さっそくですがワークショップに最初にやるシアターゲームの話から。
アイスブレイクと専門的には言うらしいのですが(ワークショップデザイナーという資格講座で学びました)、ワークショップの最初には大体シアターゲームと呼ばれる演劇の要素の入ったゲームを行います。
中でも、僕は好んで“しりとり”を行います。
もちろん、いわゆるしりとりですが、座ってやるんじゃなくて動きます。
とりあえず立ったまま「キレイな円」を作ってもらいます。
ワークショップのときは僕も参加しながらやるのですが、これ、意外と難しい。
みんな左右を眺めあいながら、細かく動きます。自分が動くときに他の人も動いてしまうので微調整が必要になります。
どのくらいの大きさの円か?みたいなのも意思統一していかないといけないので。
中には、手をつなぐ、とか、誰かが見る、とかやりだす人たちもいますし、僕自身がそういう提案をするときもあります。
これの狙いは集団創作の疑似体験でもあったりします。演劇って言うのは共通のイメージを創りだして観客に見せます。
いわば、大きな円になって座る、っていうト書き(台本に書かれている動きの指示)をやっているわけです。
そして、自分ひとりが動くだけでは難しくって、他の人にも動いてもらわないといけないし、なかなか一人ひとりの性格が出ます。
場合によってはこの時点で座って、今やった「キレイな円」を創ったことについて感想を聞いたりします。
「どんな点が演劇に似ているか」みたいなことも聞いたりします。
意外に今まで考えたこともないような意見が出てきたりもしますし、こうした自分の動きに対して観察する、あるいは他の人の動きについて観察するっていうのが、俳優にとって重要だったりします。
意見を言うこと、しかもそこに根拠があること。これは後のワークやシーン作りで欠かせないものです。
このあと何度もそうした場面を作っていきます。
また、他の人が動くのに合わせて、全体が円になるように合わせて動くっていう感覚も重要です。
独りよがりな演技を初心者は見せがちですが、いくら感情を込めたり自然にお芝居できても、他の人とアンサンブルできなければ価値は半減します。とはいえ、このアンサンブルが出来るっていうのもまた一つの技術に過ぎません。それができないとだめだっていうわけでもないので、あんまりこの時点で強く言い過ぎたりはしません。
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