人工知能(artificial intelligence:AI)が進歩してコンピュータはチェス、将棋、囲碁の順に勝つようになりましたが、「ゲームのルール」は人間が作ったもので、これに勝つように人間が後から作ったコンピュータが勝って当たり前です。後出しジャンケンの様なものです。
人間が勝敗の原理を作るのだから、その原理を覆す原理もまた、人間によって作る事は出来ます。人間がコンピュータに勝つ「ゲームのルール」を新しく作れば、人間は勝てます。例えば、計算速度や記憶容量に関係のないゲームを考え、ミスをした方が有利になるルールを作れば、人間は確実に勝ちます。
人間はバカげたミスをする事は得意中の得意ですが、AIは勝つ為に自らミスをするようにプログラムを書き換える事ができるとは思えません。今のところ、ある行為がミスかそうでないかを判断するのは人間で、しかも人によってその判断は変わります。漫才のギャグでも、ミスをする事が正しい行為になり、正しい行為をする事は漫才としてはミスになる事も有ります。場の雰囲気でその判断も変わります。
そもそも、囲碁や将棋のルールでは、コンピュータの使用は禁止されています。ルール違反のAIが勝つ事を認めると云う事は、ルール違反の原爆で戦争に勝つことを認めるのと同じです。これは、人間には「勝った方が正義」と云う「暗黙のルール」があるからですが、人間には「負けるが勝ち」と云う「敗者のルール」も有ります。
「経済のルール」を人間が決め、その施行をAIに任せれば社会は安定的に成長し続けることが出来ると言う「自称、経済評論家」も出て来ました。しかし、その人は「MMT」には批判的で「リフレ派」に属する思考の持ち主ですが、「経済理論」には複数あり、AIにインプットするプログラムは確定できませんし、共産主義者と資本主義者の経済安定の定義も違います。
若しも、運よくAIの制御による経済運営が成功した場合でも、失敗を恐れずこれに先回りして「他人より先に、多くの金儲け」をしようとする人間は必ず出て来ます。何故なら、死刑を覚悟で犯罪に奔る人はいつの世でも必ず存在するからです。AIが更に進化して、この強欲人間を排除できた場合でも、もっと恐ろしい世界が待ち受ける事になります。
AIの経済安定化プロトコルには、当然ながら「不安定要因の除去」が含まれています。つまり、自然の制御も必要になりますが、AIにとってみれば人間も自然の一部です。自然の一部である人間が自然を支配しようとするように、人間に創られたAIでも人間を制御しようとします。「経済のルール」とは国民を制御する事が目的なので、当然と言えます。
人間が先に自然の原理を解明出来れば良いのですが、恐らくAIに先を越されて、人間はAIの支配下に置かれます。それでも、人間以外の自然を制御する事はAIにも出来ないので、AIは自然に呑み込まれて終焉を迎え、人間は現在の停電以上の被害を受け、そこにはカオスが待ち受けています。
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