陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

こころの健康を害するライフイベント(後)

2020-11-02 | 医療・健康・食品衛生・福祉

労働者のメンタルが壊れる要因となるライフイベントには、以下のようなものがあります。
(出典:『正しく知る会社「うつ」の治し方・接し方』 松崎一葉監修・友常祐介著 技術評論社 2013年)





さて皆さんはいくつありましたか。
家族の死や離婚、別居、失業などの喪失体験ならまだしも、意外なのは、結婚や妊娠、家族の増加、子どもの独立など慶事に思えるイベントまでもがストレスになりかねないということです。結婚の幸福感は男女で異なり、妻は夫よりも不幸感が多いのは家庭での作業分担が増えているからでしょうか。

休暇やクリスマスまでもがストレス要因になるのは意外ですが、休みの予定がないこと自体がこころのざわつく要因になるかもしれないということでしょうか。

このリストは心の健康診断チェックリストとして使えます。
直近1年間で自分の出来事の総点数が計300点超えていると、翌1年間で心身不調をきたす割合が80パーセント、200点越えだと60パーセント。定期的に自己のライフイベントの点数をチェックし、あまり大きな出来事をいっぺんに重ねないようにするのがいいようです。

ちなみに私はこの20年間に近親者の死去が複数、引越も何度も、転職経験もあり、奨学金の返済などもありで、毎年ではないですが高点数になっています。数年前からはお墓や家のリフォーム工事が続き出費がかなり続いたうえ、契約不履行で未収金が増えたときに職場を変えたりもしたので、かなりの高ストレス度です。家族と話し合い、勤務日はなるべく個人事業や家庭内の問題について持ち掛けないでほしい、朝は静かにしてほしいとお願いしています。

正直、恐ろしいことを言いますが、子持ち世帯や介護者がケアに疲れて家族に手を挙げてしまう理由がこのように数値化すればよくわかりますよね。職場内で既婚者と未婚者、子の有る無しとの間に軋轢がある理由も。

自分でなくても、働いていない家族が生活の柱となっている家族に対して無理な注文(旅行の強制やマイホームの購入、リフォームなど)をつけたり、子どもが不登校やいじめに遭う、暴力沙汰をおこしたりすることがかなりの精神的負担になってしまうことがわかります。親の離婚や別居は子どもにとってもかなりのトラウマであるはずで、楽しい行事も場合によっては苦痛でしかたがないということですね。

労働者がこうした日常問題をうまく解消しストレス発散できずじまいになると、職場内でキレやすくなったり、ハラスメントを生じやすくなったりするかもしれません。



こころの健康を害するライフイベント(前)
労働者のメンタルヘルス不調は、仕事によるものとは限りません。本人の性格の脆弱さや能力の問題だけではなく、職場で働けないほどこころを病む要因は複雑に絡み合っているケースもありえます。今回は、日常生活の延長でメンタルを病みやすいライフイベントについて考えてみましょう。

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