オメガねこ

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「共産主義」 と 「経済破綻」 Ⅱ

2020年12月18日 | 経済
 「中国の経済は間もなく破綻する。」と言う人がいます。

 日本語の「経世済民」が「経済」と略された江戸期でも意味は変わらなかったのですが、幕末になって西洋思想が浸透し始めて、「経済」は英語の「エコノミー(economy):倹約」と「経済的」な意味になりました。

経世済民 :社会を治めて国民を救う(政治・経済など行政全般)。統治論の一つ。
エコノミー:生産活動の調整システム。語源はギリシャ語で「家庭のやりくり」を意味する。
経済   :エコノミーの日本語(誤)訳。

 つまり、中国の「経世済民」は既に破たんしていますが、「経済(エコノミー)」が破綻する事は有り得ません。それは、「共産主義」では「お金のやり繰り」が出来なくても生産活動が止まることはないからです。と言うより、本来は「共産主義」では「お金」ではなく、統制的な「配給券」が平等な社会保障を支えるからです。

 中国は「共産主義」を謳っていますが、その実態は「ブルジョア独裁主義」です。「共産主義」では、経済が不調になって失業者が溢れても、失業者は「働かない奴隷」なので放って置くだけで死滅し失業率は「自然」に改善します。実際に中国やソ連では政策の失敗で数千万人が死んだと言われていて、生き残った人民が「生産のやり繰り」をするので、何の問題も生じません。

 ソ連は寒冷地なので人口は増え難く、「奴隷労働者」の員数不足もあって破綻しましたが、中国は温暖で人口が増えやすく人口政策さえ失敗しなければ破綻する事は考えられません。但し、「一人っ子政策」を継続していたらソ連の崩壊と同じ道を辿るかもしれませんが、現在はこの政策を廃止しています。

 「共産主義国」の強みは、その国の「共産党」が存続する限り国家破綻は有り得ないと云う事です。経済的に行き詰まっても、国民を犠牲にする事で「共産党」の体制を維持できれば経済破綻する事は有りませんし、「領土拡張」によっても延命する事も可能です。

 政治的に国家が転覆すれば、どのような国でも国家破綻は考えられますが、多少なりとも国民と国土は残るので国家再生も可能になります。

 寧ろ「民主主義国家」の方が、国民を犠牲にする事がその定義上からも不可能なので、経済破綻や国家破綻の危険性が高いと言えます。この特性を利用したのが、「超限戦」の一つである「グローバル経済に於ける浸透工作」です。

 奴隷労働が可能な国家は、その労働コストの低さを利用して自由主義諸国から投資を呼び込み、出資者が撤退する時には資産を没収するので「共産党」は損をする事は無く、企業が減って労働力が過剰になっても、放っておけば自然淘汰によって経済指標は適正化します。

 「民主主義国家」が破綻した場合は、「独裁国家」や「共産主義国家」に比べると犠牲者の人数が圧倒的に少ないのが利点と言えます。

 「資本主義国家」では、自国民の人口を減らさない事が経済再生の必須条件と言え、「脱炭素社会」とか「財政均衡政策」などの「人口が減る政策」を取らないで、「供給能力に見合う財政支出(MMT)」によって「経済破綻」を防ぐことが出来ます。

 憲法第二七条
すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

 政府には、「国民の勤労の権利」を守る義務が有ります。仕事が無ければ「国民」は義務を果たす事が出来ません。「経世済民」とは、「経済的」な「経済」ではなく、政府が「民間の仕事」を保障することです。




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