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PADI Rebreather Advanced OWトレーニング修了

2020-12-29 15:39:45 | SCUBA diving

先週末の土日、1泊2日の慌ただしい日程で伊豆大島へ行って来ました。風も穏やかで気温は13℃、よく晴れて対岸の伊豆半島には写真右端から富士山、大室山、天城山がくっきりと見渡せました。

今年7月にRebreather Open Water Diverのトレーニングを受けた後、続けてAdvanced OW Diverのトレーニングを受ける予定でしたが、インストラクターとの日程調整がなかなか合わなかったりして延び延びになっていたものです。7月のOWのトレーニングは、レンタルのPoseidon Mk IVでした。その後10月には自分でMk IVの後継製品のSE7ENを購入し、それを使ってすでにファンダイビングを9本楽しみ、リブリーザーでのダイビングにもそれなりに馴れて来たところです。しかし通常の圧縮空気タンクを使うSCUBAでのトレーニングと同様に、本来はAdvanced OWトレーニングを修了していないダイバーは、ファンダイビングでも水深18mより深い所には潜らせてもらえないんです。

Advanced Open Water Diverトレーニングの目的は、水深18mより深い所や、夜間など、Open Water Diverトレーニングで経験した環境より一段と広い領域で潜る技術と経験の習得ですが、すでにSCUBAのAdvanced OW Diver資格によって深い水深や夜間といった環境の違いは十分に経験済みなので、Rebreather Advanced OW Diverトレーニングでは深い水深に対応するための新しい追加の装備の使い方を習得するだけです。それは、off-board tankと呼ばれる予備の圧縮空気タンクを腰の横に装備します。

写真の左にあるのが、off-board tankです。SE7ENユニットに装着している2本のタンクがそれぞれ3Lで、その倍の大きさで6Lあります。背負うことはないので、ハーネスは付けません。予備用としてのレギュレーター・セカンドステージと残圧計、ドライスーツにエアを供給するための中圧ホースが付いています。

Rebreather Advanced OW Diverトレーニングの内容は、このoff-boardタンクを装備して潜ると共に、水中でリブリーザーユニットにトラブルが発生した場面を想定して、リブリーザーでの呼吸とoff-boardタンクのレギュレーターでの呼吸を交換する操作手順、そしてこのoff-board tankを水中で脱着してバディと交換する操作手順を習得します。それだけです。ちょろいものです。

ところが、、、

今回の私のトレーニングにはもう一つ課題が加わっていました。
それは、ドライスーツを着てのリブリーザーを使ったダイビングです。
これまでのファンダイブは、季節柄水温も高かったので、ずっとウェットスーツを着てのダイビングでした。
今回は12月も下旬、水温は20℃を少し下回るくらいですが、それよりも陸上の気温は12~13℃なのでウェットスーツでは海から上がって来た後にめちゃくちゃ寒い思いをしなくてはなりません。もうドライスーツの出番です。
このドライスーツを着てのダイビングが、様々な想定を超える面倒を引き起こしてくれました。

まずは浮力調整。
リブリーザーでのダイビングは、自分の吐いた息を放出しないで循環させるために、息を吸ったり吐いたりすることでは浮力を調整することは出来ず、BCDを使ってかなり繊細に調整する必要があることは、このシリーズの以前の記事に書きました。リブリーザーの呼吸回路内の空気量は必要に応じて自動的に電磁バルブから少量ずつ補充されますが、排出する仕組みはありません。浮上などに伴って呼吸回路内の空気が膨張したら、余分の空気はダイバーが鼻から吐き出して海中に放出してやる必要があります。このように、BCDによる浮力調整と鼻から息を吐いて呼吸回路の余分な空気を捨てるという2つの操作に加えて、ドライスーツを着ている時はドライスーツ内の空気量を調節する操作も加わります。

