陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

会社を辞めたいと思った時にやっておきたいこと

2023-04-05 | 仕事・雇用・会社・労働衛生

就職氷河期世代だからこそ、というよりは、私自身の問題でもありますが。
とにかく私は転職回数の多い人間です。入った会社には必ず文句が出ていますし、不満を理由にして離職することもしばしばです。自分がよく労働条件を知らなかったばかりにというのもありますし、逆に労働法などを知りすぎていて、若い頃ならば見過ごしていた会社の悪徳に気づきやすくなった、あるいは自分の能力や興味の限界からして、どうしてもその仕事を続ける気力が失われた、健康を損なったというのもあります。

しかし、就職氷河期世代よりも少し前の売り手市場だったはずの新卒就職者であっても、3年以内離職率が高いことは見逃せない事実なのです。若者は働くための根性がないのでしょうか? スキルが足りないのでしょうか? 私にはえてして、そうは思えません。労働者の平均年齢が高齢化しているいま、働かないまま高給取りな中高年層、あるいは専業主婦などで労働の戦場から逃れた方が増えた一方、年金や税負担の重さでかつてよりも手取りが少ない若年層の不満はいや増すばかりです。

転職経験の多い私だから言いますが、会社はいやだと思えば、すぐに辞めても構いません。
離職をひきとめる人というのは、たいがい、他の会社ではスキルが通用しない人です。会社に飼い殺しにされていて、劣悪な労働条件なのに疑いもせず、経営者を神さまのように敬い、仕事に酔っています。私からすれば、カルト宗教に近いです。そうした会社から離れてみたら、いろいろ見えてくるものがあります。

今回はいまの会社や仕事内容に見切りをつけたいと思った際に、ぜひともやっておきたいことを書き連ねてみました。転職経験の多い就職氷河期世代だからこその荒業をここで書きます。

★雇用条件通知書、労働契約書を交付してもらう
これは絶対条件です。求人募集での提示条件、面接での口約束を第三者が確認できる書面で交付しないことは、労基法違反になります。これを出し渋る、入社をやたらと急かす会社は様子見したほうが無難です。昇給などお金に関する面をきくと不利になるという声もありますが、自分のスキルに自信があるならば交渉したほうがいいです。

★出退勤時間、業務内容、会社でやり取りは記録する
会社にタイムカードがない、あるが有名事実化しているなど。実際の出退勤時間、業務内容や社内での報告連絡相談内容などは、なるべく克明に記録しておきましょう。あとでどこかへ訴えるときも、そのメモが役立ちます。また会社に不満があったときは、なるべく家族や友人にも証人として話しておくほうが望ましいです。実際の出社・退社時刻を書くなと指示されたときは、発言者、その日時をメモしておきましょう。あとで証拠になります。

・会社から支給されるものをなるべく使わない
制服が二着もらえても一着しか使わない。あとでクリーニングして返すときの負担を減らすためです。また、会社の机やロッカーに私物をおくのもやめましょう。勝手に片づけられたり、捨てられたりします。

★社内ネットワークに参加しない
プライベートを探ってきたりする同僚や先輩と深くかかわるのはやめましょう。辞めたあとまで、噂されます。ケータイ番号を聞かれたり、LINEを強制されたりするのも、危ない人だと感じたら断ったほうがいいです。私物を貸し借りするのも控えたほうが無難です。

★社会保険に加入しない
求人募集の内容と明らかに労働条件が異なる、休憩・休日を完全にくれない、パワハラ気質、新人にやたらと雑用の押し付け、などなど不審に感じたら、年金手帳や雇用保険被保険者証など入社手続きに必要な書類の提出を控えましょう。1箇月以内に退社し、社会保険加入していなければ履歴書に書く必要はありません。

★辞める前に待遇改善の交渉をする
賃金が明らかに安すぎるのに、それに見合わない仕事量を押しつけられている。もともと正社員のすべき業務範囲なのに賞与も退職金もない契約社員にさせている。仕事が早くできたら、ほかの社員の分まで仕事をおしつけられてしまう。休憩なし、サービス残業を強制される。不満はかならず会社へ訴えましょう。上司や労務管理責任者が実態を把握できていない可能性があります。

★いきなり辞職願をするのではなく、まず休職する
会社の労働条件が劣悪なので健康を害しました、という事実をつくるために、会社を休みましょう。なお、欠勤に対し医者の診断書を提出する必要は法律上まったくありません。病状を聞かれても答える必要もまったくありません。また、持病があっても入社前に告げる必要はありません。

