2024年の夏場に生じたコメ不足も落ち着いてきましたが、店頭価格が上昇しています。
ご飯の代わりにカップ麺などの需要が増しているそうです。私も気分転換に休日の昼食時はパンや麺類で代用することもありますが、副菜のおかずは必ずつけて栄養バランスを補っています。
一人暮らしでカップ麺だけなどの貧困な食生活を送った若い頃、体力もなく、そしてメンタルも不安定でありました。
そして、将来の不安を甘いものでまぎらわそうと、お菓子だけはよく口にしていましたね。
最近は旬の野菜を安く買えるルートを発掘したので、買い込んで、レンジで時短調理して三食に添えるようにしています。
にんじんは皮をむいて小口切りにしてレンジで加熱後に冷凍。必要分だけ容器にとりだしておけば自然解凍してくれます。もちろん調味料はつけずに。
以前はできあいのお惣菜をよく買っていたのですが、味付けが濃すぎて。
こうした温野菜のストックを冷凍庫でつくっておくと、調理する分だけ取り出しやすくて便利です。うちは家族が少ないけれど、冷蔵庫を二台(!)もっているのでフル活用しています。
私も同居人もべつだんヴィーガンではないので、肉も摂取します。
タンパク質に加え、野菜、海藻、きのこなどをバランスよく、少しずつ、レパートリーを変えてお皿に盛ったほうが見栄えもよいし、満腹感もあるのですよね。またみそ汁をつくって具材は多くしています。ありがたいことにお付き合いのある農家さんからごくまれに差し入れもあったりするのです。
以前は物足りないと食後にお菓子をお腹を満たしたりもしていましたが。
いまはなるべく控えて、旬の果物をお手頃価格で購入して味わうようにしています。飴を舐める癖も改善したので、虫歯が少なくなりました。お酒も飲まなくなって、アイスもさほど爆買いしていません。栄養価が足りないから余計なものを口にしてしまうのですよね。
心身が不安定になっていたときは、まず、食生活が乱れていました。
菓子パンやお菓子だけしか食べないで寝てしまう、とか。動物みたいに特定の好物のものしか欲しなくなって、ずっと、食べもののことしか考えなくなります。極度に冷たいものや辛いもの等の刺激物が欲しくなる。塩分や糖分過多になって体が重くなり、運動するのも厭いがちに。
精神的な飢餓感がいつもあり、自分のいのちをつなぐ思考回路になっている状態なのですが、脳がバグを起こしているので、腹八分目にできなくなるのです。
今年の初冬に寝たきり状態になっていたとき、私を救ったのは、空き家の庭に植えられていたはっさくの木でした。
今年はじめは豊作でしたので毎日のように食べていたのですが、すっぱい柑橘類はスナック菓子依存から私を解放していくれました。
それから不思議と愛着が湧くようになり。
木の下の下草刈りや生ごみなどの堆肥づくり、落ち葉拾いでの掃除などをこなすうちに体力も気力も充実してきて、この秋は体の調子がまずまず良いのです。外へ出かける用事をつくると、気分も上向いてきます。
以前、会社のランチを毎日コンビニ弁当で済ましたことがありましたが、たちまち、気分が憂鬱になりました。
清算してすぐに食べるので、いくらの費用がかかったとか頭をよぎりますし。安っぽいプラスティック容器なので風情も何もありません。
家から近い職場のときはむりやり昼食時に帰宅していましたが、やはりなじみの陶器のお皿で食べる料理は心が安らぎます。
そういえば、学校給食の、あの金物の容器が嫌いだったんですよね、細かい傷だらけで。
アニメ映画の「天空の城ラピュタ」で「人間は土から離れて生きられない」という言葉がありますが、この年にしてこの真理をつくづく実感します。
加工品ではなくて、土に育てられたものを食べてこそ命が輝く。
陽の光りを浴びて、米や魚と肉、野菜、果物など自然の食材をしっかり食べるようになれば、生き方も考え方も変わるような気がするのです。肉や魚がきれいにパック詰めされた状態でお金さえ出せば入手できるような暮らしで、牛一頭を育てたり、新鮮な卵を拾ったり、魚や貝を獲ったりするまでにどれだけの労力がかかり、そして自然の営みの恩恵を受けているのか、理解していないまま、ありがたくも思わないまま生きてきたことに私は愕然としています。
昔は土いじりなんて大嫌いだったのですが。
肥料の高騰で農家さんも苦しく、つくるのも大変。野菜などがおいそれと買えなくなるかもしれない。なので、自己療養がてらに空き畑を利用してなにか栽培してみようかと模索しています。上手く育たなくとも、雑草対策にもなりますし、なにより食材を生み出すことの大変さを知るよい学びの機会だと思っていますから。
(2024.10.21)