野鳥にもやさしい風力発電であってほしい・・・

私たちが使っている電気、野鳥たちが犠牲になっている!たかが鳥なのか・・・。

風力発電先進国のヨーロッパでは

2023-04-08 13:45:19 | 日記

イギリス・ドイツの自然共生の取り組み

引用:(公財)日本野鳥の会「野鳥」2023年3・4月号より

イギリス SPR社(スコティッシュ・パワー・リニューアブル社)ホワイトリーウインドファームの事例

 SPR社では運営するすべての陸上風力発電施設で、生態系の保全活動に自主的に取り組んでおり、野生動植物の生息地の改善や回復、森林の創出、希少種の生息状況をモニタリングすることで、種、生息地、生物多様性に対し、地域単位でみて全体的に純利益を生むように努めている。SPR社の担当者は「自然の力を借りて利益を得ているので、その利益は自然環境に還元されるべき」と語り、風力発電事業で失われた自然環境は97ヘクタールだが、建設地とその周辺500ヘクタールを植林や泥炭湿地の回復などの生態系保全活動を行ってきた。その保全活動が功を奏し、今ではアカライチョウ、クロライチョウ、タシギ、ダイシャクシギ、ハイイロチュウヒ、チョウゲンボウなどの希少な野鳥が繁殖するようになった。(まず日本ではこんな感心な事業者がいるというのは聞いたことがありません。逆に「余計なことをするな!面倒な事例を残すな!」と他事業者に叱られそうです)

ドイツ KNE(自然保護とエネルギー転換の専門センター)の役割

 KNEは2016年から3年間で、150件の地域紛争(うち8割は陸上風力発電事業)に調整役として関わった。事業者は早い段階から地域住民に計画内容を説明することが重要で、地域住民の意見をよく聴いて、貴重な自然環境に影響が出ないように計画を見直す姿勢が求められる。地域住民から理解を得るための行動をとらないと、紛争解決に多大な労力や時間がかかることになる。(日本ではこのような姿勢を持っている事業者はほとんどいないようなので、地域で紛糾することになる)

※視察に行った日本野鳥の会自然保護室の研究員は、「イギリスでもドイツでも多くの事業者が自然保護に対する意識が高く、自然環境に対し、マイナスの影響を与えないように事業を実施したいと考えているということでした。これが自然共生型の再エネ施設が増えている要因です。一方、日本では、まず事業者の意識を変えていくことから始めなければならないと痛感しました。」とのコメントでした。(お上の言うことを従順に守る日本の企業は、国の意識が変われば、事業者はしぶしぶ従わざるを得ないので、経産省と環境省の意識も変えてもらわねばです)

◆ ドイツで風力発電が伸び悩み

 風力発電先進地のヨーロッパですが、これまでには色んな問題も経験しながら、改善に向けて進んできたようです。野鳥への影響が大きいと思われる場所にはそもそも計画できないイギリスや、風力発電建設場所のゾーニングを政府主導で行う国や、海上に設置された風車にどれほどの野鳥が衝突死するのかをヘリコプターで調査した国、野鳥に重大な影響を与えた風力発電施設へのペナルティーがある国など、過去の反省を踏まえた現在のヨーロッパ風力発電事情と言えます。故に、地域住民にはある程度受け入れられているのかと思いきや、紛糾している事例もありました。

 報道によれば、ドイツは2020年時点で、電力の半分を再エネが占め、そのうち風力発電は26%(3万基以上)で、石炭火力発電の25%を上回っているが、伸び悩みの一つの要因として、住民や動物保護団体による設置反対で、地方自治体の建設許可が滞っているとのことです。

 住宅近くに風車群が建設された地域住民は「自前でビオトープを作ろうとしたが、近くに風車が立ち、鳥が近寄らなくなった。」そして自身も眠りが浅くなり、耳鳴りや吐き気を経験したという。5年がかりで裁判に勝ち、自宅近くの風車は撤去された。ドイツ全国で同じような経験をする人たちとも連携し、建設反対の運動を続けている。「動物の生息地を破壊し、多くの鳥が風車に巻き込まれて死ぬ。生物多様性に魅かれてここに来たのに、心が痛い。」

【ブログ作成者から一言】                                                                                                                             風力発電先進地のヨーロッパでも、野生生物や住民への影響の改善に苦労したであろうことは推測していましたが、やはり日本と同じように住民との間の紛糾もあるんですね。これだけ風力発電が増えてくれば当然といえば当然ですね。そのほかには、国が主導して設置場所のゾーニングを実施したら、「なぜ私の土地は設置可能エリアから外されたのか」と異議を申し立てた住民もいたりしたそうです(土地を売ったり貸したりしたかった?)。COを出さないクリーンな風力発電も、地域住民との利害は世界共通です。課題を克服していこうとする気があるかないかが問題ですが、日本は今、風力発電を増やすことに躍起になっているばかりなので、各地で紛糾しています。ヨーロッパ各国から学ぶべきことを早く取り入れるべきです。

 

 

 



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