Wish / J-Line Jazz Orchestra
新春早々のライブはエリック宮城率いるブルーノートオースタービッグバンドであった。ゲストのアルトゥーロ・サンドヴァルの迫力と多芸ぶりに、強者揃いのオーケストラの面々も圧倒されたようであったが、これはまた別の機会に。
連日であったが、昨日はJ-Line Jazz Orchestra。
若手のビッグバンドだが、昨年のCD発売記念を兼ねたライブ以来半年ぶりのライブがあった。一人一人のメンバーは色々なビッグバンドでコアメンバーとして活躍していて普段から聴く機会は多いが、皆が揃ってというのはこのような機会しかない。
メンバーには年男(女?)が多いそうだ。若手といってもいつの間にか皆中堅になっている。結成はリーダーの朝里さんが大学生の時、ちょうど2000年だそうなので、すでに14年の歴史があるバンドだ。
普段の長老達に囲まれてのプレーと異なり仲間同士のバンドということもあり、最初の曲からリラックスしてスタート。
自分にとって今日の収穫は2曲目のMoanin’。バリトンサックスをフィーチャーしたミンガスの曲だが、この日の主役は長嶋一樹。バリトン好きとしてはファンの一人。最近は教職についたとかで中々プレーを聴くことができなかったが、この日は久々にこの曲で彼のバリトンを堪能した。
まずはこれで満足。
この後は、昨年発売されたCDからの曲が続く。このオーケストラの特徴はメンバーの面々が作った曲やアレンジを持ち寄って演奏しているところにもある。
ビッグバンドの場合は、過去の有名オーケストラの曲を演奏するレパートリーバンド、リーダーが有名プレーヤーのバンド、そしてアレンジャーが率いるバンドなどが多い。
このような仲間が集まって和気藹藹にというオーケストラはあるようであまりない。曲の雰囲気も田中充の水煙やパレードのように情景描写をテーマにした曲想から鈴木圭のファンク調のBoenathmまで様々。
これが、満足その2。
セカンドステージの最後は各セクションのソロの掛け合いと取り回しで盛り上がって終えたが、これもなかなかGood。アンサンブルワークだけなくソロも皆一流だが、自分たちのバンドでやっているという気楽さが普段よりヒートップしていたようだ。
これが、満足その3.
そして、アンコールの締めとして演奏したのが、おなじみベイシーレパートリーのApril in Paris。古いビッグバンド好きのオジサンには心地よいベイシーサウンドを聴かせてくれた。あのうねる様なねちっこいアンサンブルを聴かせてもらい、そして最後はお馴染みの”One More Time”でフィニッシュ。やはり、締めの一曲はこの手の物がいい。
これが、満足その4。
リーダーの朝里君が、演奏の途中で「今日のライブはマイクを使わない生音ですがいかがですか?」と再三気にしていたが、この東京TUC位の広さであれば十分。最近ここを拠点にしている辰巳哲也さんのバンドも生音だし、あのマンハッタンジャズオーケストラも生音だった。自分はバンドやソロの個性もはっきり出る「生音」肯定派なので、今回のセッティングは大満足。
これが、満足その5.
そして、また新年早々で客の入りが心配だったといっていたが、会場は若い女性中心にほぼ満員。いつもビッグバンドのライブというと老人会の集まりのような会場が多いが久々に客席側も輝いていた。演奏する方も張り合いがあったと思う。若いジャズファン、そしてビッグバンドファンを育ててくれて感謝。
これが、満足その6。
長年このようなバンドを率いて活動し続けられているのも、多分リーダーの朝里君の人柄だろう。次回のライブは夏のようだが、このCDを聴きながら心待ちにしていよう。
次回もきっと何か「満足その7」を与えてくれそうな気がする。
彼の人柄同様、演奏は緊張感がありながら、ほのぼのとした雰囲気のいいオーケストラだと思う。
そうそう、会場の東京TUCでは1月19日に恒例になっている辰巳哲也ビッグバンドのアフタヌーンライブがある。こちらのオーケストラもバンドリーダー達を集めた一流揃いのメンバーだが、今回はスタンケントン特集。普段なかなか聴けないレパートリーを披露してくれるようだ。若いジャズファンにもぜひ聴いてもらいたいライブだ。
1. Shooting Line
2. パレード
3. Fragments
4. Trains
5. Boenathm
6. 水煙
7. El AVE
8. Ballad #3 [For You]
9. Cumulonimbus
10. Workin' Day And Night
朝里 克久 (Leader,btb)
本間 将人、萱生 昌樹、横田 寛之、庵原 良、鈴木 圭、大郷 良和、竹村 直哉、長嶋 一樹 (sax)
中野 雄介、田中 充、中村 恵介、中山 浩佑、高澤 綾 (tp)
石戸谷 斉、東條 あづさ、半田 信英、榎本 裕介 (tb)
伊藤 志宏、宇関 陽一 (p)
岸 徹至 (b)
能村 亮平 (ds)
Produced by Yoshinari Takegami
Recorded by Takeshi Nakada
