双極性障害の薬剤師です

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双極性障害との戦い 某大手食品メーカー編

2021-02-16 18:02:10 | 体験談
大学院を中退し、某大手食品メーカーの検査部門に入社した。

製造したものがエラー品でないか試験をして調べる仕事だ。

学生の頃から実験が好きだった。

なので仕事はとても楽しかった。

もちろん合わないなと思う先輩もいたが、ほとんどの先輩は丁寧に優しく教えてくれた。

鬱っぽい日もあったが、薬を飲みながらなんとかやっていけた。

このまま順調にいくと思っていた。

事件はある日突然起きた。

手の震えがとまらない…

これは炭酸リチウムの副作用だ。

細かい作業が多い実験。

手が震えることで失敗や器具を割ってしまうことも多くなった。

『○○さん(私)、ちょっといいかな?』

所長からとうとう呼ばれてしまった。

『何かあった?大丈夫?』

所長は私を責めることなく、逆に心配をしてくれた。

病気のことは隠していたため、本当のことは言えなかった。

『ちょっと眠れない日が続いていて…』

この言い訳でその場はなんとか乗り切った。

もう隠し通すのは限界だ、ちゃんとこの病気と向き合おう。

ここでようやく療養に入る決意ができた。

ここでまた心療内科の先生に診断書を書いてもらい、所長へ提出した。

所長からは、退職はもったいない、休職にしたらどうだ、と提案されたが、休職だと休める期限が決まっている。

期限が決まってしまうと焦りにつながると思い、退職することに決めた。

これで心の底から休める…やっと開放される…

その考えは甘かった…

家族に病気への理解がなかったのだ…

心無い言葉、罵声…

次回、療養への壁〜家族編〜を書きたいと思います。