検察側の罪人という映画を見ました。
シンプルに生きたい、というのが大方の人の願いだと思います。しかし、二人以上の人間が集まって作る社会では、必ず衝突が起こります。ここに犯罪がからむと、さらに複雑です。法を犯すことは悪。にも関わらず、法を犯してしまうことになる主人公の心理を描くのがこの映画なのです。世の中にどこまで遡っても正しいということがらはあるでしょうか。時間の縦と横の線が交わって全ての物事は起こります。縦の線と横の線には正しいとか正しくないという判断基準がありません。あくまでもその交点にいる人間が判断するのです。その時、何の感情も無く人が動くという事があるのなら、例えば時代のせいに出来るかもしれません。しかし、人に命がある限り、心がある限り、やはり当事者の判断であると言わざるを得ないのです。誰かの指示を受けたと言っても、行動した人間がいた事を否定することは出来ないのです。これは、どれだけ瞬間瞬間の判断が大切なのかということではないかと思います。