そこでインストラクターからの指示は、「3つの操作手順を並行するのは煩雑過ぎて間違いも起こるので、BCDへの吸気は行わずドライスーツ内の空気量を使って浮力を調整しなさい」というものでした。しかしこれが意外と大変! 水深が深くなるにつれて、マイナス浮力を打ち消すためにはドライスーツのスクイーズを解消する量を超えてさらに多くのエアを注入しなければいけません。当然、ドライスーツはBCDの代わりに膨らむことになります。体とスーツの間に余分な空間が広がって、スーツは体の周りにダブついて一体感が失われます。頭を下げて足の方が高くなると、もっと大変。余分な空気は足に集まってブーツが膨らみ、ブーツの中で足が遊んでしまってフィンキックも大きく効率ダウンします。
今回はトレーニング中ということで、インストラクターの指示は100%言われた通りに従うことにしましたが、やはりドライスーツへの吸気で浮力を調整するのは邪道だな。ドライスーツ内部への空気の注入はスクイーズを解消する目的に限ることとし、浮力の調整はBCDを使う方がどんな姿勢でもバランス良く中性浮力を維持できると、あらためて感じました。

別の問題は、オフボードタンクの水中脱着。
私が使用しているBCDは、ショルダーベルト側面とお尻の近くに左右それぞれ、合計4カ所に大きなD リングが備わっています。オフボードタンクは、左右どちらかの2カ所のDリングにフックをかけて取り付けます。どちらのDリングも水中では見えないので、手探りだけでDリングにフックをかけたり外す必要があります。しかもドライスーツを着ていると、右手は左側のDリングには届かず、左手は右側のDリングには届きません。片手一本だけ、しかも冬用の厚手のグローブを嵌めた片手だけで、フックのレバーをスライドさせてDリングに付け外しする必要があるのです。ウェットスーツなら肩も肘も自由に動かせてグローブも薄手だから何の問題もないこのフックの脱着ですが、ドライスーツを着ただけで大変難しい作業になってしまいました。結局水中で10分格闘しても自分一人ではお尻側のDリングへかけることが出来ず、バディに手伝ってもらうはめになりました。この問題は引き続き練習して習得することもさることながら、Dリングの場所やフックの形状など装備側での改良も含めて今後の課題です。

この他にはオフボードタンクのレギュレーターとの交換もトレーニング項目にありますが、これは簡単です。スキューバでのオクトパスとのレギュレーター交換と同じですが、リブリーザーの場合はマウスピースを交換する前に、(1) リブリーザーのマウスピース横のbail-outレバーをOC (open circuit)に切り替える、(2) リブリーザーのコンソールの表示がCC(closed circuit)からOC(open circuit)に変わったことを確認する。(3) マウスピースを外し、オフボードタンクのレギュレーターを咥えてパージしてから呼吸する、という手順になります。

一方、トレーニングの項目ではありませんが、オフボードタンクを装着して海中を泳いでいる時に気になることがありました。真っすぐ前へ泳いでいる間は問題ないのですが、左右や上下を見るために体の向きを変えると、オフボードタンクがリブリーザーユニットのタンクとぶつかって「ゴンッ」と大きな音が響き渡るんです。フィッシュウォッチングに集中している時にこんな騒音立てたら、目も当てられません。どんな姿勢になってもぶつからないようにオフボードタンクの取り付け位置を調整するか、さらにはクッション材でも巻いて音が出ないようになど、何らかの装備面の対策が必要と感じました。

今回、1泊2日の限られた時間内で2本のトレーニングダイブを行いました。1本目ではインストラクターのリブリーザーユニットにトラブルが発生して、トレーニングを途中で中止して戻ってくるというハプニングもありましたが、なんとか最低限の課題はクリアして所定のトレーニングを修了することが出来ました。トレーニングに集中するために1本目は水中カメラは持ち込みませんでしたが、2本目では今後のファンダイブの場面を見据えて水中カメラを持ってのバランス、浮力調整、操作手順を確認しました。水中カメラを持っては入ったものの、ダイビング中はトレーニング課題に集中するためほとんどサカナを観察することはなく、写真も撮りませんでした。それでもせっかくカメラを持って入ったので、段落ちでエステ中のイソカサゴ君を一枚だけパチリ。

段を上がって梯子に向かいながら、カメラを全部畳んでエキジットの体制を整えたところで、ふと後ろをみるとちょっと小ぶりのアオリイカが一匹、産卵場所を探しているような光景が見られました。

 


今年はこれで潜り納めです。

世の中は冬になってCOVID-19の蔓延が一段と深刻さを増していることもあり、お正月は自宅で静かに過ごす予定です。
次回はおそらく2月に大島で潜る予定です。
それまで感染予防を徹底して、来年も充実したダイビングライフを楽しみたいと思います。

ダイバー仲間の皆さん、どうぞ良い年をお迎えください。


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