新春早々のライブはエリック宮城率いるブルーノートオースタービッグバンドであった。ゲストのアルトゥーロ・サンドヴァルの迫力と多芸ぶりに、強者揃いのオーケストラの面々も圧倒されたようであったが、これはまた別の機会に。
連日であったが、昨日はJ-Line Jazz Orchestra。
若手のビッグバンドだが、昨年のCD発売記念を兼ねたライブ以来半年ぶりのライブがあった。一人一人のメンバーは色々なビッグバンドでコアメンバーとして活躍していて普段から聴く機会は多いが、皆が揃ってというのはこのような機会しかない。
メンバーには年男(女?)が多いそうだ。若手といってもいつの間にか皆中堅になっている。結成はリーダーの朝里さんが大学生の時、ちょうど2000年だそうなので、すでに14年の歴史があるバンドだ。
普段の長老達に囲まれてのプレーと異なり仲間同士のバンドということもあり、最初の曲からリラックスしてスタート。
自分にとって今日の収穫は2曲目のMoanin’。バリトンサックスをフィーチャーしたミンガスの曲だが、この日の主役は長嶋一樹。バリトン好きとしてはファンの一人。最近は教職についたとかで中々プレーを聴くことができなかったが、この日は久々にこの曲で彼のバリトンを堪能した。
まずはこれで満足。
この後は、昨年発売されたCDからの曲が続く。このオーケストラの特徴はメンバーの面々が作った曲やアレンジを持ち寄って演奏しているところにもある。
ビッグバンドの場合は、過去の有名オーケストラの曲を演奏するレパートリーバンド、リーダーが有名プレーヤーのバンド、そしてアレンジャーが率いるバンドなどが多い。
このような仲間が集まって和気藹藹にというオーケストラはあるようであまりない。曲の雰囲気も田中充の水煙やパレードのように情景描写をテーマにした曲想から鈴木圭のファンク調のBoenathmまで様々。
これが、満足その2。
セカンドステージの最後は各セクションのソロの掛け合いと取り回しで盛り上がって終えたが、これもなかなかGood。アンサンブルワークだけなくソロも皆一流だが、自分たちのバンドでやっているという気楽さが普段よりヒートップしていたようだ。
これが、満足その3.
そして、アンコールの締めとして演奏したのが、おなじみベイシーレパートリーのApril in Paris。古いビッグバンド好きのオジサンには心地よいベイシーサウンドを聴かせてくれた。あのうねる様なねちっこいアンサンブルを聴かせてもらい、そして最後はお馴染みの”One More Time”でフィニッシュ。やはり、締めの一曲はこの手の物がいい。
これが、満足その4。
リーダーの朝里君が、演奏の途中で「今日のライブはマイクを使わない生音ですがいかがですか?」と再三気にしていたが、この東京TUC位の広さであれば十分。最近ここを拠点にしている辰巳哲也さんのバンドも生音だし、あのマンハッタンジャズオーケストラも生音だった。自分はバンドやソロの個性もはっきり出る「生音」肯定派なので、今回のセッティングは大満足。
これが、満足その5.
そして、また新年早々で客の入りが心配だったといっていたが、会場は若い女性中心にほぼ満員。いつもビッグバンドのライブというと老人会の集まりのような会場が多いが久々に客席側も輝いていた。演奏する方も張り合いがあったと思う。若いジャズファン、そしてビッグバンドファンを育ててくれて感謝。
これが、満足その6。
長年このようなバンドを率いて活動し続けられているのも、多分リーダーの朝里君の人柄だろう。次回のライブは夏のようだが、このCDを聴きながら心待ちにしていよう。
次回もきっと何か「満足その7」を与えてくれそうな気がする。
彼の人柄同様、演奏は緊張感がありながら、ほのぼのとした雰囲気のいいオーケストラだと思う。
そうそう、会場の東京TUCでは1月19日に恒例になっている辰巳哲也ビッグバンドのアフタヌーンライブがある。こちらのオーケストラもバンドリーダー達を集めた一流揃いのメンバーだが、今回はスタンケントン特集。普段なかなか聴けないレパートリーを披露してくれるようだ。若いジャズファンにもぜひ聴いてもらいたいライブだ。
1. Shooting Line
2. パレード
3. Fragments
4. Trains
5. Boenathm
6. 水煙
7. El AVE
8. Ballad #3 [For You]
9. Cumulonimbus
10. Workin' Day And Night
朝里 克久 (Leader,btb)
本間 将人、萱生 昌樹、横田 寛之、庵原 良、鈴木 圭、大郷 良和、竹村 直哉、長嶋 一樹 (sax)
中野 雄介、田中 充、中村 恵介、中山 浩佑、高澤 綾 (tp)
石戸谷 斉、東條 あづさ、半田 信英、榎本 裕介 (tb)
伊藤 志宏、宇関 陽一 (p)
岸 徹至 (b)
能村 亮平 (ds)
Produced by Yoshinari Takegami
Recorded by Takeshi Nakada
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