A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

イギリスツアー中のスタンケントンの誕生日に・・・・

2014-01-16 | MY FAVORITE ALBUM
Birthday in Britain / Stan Kenton and his Orchestra

ヨーロッパのジャズというと、イタリア、フランス、ドイツ、そして北欧。イギリス出身の渋いミュージシャンは何人かいるが、イギリスとジャズというと何故か縁遠い感じがしてあまり思い浮かばない。
ところがビッグバンドというとイギリスでのライブ物は何枚かある。ベイシーのin London(ところが実際は違うようだが)。ルイベルソンもあったエリントンのバースデイコンサートも・・。
そして、このスタンケントンのアルバムもイギリスでのライブ。

1973年の冬、ケントンはイタリア、スイス、オランダを廻るヨーロッパツアーをやっていて、最後にイギリスを廻り2月19日にノッチンガムに着いた。

ライブに行くと、たまに会場に居合わせた誕生日のお客にHappy Birthdayの歌のプレゼントがある。プロの歌手やミュージシャンからの歌のプレゼントは格別だろう。
ところが、この場は少し違う雰囲気でHappy Birthdayがステージで始まった。

満員の観客に囲まれて、さてこれから演奏がスタートという時、バンドがいきなりHappy Birthdayを奏で始める。それもイントロを少しというのではなく、アレンジを施されたフルバージョンで。
実は、バンドメンバーからケントンへのプレゼントだった。ケントンはキョトンとした表情で「一体いつ練習したんだ?寝てる間に?」と一言。ビルホルマンのアレンジによる立派なバースデープレゼントであった。
(ケントンの誕生日はバイオグラフイーによると12月15日なので、もしかしたら他の誰かかも?)



ケントンオーケストラは昔から新人の鍛錬の場。ペッパーアダムスやメルルイスもそこで鍛えられて一流入りしたが、このヨーロッパツアーも無名の若手のメンバー主体のオーケストラ。ケントンも自分の息子程に年が違うメンバーからのプレゼントは感無量であったと思う。

そして、この若手メンバーの中の一人に、ドラムのピーターアースキンがいた。この時はまだ19歳、インディアナ大学の学生であったが大抜擢されてのツアー参加であった。
もっとも、アースキンは3歳からドラムを始め、6歳からケントンが主催するNational Stage Band Campsに参加していたというので、ケントンが子供の頃から手塩にかけて育ててきたアースキンのヨーロッパデビューをケントン自ら行ったということだったのだろう。アースキンはここでも19歳とは思えないドラミングを聴かせてくれる。

スタンケントンといえば、今週末19日に辰巳哲也のビッグバンドがスタンケントンの特集を東京TUCのライブでやる。日本ではあまり人気がないせいか、ケントンのレパートリーを取り上げるビッグバンドも少ないが、今回は存分にケントンサウンドを聴けそうだ。メンバーは自らリーダーを務める強者揃いに加えて、今回はケントンオーケストラの編成である5tp、5tbの大編成。楽しみに出かけてみようと思う。

丁度19日はジャズ好きの友人の誕生日でもある。このケントンのHappy Birthdayでもプレゼントしてみようか。



1, Happy Birthday to You      Mildred Hill / Patty Smith Hill
2. The Daily Dance         Bill Holman
3. Street of Dreams         Sam M. Lewis / Victor Young
4. Of Space and Time        Hank Levy
5. For Better and for Wors     Willie Maiden
6. No Harmful Slide Effects     Willie Maiden
7. Ambivalence            Hank Levy
8. Blues, Between and Betwix    Hank Levy

Bob Winiker (tp)
Paul Adamson (tp)
Frank Minear (tp)
Dennis Noday (tp)
Mike Snustead (tp)
Dick Shearer (tb)
Phil Herring (tb)
Harvey Coonin (tb)
Lloyd Spoon (tb)
Mike Wallace (tb)
Willie Maiden (sax)
Chris Galuman (sax,fl)
John Park (as)
Roy Reynolds (sax)
Richard Torres (ts)
Stan Kenton (p)
John Worster (b)
Ramon Lopez (per)
Peter Erskine (ds)

Wally Heider Producer& Engineer

Recorded live at Albert Hall Notthingam on February 19,1973
&   at Fairfield Hall, Croydon on February 23,1973

Birthday in Britain
Stan Kenton
Zyx Records

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2 コメント

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ケントンの誕生日 (duke)
2014-01-17 18:27:28
YAN さん、こんばんは。

精力的にアップされておりますね。私は週一回でもアップアップです。(笑)

ケントンの誕生日は「Wikipedia」では、12月15日になっておりますが、76年に発刊されたジャズ人名辞典では、2月19日とされております。このアルバムでもケントンは喜んでおりますので、ライブが行われた2月19日が正しいものと思われます。

ケントン・ガールズやピーター・アースキン等、新人を育てるのが上手なケントンですが、褒められると「彼らが頑張ったからです」とケンソンしたとか。(笑)
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ネット情報の怖さ (YAN)
2014-01-18 12:50:02
dukeさん、こんにちは。

気分屋ですので続く時は続くのですが、突然冬眠するのでいつまで続くやら。
dukeさんのようにルーティーン化できればよいのですが。

ケントンの誕生日ありがとうございました。
人名辞典ありましたね。探せばあると思いますが、最近はネット全盛時代。
ついついネットで済ませてしまいます。
ネットの怖さは、元ネタが違うとあっという間に間違いが広まってしまうこと。
これもきっとその一例でしょう。

困った時の、dukeさん頼り。
今後もよろしくお願いします。
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