現代視覚文化研究会「げんしけん」

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地獄少女 二籠 『陽のあたる場所』

2006年11月14日 22時35分13秒 | アニメ・映像全般
 『地獄少女 二籠』第六話を観させて頂きました。無機質なパソコン画面に打ち込まれる雑音。教室から忘れられた存在。保健室登校を続ける青年。ベッドに横になり、携帯の液晶を眺めている。自分を笑わなかった【紀和子】が映る。【細野】。それが彼の名前。学校からも消された存在だった。
 追いかける。【細野】は自転車に乗り【紀和子】の家まで、手の届かない彼女の部屋を見上げる。
 自宅。ここにも居場所はなかった。すぐに自室に入る【細野】。パソコンの画面に【紀和子】と彼氏である【杉田 宏久】の写真が映し出されている。
 過保護な母親。期待せずの父親。両親の声は耳に入らない。あるのは、雑音。学校にも居場所はない。どんな形でも良いから来ていれば良かった。どんどん見捨てられてゆく。ある時、テストがあり教室へ、かっこうな陰口のまと。【紀和子】だけが笑わない。彼女だけが気軽に話しかけてくれた。笑い声のする中で存在を認めてくれた【紀和子】。だが、見ているだけの存在。無関係。テリトリー。他者との壁。関係が変わる事への不安。何も失う物はないのに・・・。
 ボーリング場。【杉田】と来ている【紀和子】。【細野】も来ていた。見られている視線。それは【一目連】。
 男子トイレ。【細野】が個室に入っている。そこで聞く。【杉田】と男友達【沢崎】との会話。『貸してやるよ 紀和子』。耳を疑った・・・このままじゃ酷い目に合う。
 断る。それは、お嬢か、【細野】の方か・・・。気まぐれな【あい】。無邪気にトンボを追いかける【きくり】。【輪入道】は「ハゲ」で、【骨女】は「年増」。
 地獄通信。【杉田 宏久】の名前。【あい】の気まぐれか【細野】の前に現れる。何もできない、『正義の味方じゃないわ・・・』と消える【あい】。もうアクセスはできない。【紀和子】の携帯に電話をするが、無言。何も伝えられない。【紀和子】に迫る悪意。ただ、時間が過ぎるのを待つだけだった。行動もせずに、何かが起こるはずもないのに・・・。変わるチャンスだったのに・・・。だから、これで良い、何もしないで・・・。彼女には忘れられない心の傷が残るのに・・・一生、消えないキズ。
 保健室。保健婦【骨女】の問いかけにも答えない【細野】。後悔しているのか・・・何もしなかった結果。もう遅かった。これからの事・・・。未来はない・・・。どうしょもない・・・。クラスメイトの顔を見たくない。【紀和子】はアクセスをしていた。だが、満たされない。残るのは、枯渇、焦燥感、違和感。あいつは地獄に行くのに・・・。
 他者のせいにして、命乞いをする【杉田】。【紀和子】の嘆き。無数の手で引き裂かれ、地獄へ流される。
 【細野】の陽をあててくれた【紀和子】。その彼女は傷ついてしまった。初めて、感情的に泣いたのかもしれない。質屋。店頭で光る刃物。【細野】はその妖しい光りに魅了されていた。もう依頼はしない。今度は【細野】が【あい】をふったのだ。それが彼の答え。自ら地獄へ堕ちる。自らの手を汚して、残った【沢崎】をこの世から消す為に・・・。夜の街に自転車を走らせる。