退職した高齢者のための介護支援課の現状について

2011-01-11 13:06:38 | 松戸市議会
磯崎 様

介護支援課の00です。

退職した高齢者のための介護支援課の現状について
松戸市の強味と弱味
行政へ期待したいことは?
とのお題をいただきました。

退職した高齢者や団塊の世代に対する介護支援課の施策は、特別にはありません。
遭えて対策と言えば、「予防」ということになります。
松戸市も、全国の市区町村と同様に、介護、国保(医療)、福祉(ここでは生活保護費に限定します。)の財政負担が重く圧し掛かっています。

「予防」が進めば、介護と国保の給付費総額増加を抑制することになり、市の負担と保険料という市民の負担は減ることになります。市の負担も基はと言えば市民の負担です。

介護予防も生活習慣病予防も、近頃、大きく叫ばれていますが、その精神は、介護保険制度や定期健康診断の制度に当初からありました。
特定健診では全国の実績から実効が現れて来ないため、厚生労働省が飴と鞭を見せて、市区町村に積極的に予防事業を実施するように求め始めています。

介護支援課の業務と退職した高齢者を直接結びつけると、このようになります。
満65歳に達したら、介護支援課は、介護保険被保険者証を送付し、介護保険料の納入通知書を送付します。第2号被保険者(40~64歳)から第1号被保険者に切り替わり、介護保険料は各保険制度による事業者負担と本人負担(給与天引き)から、本人所得と世帯課税有無により本人負担(年金天引きを含む)となります。
もちろん、ご本人が要介護(要支援)状態にあれば、要介護認定の申請をして、介護保険サービスを1割負担で利用できます。

もうひとつ、満65歳以上の方を対象(要介護認定者を除く)に、介護予防の観点から、「生活機能評価」のご案内をします。
働いている方、地域活動や趣味を楽しみ元気にお過ごしの方はよろしいのですが、日用品の買い物や預貯金の出し入れに支障が出たり、転んだり、外出の機会が減ったりと言った日常生活に変化が生じるようになると、近い将来に要介護状態になるリスクが高まります。
ここで、初めて介護予防事業の対象者になりますが、介護予防事業そのものが原則3~6か月の期間で1クールのみの参加で終わり、その後は、個人の努力で予防のための生活習慣や活動をしていただく「きっかけ」づくりに過ぎません。

要介護状態になったら介護保険サービスを利用する、要介護状態になるリスクが高まったら介護予防事業に参加する。実は、ここに至る前の生活習慣が非常に大事で、健康でいきいきと、自分らしく暮らすことができていれば、介護保険や医療保険とは無縁な生活ができ、本人にとっても市の財政負担の観点からも、求めている、求められている姿と言えると確信しています。
年齢を重ねるにつれて、心身の機能が衰えることや何らかの病気になることは必然のことですが、介護予防、生活習慣病予防の効果により、その時期を遅らせ、健康で居られる期間を延ばすことは可能です。

具体的な姿を想定してみると、
個人では、仕事、趣味、サークル活動などで家庭外での交流の機会を持つ。栄養バランスの良い食事と適度な運動を心掛ける。
家庭内では、家事・育児などの役割を持つ。
地域では、自治会・町会の役員や、その活動に参加するなどの地域貢献をする機会を持つ。
 などを思い浮かべます。

退職した高齢者や団塊の世代に限らず、松戸市(行政)が一人ひとりの市民に求めるのは、いつまでも健康で、いきいきと暮らしていただきたいということです。
そして、地域に求めるのは、「住み慣れた地域で、いつまでもいきいきと安心して暮らせる街(地域社会)を創る。」ために、地域では、どのような仕組みづくりをして、どのような地域(福祉)活動ができるかを、考えていただき、できることから行動・活動をしていただきたいということです。

一方で、松戸市は、地域の方々と協働してどのようなことができるのか、高齢者部門では、具体的には、認知症の方の見守りなど「高齢者支援連絡会」への支援があります。
また、災害時の要援護高齢者等(寝たきりなど自力で避難所へ移動することができない方など)の避難支援計画を策定中ですが、この計画の最終目標は、要援護者個人の避難計画、即ちご近所で非難支援をしていただける方2名の登録をお願いして、万一の災害に備えるというものです。地域の力がなくして成しえません。町会によっては、すでにこの趣旨の登録・活動を独自に実施しています。

介護支援課の現状を思いつくままに記述しました。
「松戸市の強味と弱味」と聞かれると、うーん、困ります。

最近、私に対して「これから要介護状態になっても、松戸市に住み続けたいと思いますか?」と聞かれました。(私は、松戸市の住民ではありませんが)
介護保険サービス事業所は、在宅・通所・短期入所・入所それぞれ施設数は十分に整備されていると評価できると、私は思っています。大抵の希望は叶えられます。
市議会で、特別養護老人ホームの待機者数(1,500人前後)がいるので、早急に整備すべきとのご指摘を受けますが、待機者の中には入院している方や老人保健施設に入所している方も居られ、また、要介護度の軽く今すぐ入所しないが申し込みはしておくという方々がおられます。
特別養護老人ホームは、他の入所施設に比べ、自己負担する費用が目安として10万円を大きく下回る程度と安いので、申込者が多いのは理解できます。
自己負担が可能なら、有料老人ホームやグループホームなど選択肢が広がり、また、つなぎに老人保健施設を利用することも考えられます。あくまでも自己負担が、ある程度可能ならのお話です。(目安として月額20万程度です。)
結論としては、松戸に住んでもよいかなと思います。
「強み」と言えると思います。

もう一点、「高齢者支援連絡会」に関わっての感想になりますが、地域によっては、地域活動に積極的で、すばらしい活動をしています。いろいろな問題を抱えながらですが・・・
これも「強み」だと思いますが、この活動がなかなか広がりません。

地域の問題は地域で解決してもらいたいというのが私の本音ですが、行政が関わらないと前に進まないことが多々あることも事実のようです。
磯崎さんの言う、「長年、会社人間で培った知識と経験は、確かに地域活動において生かせる宝物」なのですが、あまりに振りかざしてしまうと、これまでの地域活動になじまないことがあります。地域住民の活動の和に入れません。
逆に、新たな人材である「退職した高齢者」を排除してしまう地域があるのかも知れません。「どこの馬の骨かわからない!」と公然という地域の役員もいるようです。

松戸市内で、民生委員・児童委員の欠員があります。
地域団体の人材が不足しているとの声も聞かれます。
団塊の世代の方々が地域活動になかなか参画しないとも言われます。

これは、「弱み」でしょうか?
個人的には、これからの地域活動に、大きな期待をしています。
平成22年9月28日 文責 F


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