野鳥にもやさしい風力発電であってほしい・・・

私たちが使っている電気、野鳥たちが犠牲になっている!たかが鳥なのか・・・。

目撃!ナベヅルが風車にはねられた!

2024-06-30 07:02:04 | 日記

北帰行のナベヅルの群れ

2023年2月15日鹿児島県長島町で、群れ約20羽の中の最後尾の1羽が、回転しているブレード(羽根)に接触、そのまま落下した!

 日本野鳥の会鹿児島県支部の役員は、「1年以上も前のナベヅルの衝突落下目撃情報だが、その瞬間の写真を撮っていないので、慎重を期して報告が遅くなり、今年の支部報6月号での報告になった。」また、別の役員からは「ツルのバードストライクは以前からあったが、野鳥の会会員が確認していない、証拠がない、ということで報告できなかった。今回、やっと会員が目撃したが、写真がないので信ぴょう性を疑われるかもしれない。」とも話しています。

☆彡ナベヅル(絶滅危惧Ⅱ類、特別天然記念物):マナヅルとともに、鹿児島県出水市の干拓地で毎年1万羽を超す数が越冬している。世界最大のツルの越冬地として知られている。地元出水市では、官民協働で保護に尽力している。

写真上:長島町の風車群(事業者H.Pより)と風車にニアミスのナベヅルの群れ(北帰行)

写真のナベヅルの群れ飛翔は今回の衝突落下時のものではありません。

 「ナベヅル衝突の場面に遭遇した野鳥の会会員によると、長島町の行人岳(ぎょうにんだけ394m)の展望所からは、出水平野を飛び立ったツルは、東側の八代海を渡るルートと、島の南西部に設置された風車群側を渡るルートがあり、北帰行をするツルの群れが観察できる絶好のポイントだそうです。その日は、2023年2月15日、子供さんと二人で10時頃ナベヅルの群れ約20羽を双眼鏡で観察していると、その群れが風車の横を通過しようとしていたその瞬間、最後尾の1羽が回転しているブレードに接触したと思われ、そのまま直角に落下して視界から消えてしまった、とのこと。本当に一瞬のことであり、二人顔を見合わせ、あっけにとられた出来事であったと、当日を振り返り話を伺いました。」(日本野鳥の会鹿児島県支部 支部報2024年6月号より)

【日本野鳥の会自然保護室の研究員から】                 

「やはり何らかの管理連絡体制を構築しないと、ツルのバードストライクが起きたかどうか、いつまでも確証を得られませんね。事業者によるパトロールの頻度を上げて、科学的手法で死骸探索調査を行うか、今回のように目撃した会員、または鹿児島県支部の幹部がすぐに発電所内に立ち入って、死骸がないかを確認できるようにする、といったところでしょうか。」

【ブログ作成者から】                          

16年間も稼働している風車群で、やっとツルのバードストライクが野鳥の会会員によって目撃されたわけですが、16年の間にどれほどのツルをはじめとする野鳥が犠牲になったのでしょうか。毎年9月には、越冬のために東南アジアに渡って行くタカ類も多数がこの地域を飛翔しているはずです。そのことに対して事業者は風車に衝突しないように配慮していたのでしょうか。早速事業者に訊いてみたところ、「運転開始前にツルの保護団体と協議し、ツルの主な飛翔コースを調査し、飛翔の支障にならないように、設置位置を変更した風車もある。定期的なパトロールも実施してきた。」「バードストライク防止策は特に実施していない。」とのことでした。16年前というと、風力発電は環境アセスの対象にはなっていなかったので、私たち保護団体も事業者も、野鳥への影響の危機意識も高くはなかったでしょう。ただ、環境アセスが始まってからは鳥類への影響については、どの事業者も一応配慮する姿勢を見せているので、長島町の風力発電事業者も、実効性ある衝突防止策を検討実施するべきでした。“他の事業者は何もしていないのに、いまさらなぜ当社が?” “環境省さえ実効性ある対策を示していない” “これ以上の費用はかけられない” と、言いたいのかもしれません。今もこの流れは変わっていません。「環境に(野生生物にも)やさしい風力発電」のはずですよね。違いますか?



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