むことになるが、このジョンウィリアムスがクラブ出演する時、ヨーロッパでの巡業帰りのクイルのオーディションを兼ねたセッションが行われた。ヨーロッパで楽器を盗まれ、借り物のアルトで、ウッズと共に大ノリの演奏を繰り広げ、これが2人のコンビ結成のきっかけになったそうだ。という意味では、2人の仲人役であったのは、ウィリアムスのピアノということになる。
このデビューアルバムに、その後の活躍の色々な要素が詰まっているような気がする。
1. Woodlore Phil Woods 5:19
2. Falling In Love All Over Again Neal Hefti 4:41
3. Be My Love Carn-Bradsky5:35
4. On A Slow Boat To China Frank Loesser 5:00
5. Get Happy Arten-Koehier 6:42
6. Strollin’ With Pam Phil Woods 5:19
Phil Woods (as)
John Williams (p)
Teddy Kotick (b)
Nick Stabulas (ds)
Supervised by Bob Weinstock
Recording Engineer ; Rudy Van Gelder
Recorded in Hackensack N.J. on November 25, 1955
先日、フィルウッズの訃報がニュースで流れた。自分が生まれる前から活躍しているウッズ、自分にとっては父親の年代に近い大ベテラン。ずっと現役を続けてきたが、先日演奏活動を止めるというニュースが流れたばかりであった。仕事を辞めると、健康を害すという話は良く聞く。自分の父親もそうであったが、仕事を続けるのが長生きの秘訣かもしれない。
自分とウッズの出会いは早い。ジャズのレコードをまだ何枚かしか持っていない時に、Phil Talks with Quillはその中の一枚であった。擦り切れるほど聴いた。その後ビッグバンドが好きになっても、クインシージョーンズのアルバムで登場したのがウッズであった。
ヨーロピアンリズムマシーンで復帰をした時の迫力にはびっくりした。その後も、自分のグループだけでなく、色々なアルバムに登場した、小さな編成からビッグバンドまで、そして歌伴でも。
作曲やアレンジも得意とした、いわゆるオールマイティーのミュージシャンであり、サックス好きの自分にとっても好きな一人である。
訃報を聴くと、しばらくその故人のアルバムを聴く事が多くなる。しかし、ウッズの関係したアルバムは沢山あるので、どれから聴くか迷う程だ。
久々に、初のリーダーアルバムを聴き返した。
1955年、ウッズが24歳の時の録音だ。初の12インチLP用の録音でもあったようだ。ワンホーンで、ウッズのアルトがタップリと聴けるデビュー作に相応しいアルバムだ。
丁度この年の3月パーカーが亡くなった直後だ。「後は任せろ」との気概も感じる。
ミディアムテンポのウッズのオリジナル曲で始まり、次のニフティ―の曲ではバラードプレーを。アップテンポのゲットハッピーでは、スピードに挑戦。最後の彼の娘に捧げてオリジナルでは思いっきりグルービーな演奏を。パーカー派のアルトの代表格ウッズの本領を初アルバムでいきなり発揮している。
野球でいえば、よく攻守走3拍子揃った名選手という。このウッズも若くして、ライナーノーツに、ウッズのアルトを評してアイラギトラーが記している。
Soul:すごくソウルフル、疑いなく彼のルーツはジャズに根差している。
Swing:強烈にハードにスイングし、ファンキーでもある。
Ideas:いつも考えられていて、探求している。特に、リズミカリーに。素晴らしくメロディックなセンスも持ち合わせている。
Technical Skills:楽器を自由に駆使でき、そして綺麗で歌う音色で。
Potential:無限である
デビューしたばかりの新人の評価であったが、その後の活動を見ても、それらが間違いのない事であったのが実績で証明された。さらに、作編曲やプロデュースなど、アルトプレーヤー以外の評価が加わると、ウッズの偉大さが改めて分かる。
バックのリズムセクションは、一緒にプレーしていた仲間、同じニューイングランド出身のメンバーが多い。ピアノのジョンウィリアムスのパウエルの流れをバップスタイルのリズミカルなバックが良い感じだ。最近はこのようなピアノを弾く人は少ない。日本人では吉岡秀晃といった感じだ。
この後、ウッズはジーンクイルとコンビを組むことになるが、このジョンウィリアムスがクラブ出演する時、ヨーロッパでの巡業帰りのクイルのオーディションを兼ねたセッションが行われた。ヨーロッパで楽器を盗まれ、借り物のアルトで、ウッズと共に大ノリの演奏を繰り広げ、これが2人のコンビ結成のきっかけになったそうだ。という意味では、2人の仲人役であったのは、ウィリアムスのピアノということになる。
このデビューアルバムに、その後の活躍の色々な要素が詰まっているような気がする。
1. Woodlore Phil Woods 5:19
2. Falling In Love All Over Again Neal Hefti 4:41
3. Be My Love Carn-Bradsky5:35
4. On A Slow Boat To China Frank Loesser 5:00
5. Get Happy Arten-Koehier 6:42
6. Strollin’ With Pam Phil Woods 5:19
Phil Woods (as)
John Williams (p)
Teddy Kotick (b)
Nick Stabulas (ds)
Supervised by Bob Weinstock
Recording Engineer ; Rudy Van Gelder
Recorded in Hackensack N.J. on November 25, 1955
Woodlore | |
クリエーター情報なし | |
Ojc |
ウッズは、最近まで活動し、すごいなと思っていました。ウッズをはじめに意識したのは、YANさんが記されている、クインシー・ジョーンズのビッグバンドにおける演奏です。テクニックや音色に加え、創造力があって、強く印象に残り、好きなミュージシャンの一人になりました。ご冥福をお祈りします。
こんばんは。
コメントありがとうございます。
また、残された大物が一人亡くなりました。
ビッグバンドでも、コンボでもウッズのアルトは光輝いていました。
もう、あのアルトが聴けないと思うと寂しい限りです。