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しりとり②


さて、立ち上がってしりとりに入りますが、少しだけこのしりとりにはポイントがあります。

①口に出して言う

②誰かに対して言う。

ということです。

具体的には、最初にコトバをもらった人、例えば「しりとり」というコトバをもらった人はまず『しりとり』と自分の位置で言います。

そして、誰に次の言葉を言うかを見定めて、おもむろに円の内側に歩いていきます。

そして「り」で始まるコトバを誰かに渡すわけです。『りす』とか。

ちなみに、この「りす」というコトバは歩きながら考えてもらいます。

立ち止まると思考が止まるよ、人間は足で考えるらしいよ、とかあおります。

意外にみんなコトバが出てこない。

まあ、専門学校とかであれば、ゲーム後の話し合いで君たちは言葉を扱う職業なんだから、知っている言葉の量が単純に勝負の分かれ目に

なったりしちゃうよっていう話をします。
八百屋が野菜を扱うように、魚屋が魚を扱うように、俳優は言葉を扱います。
その言葉を知っていることはもちろん、使ったことがあればあるほど、即戦力で演技できます。
だからこの1年間、言葉の収集をきっちりやるように勧めます。


『りす』といわれた人はまた自分の位置で『リス』と言ってからおもむろに歩き出し、次の言葉を考えます。

そうして円には空いた空間が生まれますので、そこに先ほど『りす』といった人が入って、円は続いていき、ゲームは続いていきます。


なぜ①口に出して言うかというと、それは言葉をイメージするためです。多分コトバを聞いたときには言った俳優の力量と受け取る俳優の

想像力の強さにもよりますが、何らかのイメージが伝わったはずなのです。それを言った人と聞いた人それぞれが確認するのです。
つまり言葉を伝達するゲームとしてこのしりとりが捉えられています。
恐らく、口に出して自分の声で聞くほうがイメージが広がり、次の言葉を探しやすくなるのではないかと思っています。
多分、この作業って、自分の言葉の海の中から、もらった言葉によって周辺の言葉がピックアップされてきて、その中から特定の文字で始まる言葉を探し出すのかな、と思います。だからイメージする力の練習でもあるのだと思います。


なぜ②誰かに対して言うのかというと、これが俳優の、演劇のワークだからです。
つまり台詞です。
台詞は、まず相手役にきちんと伝わらなければなりません。そしてその様(AからBへ言葉の受け渡しがあったということ)を見た観客が言葉の意味とそこに載せられた何かしらを読み取っていく、ということになります。

のほほんとナビゲートしているように見えて、いろいろと計算が働いているんですよね。
この辺が、演出家がやるワークショップなのかな、と思います。
やっぱりどういう順番で、どういう体験を参加者がしていくのか、というのを設計していきます。
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