世界の「債務」が2京円になったと報道されています。しかし、世界の「総資産」は発表されません。
資産=債務+資本
「資本」:過去に獲得した価値の合計で「自己資本」とも言います。
「債務」:将来に期待する価値の合計で「他人資本」とも言います。
「資産」:価値の実態で「不動産、動産、現金、預金」などです。
世界規模で見ると、「資本」は「過去の人間が創り出した利便性の総和」と言え、「債務」は「将来の人間が創り出そうとする利便性の総和」です。現在の人間が実際に何を持っているかを示しているのが「資産」です。
「(実質)経済成長」は「(実質的に)資産を増加させる」事を意味し、各人が「自己資本」を使い合うだけでは全体的に見ると「単なる物々交換」に過ぎず、価格上昇による「名目経済成長」は出来ても、実態としての「資産」が増える訳では有りません。また、経済成長によって得た果実は「自己資本」に組み入れることで「未来の人の財産」になります。
これを誤解して生まれたのが「共産主義経済」で、これは単なる「過去に創り出された資産の食い潰しや、移動」なので、資産の陳腐化によって必ず破綻します。国単位で見ると、「共産主義国家」は他国からの「他人資本」の注入が無ければ破綻するので、中国共産党は日本やアメリカなどから「資金」を得るために「共産主義下の資本主義」を意味する「社会主義市場経済」なる言葉で世界を騙し、経済成長を果たしました。つまり、「他人資本」を受け入れて「実質資産」を増やしたという事です。
一方、日本は政府も企業も過去の日本人が創り出した「自己資本」を外国で使い、外国の経済成長に貢献しました。勿論、この「日本の自己資本」は「外国の自己資本」に組み入れたり、「外国の負債」の原資なので、世界経済が減速しない限り「日本の資産」が減る訳では有りません。只、外国が成長して日本が停滞するだけです。
これらの事象から見ても解る事ですが、「借金」が「経済成長の原資」であると言う事です。世界の「債務」が増えたと云う事は、世界の経済成長を担保したと言え、実際にそうなりました。
しかし、「借金」による経済成長の果実を「自己資本」に組み入れなければ、「債務超過」による経済破たんも考えられます。それでも、IMFなどによる救済も有るので、経済による「国家破綻」があるわけでは有りません。有るとしたら、民主主義国家以外に於ける「王朝交代」です。
中 国共産党は、外国からの資金援助が無ければ、共産主義経済の宿命である「自己資本を食いつぶす」ことで「王朝交代」が起きます。
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