■ 対談
静岡県立静岡がんセンター副院長兼肝胆膵外科部長 上坂克彦氏
NPO法人パンキャンジャパン静岡支部長・フリーアナウンサー 石森恵美氏
コーディネーター 読売新聞東京本社医療部長・山口博弥
山口 石森さんのご主人がすい臓がんと分かった経緯は。
石森 ある日突然、黄疸が出たのがきっかけです。翌日、かかりつけのお医者さんからすぐに救急車を呼んだ方がいいと言われました。それまでは元気で、生まれて初めて入院をしたというぐらいでした。
山口 黄疸というのは多い症状なのでしょうか。
上坂 すい臓の頭部の中を胆管が通り、十二指腸につながっています。すい臓の頭部にがんができると、胆管を巻き込んで黄疸が出ます。腹痛とか腰痛とか、体重が減ったとか、いくつかある症状の中では、割と手術に結びつくことがある症状です。逆に、すい臓の体部とか尾部のがんでは手術に結びつく症状があまりない。腰が痛いとかで見つかった場合は、がんがすい臓の外にはみ出して、大動脈の周りにある神経に触れていて、それなりに進んでいる可能性があります。
山口 ご主人はすい臓がんの診断を受ける3か月前くらいに人間ドックを受けたということですが。
石森 毎年、人間ドックを受けていました。何も問題はなかったので、びっくりしました。人間ドックを受けると体の隅々まで検査しているから大丈夫と思ってしまいます。しかし、3か月後にすい臓がんとわかり、しかも、最も進行した「ステージ4b」でした。
山口 人間ドックでは分からないものなのでしょうか。
上坂 すい臓がんは診断が難しいんです。ただ単に体の奥にあるだけでなく、画像としてきれいに描出することが難しい。胃がんや大腸がんはカメラを入れれば大体分かります。ところが、すい臓は中が詰まった臓器なのでカメラが入っていくわけではありません。また、すい臓がんは進み方が速い場合が多く、検診をしても、なかなかそれが治療にうまく結びつかない側面もあります。
山口 抗がん剤の種類もその組み合わせも増えました。石森さんのご主人の時はどんな状態だったのですか。
石森 2010年5月に告知されて、5か月後に亡くなりました。その時は塩酸ゲムシタビンとS―1という二つしか抗がん剤がなく、選択の余地はないですし、手術もできません。病状が悪くなっていく場合、抗がん剤をいつまでも飲んだり注射したりできません。夫が亡くなった翌年に新しい薬が認可され、翌年、その翌年とまた認可されてこの5年間で抗がん剤の選択肢が5倍になった。すごいことだなと思います。
山口 薬が増えたということは、これが効かないなら別の抗がん剤、というような方法がすい臓がんでもとれるようになったということでしょうか。
上坂 武器をたくさん持っていれば、ある武器がだめでも次、といろいろな手を繰り出すことができるわけです。
山口 すい臓がんと診断された時に、何を基準にどこで治療を受ければいいのでしょうか。
上坂 がんの治療は総合戦略です。神の手とか、すばらしい外科医がいれば全部できるということはない。正しい治療には、正しい診断が必要。放射線科や画像診断学のプロ、内科的に治す抗がん剤のプロ、もちろん上手な外科医……様々な分野のプロが必要です。厚生労働省が定めている、がんの診療拠点病院は認定を受けています。ちゃんとした外科医がいるとか、放射線治療の設備があるとか、いくつもの項目をクリアした施設です。
以上
石森茂利様のご冥福をお祈りいたします。
すい臓がん=死 のイメージになります。
初めに、失礼なことを申します。
世界中の医療機関が挙って研究をしても、このケース、治療はおろか原因さえ解明できないと考えています。
すい臓がんで転移している場合、このブログ以外には選択肢はないと思っています。
三大治療方法(手術療法、放射線療法、化学療法)は行ってはいけません。苦しい思いをし、体を傷つけるだけです。(←効果がないことが解るからです。)
「数字」の理論は絶対です。
何よりも優先して、すい臓がん発症の根本原因である「数字」を補強してやらなければ、医療現場での治療は功を奏しません。あれこれ試して、しんどい目をし、結局は・・・となります。
昨日のノーベル賞受賞された「がん免疫療法」でも石森さんのケースでは命を救うことはできません。何で死に病になっているかの根本原因を解っていないからです。
「早期発見」は「絶望」に変わることもありうることを認識ください。(検診は必要ないと考えています。)
田舎に住む兼業農家ですが、地球上では最強のアイテムをいただいています。
田舎のおじさんからのメッセージでした。