双極性障害の薬剤師です

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双極性障害との戦い 大学院編④

2021-02-15 12:19:38 | 体験談
合格発表から半月後、入学式に出席した。

同期は私を入れて3人。

みんな違う部屋の子だ。

しかも男の子。

つまり、私の部屋には院生は私1人きりなのだ。

※中堅薬学部は院生が異様に少ないのだ。

この日から、大学院生1年生としての日々が始まった。

指導教員は学部生の頃と変わらず助教授。

しかし、部屋のトップは教授だ。

『1週間に2本、論文発表してね』

薬学部生は国家試験に受かるために大学に通っている。

論文を読んだことがないわけじゃないが、まずなんの論文を読んだらいいのかもわからない。

ましてや英語論文なんて読んでまとめてスライドを作って…となると数日かかる。

助教授がちょっととばし過ぎじゃないかと言ってくれたが、方針は変わらなかった。

私は教授に直談判した。

『まだ慣れてないから、せめて2週間に1本にしてくれ。』

かなり嫌な顔をされたが、なんとか許可を得た。

このことを言われた日から、論文、論文、論文、頭の中も論文、論文、論文…

23時近くまで研究室に残って論文を読んでいた日もあった。

部屋に先輩もいない、同期もいない…

きっと先輩や仲間がいたら、この壁も乗り越えられていたのかもしれない。

しかし、ここには私1人…

1人ぼっちだった…

『こんな論文も読めない自分なんて、院生として向いていない、自分はダメな人間なんだ…』

また自己否定が始まる。

『生きている意味はあるのか?』

だんだんそう思うようになってきた。

あのとき買ったロープの存在を思い出す。

『こんな日々が続くなら死にたい…』

自殺願望が芽生える。

孤独な日々と論文に追われる日が続いた。

壊れていく心の声も聞こえる。

『…辞めたい』

薬局も辞めて、また辞めるのか?
辞め癖がついているだけじゃないのか?

辞めることに抵抗があった。

しかし…

ある日、ついにロープに手をかけてしまう。

首を絞めた…

薄れていく意識の中…

『死にたくない!』

心の声だった。

あのとき死んでいれば…もう苦しまずに済んだのかもしれない。

あのとき途中でやめたことが正解だったのか…今でも疑問だ。

このとき、私は大学院を辞めようと決めた。

死ぬか、辞めるかの2択だった。

そう決めた次の日、通っている心療内科へ診断書をもらい、大学へ提出した。

このときも、今思えば、誤った選択をしてしまった。

療養に入ればいいのに、変なプライドからか、『働いてないといけない』という考えが頭に浮かんだ。

そこで就活をし、某大手食品メーカーの検査部門に内定をいただいた。

ここで、私がちゃんと病気を治そうと決意する出来事が起こる。

次回、某大手食品メーカーでの出来事を書こうと思います。