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1992年の映画「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」は、タイトルからすると、どことなく艶めいたラブロマンスに感じられますが、実際はかなり硬派なヒューマンドラマ。
年老いた男が、若者に昔とった杵柄でいろいろ教えを授けるといった構図は、「家族の肖像」「グッド・ウィル・ハンティング」などでさんざん描かれてきたので、私にとっては、とくに面白味はないものでした。
主演のアル・パチーノの存在力で持っているような映画です。
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規律の厳しい名門ハイスクールの給費生チャーリーは、帰省費稼ぎのために、盲目の退役軍人フランクの介添えをするバイトをはじめた。
目が見えないながら横柄な態度、ホテルで豪遊ざんまい、兄の家族にも毒づくフランクに、チャーリーはほとほと手を焼く。だが、フランクが実は自殺を図ろうとしていたのを知り、目が離せなくなってしまう。
このアル・パチーノ演じる退役将校の言動が、破れかぶれでどうも好きになれませんでした。
だが、しかし、自殺を図ろうとする段になって、必死に説得するチャーリーに生きがいを見出した。このあたりも、けっこう安易ななりゆきかも。
いっぽう、チャーリー自身も、友人の起こしたいたずら事件に巻き込まれて、自分の進退問題で切羽詰まっています。学園の有力者の息子である友人たちも、甘い誘いで証言を得ようとした校長も、チャーリーを裏切ろうとする。
しかし、チャーリーを救ったのは、父親がわりで登場したフランクの一喝だった。
この名門校の学生の雰囲気といおうか、恵まれた環境を鼻にかけて歪んだ魂に育った日米のティーンエイジャーを描いた作品がどうも好きになれないので、私的に評価は低いです。
共演はクリス・オドネル。
監督はマーティン・ブレスト。
脚本は、「カッコーの巣の上で」のボー・ゴールドマン。
92年度アカデミー賞最優秀主演男優賞、ゴールデン・グローブ賞作品賞(ドラマ部門)、最優秀主演男優賞(ドラマ部門)、最優秀脚本賞を受賞。
セント・オブ・ウーマン 夢の香り(1992) - goo 映画