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2019年04月23日現在の槍ヶ岳・飛騨沢ルートの登山道・残雪状況をお知らせします。
新穂高・右俣谷林道ゲート。ここから穂高平避難小屋までは除雪されています。
穂高平避難小屋。
ヤナギ谷。正面の岩肌からの落石に注意して下さい。
穂高平から上部の林道には、まだかなりの残雪があります。
白出沢(林道終点)。
今回のルート偵察登山では、チビ谷までを夏道に沿って歩き、チビ谷からは右俣谷本流の雪渓部分へ下って槍平へ向かいました。
ただし、今後雪解けが進んでいくにつれて右俣谷本流の雪渓にはスノーブリッジ、クレバスが発達してきます。ルート選択には
十分注意して下さい。
チビ谷。今月登山をした方のネット上の山行記録に「今年はデブリが少ない・・・」と記述がありましたが、実際はそうではありません。
例年、チビ谷から発生した雪崩は右俣谷右岸の山肌にぶつかって行き場をなくし、チビ谷内に盛り上がってデブリを形成しますが、
今年は上記の画像のように、右俣谷本流へと流出しています。デブリの量は決して少なくはありません。
チビ谷から滝谷方面。雪解けが進むと、沢沿いにルートを取ることは難しくなります。
滝谷。デブリの上に今月初めに降った雪が積り、不安定な状態です。
滝谷の積雪状況。デブリの上に新雪が積もっているのがわかります。
滝谷避難小屋。画像正面の入り口は雪で埋まっていますが、藤木レリーフ側のドアから入れます。
滝谷から南沢方面。
こちらは同じく滝谷から南沢方面へ向かう右俣谷の雪渓。4日前にはなかった大規模な雪崩が発生していました。
数日前のトレースが完全に埋まっています。この滝谷~南沢間は主稜線側からの雪崩の危険性が非常に高く、今年は特に4月初旬に降雪があったために
その危険はさらに増しています。降雨直後の通過、午後の遅い時間の通過は絶対に避けて下さい。また、GW中に入山を計画されている方で、入山口までの
アプローチの段階で交通渋滞に巻き込まれてしまった場合は、無理をせず、その日の入山は中止して下さい。
南沢。
槍平。槍平小屋周辺の状況についてはこちら。
槍平キャンプ場のすぐ上部ですが、比較的あたらしい雪崩跡が見られます。
中の沢。上部に表層雪崩跡が数箇所見られます。
中崎尾根側(画像左手)からも雪崩は出ており、雪渓上のルート選択には注意が必要です。
標高2400m付近。宝の木(画像右手のダケカンバ)から飛騨沢全景。
槍ヶ岳山荘方面。
昨年同時期に比べ、今年の槍ヶ岳・飛騨沢ルートは残雪量が多く、しかも今月初旬にまとまった降雪があったために非常に不安定な
ルート状況になっています。(2018年4月のルート状況はこちら)
槍平で除雪作業を行っていたこの数日、午後になると滝谷を含む主稜線側からは落石、雪崩の音が頻繁に聞こえており、
時々は「カミナリが落ちたのでは?」と思うような轟音も響きました。
本日23日現在の週間天気予報では、GW前半の飛騨地方は不安定な天候となりそうです。どうぞ、冷静かつ、客観的な天候判断で、
入山の可否を慎重に見極めて下さい。また、慎重な判断をするためにも、GWを登山以外で過ごす計画も今のうちに考えておいて
下さい。山、だけのプランしかない場合、どうしても「とりあえず、行ってみて・・・」ということになりがちです。
平成から令和にかけて、山で事故が起きないことを願っています。