陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「リプリー 暴かれた贋作」

2010-07-22 | 映画───サスペンス・ホラー
マット・デイモン主演の99年の「リプリー」は、アラン・ドロン主演の名作「太陽がいっぱい」と原作者がおなじパトリシア・ハイスミスの小説を映像化したもの。
本作「リプリー 暴かれた贋作」は、2005年作。同作家の『贋作』を原作に、その主人公の名と筋書きを借りて芸術的サスペンスにアレンジしなおしたもの。ただし、単純に話をなぞっただけではなさそうですね。

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ロンドンに暮らす詐欺師トム・リプリーは、仲間とともに新進気鋭の画家ダーワットを売り出して一儲けたくらもうとする。だが、ダーワットが事故で急死。焦ったリプリーたちは、未完成の作品を仲間の無名の画家にしあげさせ、売りさばいた。
見かけが似ていることからダーワットになりすましたリプリーは、パリの大富豪の娘を恋人にして優雅な暮らし。
しかし、贋作をめぐって仲間割れがおき、さらにダーワットの作風に疑問を抱いたコレクターがリプリーに詰め寄る。追いつめられた彼は…。

「太陽がいっぱい」の貧しいが故に野心まみれのぎらついた目をしたアラン・ドロンとは比して、優男の印象が強いリプリー。ダーワットについては不可抗力の事故だったのですが、その後、起きてしまう第二、第三の犠牲については同情心を抱くべくもありません。
しかしながら、このリプリー、警察に追いつめられるかと思いきや、意外な伏魔殿によって救われてしまいます。ここは納得がいかないですね。意外性を狙ったのかもしれないけれど、やはり悪銭を得ているわけですから、それなりのしっぺ返しが欲しかった。
現代アートを扱っているということで楽しめはしましたが、あんな殴り書きみたいな絵にオークションで億単位のお金が動く世界って信じがたいですよね。

監督は「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」のロジャー・スポティスウッド。脚本は、「ボーン・アイデンティティ」のウィリアム・ブレイク・ヘロン。
主演は「父親たちの星条旗」「プライベート・ライアン」のバリー・ペッパー。「スパイダーマン」で印象深い悪役を演じたウィレム・デフォーはちょっとかわいそうな役どころであります。
他に「ジョー・ブラックをよろしく」のクレア・フォーラニ、「X MEN2」のアラン・カミングなどキャストは豪華。


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