「驕慢(たかぶり)は滅亡(ほろび)に先立つ」
(箴言16章18節)
私たちは、
ものの豊かさ、長寿、個人の安全、比較的平和な状況、低い犯罪率、きれいな空気と水、驚異的なテクノロジーに
恵まれたかつてない時代に生きている。
歴史上の標準的な環境と比較するとき、現代は、先進国に住む人々にとって、最高の時代である。
しかし、私たちを乗せた船(≒私たちの社会)がスムーズに進んでいるときに満足を感じるのは比較的簡単だが、犠牲を免れた未来の幸福を期待することが出来る乗員は誰ひとりとして、いないのである。
世界の人口の5%を占めるアメリカ人が、世界で販売されている処方薬の50%、および処方薬としてのオピオイド系鎮痛剤の80%を消費している。
アルコール消費量だけは比較的適正で世界で45~50位をよく行ったり来たりしているが、アメリカ人の10%は過去1ヶ月以内に違法薬物に手を染めている。
ある意味満たされているはずの、先進国ほど、薬物に溺れているのであり、アメリカはその顕著な例である。
世界の歴史上、街角で薬物を買うことがこれほど危険をはらんでいたことはなかった。
アメリカは、これまでで最悪のオピオイド中毒の蔓延に直面し、今やそれは全世界に拡がっている。
毎年、3万人が亡くなり、何百万という人々が医療行為を原因とする中毒にかかっている。
昔から、ケシは医薬として、精神を高揚させるものとしてずっと用いられてきたし、それが常に何らかの害をもたらしてはいたが、現在ほど惨憺たる状況になど、なったことはいまだかつてなかった。
この現状は、医薬品業界が薬物を強力に売り込んだことに加え、ますます強い効果を持つオピオイド誘導体(例えば、カンフェンタニルの作用の強さはモルヒネの1万倍である)を合成したことも大きな要因である。
ここで、
「どんな痛みや、苦痛にもすぐに抑えられる対処法がある」という誤った認識が医者や患者の間に期待感を伴って広がり、それがさらに尾ひれをつけた噂話レベルで流布されていってしまった。
結果として、街角レベルでも、「心身の痛みや苦痛がすぐに抑えられる対処法があるかのように」なってしまった。
しかし、そんな対処法が果たして在るものなのか、耳触りよいフレーズや心地のよい内容の噂話を前に、ひとは冷静に、なかなかなれないものである。
しかし、個人であろうと、社会であろうと複雑な問題に対して簡単な解決策を求めると事態を悪化させることが多い。
繰り返すが、世界の歴史上、街角で薬物を買うことがこれほど危険をはらんでいたことはなかった。
現在は、かつてより、病やそれに伴う痛みに対して、効果や即効性を求めた結果、皮肉にもきわめて多くの薬物に危険な合成物は混ざっているからだ。
それでも、薬物の取り引きは終わらない。
良く(善く、などさらにない)ないことに限って、合法であろうと違法であろうと、その取り引きに莫大な利益が生まれ、悪しき用いられて方をする薬物の(その他の悪しきものも)虜となっている者たちが大勢いるからである。
(→現在の日本の朝のニュースを30分~1時間見れば、よーく解る......。)
国内外には、世界には、暗いニュースが溢れているが、
私たちには、絶望する理由も、自らを気の毒に思う理由もない。
人間として生きることはこれまでも決して易しいことではなかったはずである。
今、私たちが抱える難題たちは困難に思えるかもしれないが、黒死病や2度の世界大戦、世界大恐慌、果ては聖書にある干ばつ?に比べれば、まだまだ乗り切れる問題たちである。
ただ、私たちも、まだ乗り切れる難題のうちに、現在の行動や制度を変えることは必要になるだろう。
ただ、「未来を破壊するか、守るかは私たちの手にかかっていること」を認識しながら、世の中を視ることが、もっとも大事なことである、と、私は、思う。
ここまで、読んでくださり、ありがとうございます。
今日も偉そうに描かせて貰いましたが、私も病気になっていたとき、病院で処方された向精神薬たちですぐ治ると安直に考えていました。
私自身の向精神薬たちとそれらからの離脱などについては、またゆっくりと描くとして(→私自身もなかなか、描きたくてもキツくなり一気には描けなかったりします......すみません^_^;)、次回はそんな向精神薬たちの登場とそれらの拡大、できればそれらの弊害までを描いてみたいと思います。
よろしくお願いいたします。
ところで、毎朝、このシーズンは、ぬくぬくとした布団から出るときが1番ツラいです(T-T)
皆さまはいかがですか?
寒暖差にも気を付けたいですね。
今日も頑張りすぎず、頑張りたいですね。
では、また、次回。