★転職先を探す前に、希望業界、職種の相場を知る
待遇交渉をしても決裂したら、辞める準備を着々と進めましょう。その場合、気をつけねばならないのは、転職する場合は異業種異業界にいくのは不利になりやすいことです。ですので、そもそもブラック業界と呼ばれるものにはよほどお金に困らない限り応募しないほうがいいです、痛い目を見ます。また職種の平均時給などもチェックしておきましょう。

★労基署、ハローワークなどに相談をする
職安経由の求人で募集要項よりも労働条件を引き下げられた、などの場合、ハロワに連絡をしましょう。ハロワの窓口職員はとりあえず採用させたらそれでいいやといういい加減な非正規職員が多いので、正規の責任者に取り次いでもらうようします。労働相談の対応窓口としては労基署や各都道府県の労働局があります。また、大手企業や派遣会社ならば相談窓口が設けられています。

★利用できる公的助成を確認する
コロナ離職での雇用保険の失業手当の受給要件が緩和されています。失業手当は、長時間労働やパワハラなどならば会社都合と同じで、被保険者期間が6月で要件を満たすことがありますし、給付日数もかなり違います。会社の労働での心身疾患の場合、労災の対象になったり、健康保険上の傷病手当金や、障害年金の対象者になる可能性もあります。こうした制度は日ごろから図書館などでしっかり調べておきましょう。

★退職理由は自己都合にさせない
人手が足りないブラック企業は辞意を伝えても退職させず、しかし、いざ見放すとなると自己弁護に必死になります。あきらかに不当な労働条件で働かせたことを理由とするならば、それを頑なに主張し、断固として自己都合扱いで退職してはなりません。雇用保険上の手続きで不利になります。また、会社がかってに「自己都合」扱いで雇用保険手続きを行った場合は、あとから異議申立できますが、申請の受理に時間がかかるうえ、下手したら裁判沙汰になりますので、労基法違反の事実があれば、会社に辞意を伝えるまえに公的機関に相談し、先手を打っておくほうが望ましいです。

★会社に義理立てしなくともいい
会社は「お世話になりました」とお礼を述べて、たしかにきれいに辞めたほうがいいです。しかし、不当に労働搾取した会社に義理立てする必要などまったくありません。自分の健康や転職機会を逃してまで、引継ぎをしたりする必要もありません。制服など支給物ははきちんと返却する必要がありますが。その会社に愛想を尽かしたら、さっさと離れましょう。むしろ、そうしたブラック企業に関わると、ほんらい、あなたの能力を必要とするホワイト企業とのご縁がなくなってしまいます。

★会社以外の人脈を形成しておく
退職後の亭主関白タイプのおじさんが奥さんに嫌われて…という悲劇をよく聞きます。狭い組織の中でだけ自分の価値観を維持していたがためです。私は会社を辞めても、個人事業主上の付き合いがありますし、家族関係もさほど悪くなく、また掛け持ちバイトもしていたりするので、ひとつの会社を辞めても人間関係から切り離されるということがないです。単発のバイト登録をして、あちこちに知り合いをつくっておくのもいいですよ。ネット上の交流もいいのですが、SNS依存に注意しましょう。

★当面の生活費などの確保
退職すれば、毎月の月給分の収入が途絶えます。折半だった社会保険料の負担も増えますし、失業手当がもらえなく、すぐに仕事がみつからなければ、かなり苦しいです。多くの人はそれを考えて、退職したくとも踏みとどまるでしょうが、私の場合、同居家族はまったくの無収入ではなく、辛いなら会社を辞めてもいいよと言ってくれたので、精神的に楽でした。それまでの、毎日嘔吐や下痢の健康状態悪化を見かねてだったのでしょう。


拙ブログで何度も書いていますが、私はきょうだいを若くして過労死で失っています。
その会社の言い分は、死ぬまで働かなくてもよかったのに、でした。私もとある会社が労基法にある休憩時間もとらせず、サービス早出残業をさせるので労基署やハロワに訴えましたが、お役人は何度も何度も訴えないと動いてくれないです。

そもそもハロワの職員は専業主婦が腰かけで非正規で働いているので、労基法なども知らず、事業主が違法な労働条件で働かせたら、どういう罰則があるのかすら知らない無能な人が多いです。ただの求人受理、応募への手渡しならば、ハロワの紹介状とか要らないです。税金の無駄としかいいようがありません。正直、地元の自治体の労基署などが動かないならば、もはや厚生労働省などへ訴えるしかないでしょうね。

労働者を酷使する、生活時間を奪う、心身の健康を損なわせるような会社は、つぶれて当然なのです。会社の言いなりになってはいけません。そして仕事を失ったからといって、自己評価を下げる必要はありません。






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