今、つづりを書いてみて、違和感があったのでちゃんと調べたら、やっぱり間違っていました。
上に書いてあるのが正しいです。
英語の勉強しなくては・・・。
それはさておき「始まり」ということです。
演劇でも映画でも小説でも漫才でも、最初が肝心です。
つかみ、と言うやつですね。
蜷川さんの作品も最初に結構びっくりするようなパフォーマンスでひきつけて、と言うことは多い。
始まって3から5分はやはり勝負です。
映画でこれがやはり抜群にうまいと思うのは宮崎駿さんで、ラピュタのドーラ一家のくだりやハウルの城の描写など秀逸だと思います。
もちろんびっくりするようなことが必要なわけではなくて、「となりのトトロ」なら懐かしき三輪トラックでの引越しですし、
もう一人僕の好きな岩井俊二さんの「花とアリス」なら、ただの通学風景ですがめちゃくちゃ早朝で、実は好きな男の子に会いに、というように日常と地続きのところから入って作品に引き込むと言う手があります。
今まさに僕たちが芝居で創り始めているのは、芝居の冒頭です。
とはいえ、創作としても最初の期間なので、手探りです。
俳優さんとのイメージの共有や、僕のダメだしの出し方を分かってもらったり。
ダメを出すと言いますけど、僕の場合この段階では、ほとんど可能性の提示にとどまります。
曲げたくないルールの提示はあったりしますけど、構想を話したり、こんなやり方はどうだろう、という。
「こんな感じだと面白そう」とか「そうしちゃうともったいない」とかそういう感じの言葉が良く出てきます。
まだ本読みですから。
でもこの段階って結構大事です。
特にキャラクター作りにおいて。
小説や漫才でも恐らく気にする第一のことはキャラの紹介ではないかと思います。
小説ならどのように主人公の描写をするか、登場人物をどんな場面でどんなことをしていることを紹介するのか。
漫才ならば、もちろん売れている芸人さんなら説明不要でしょうが、オードリーの春日さんとかチュートリアルの徳井さんとかこういうキャラの人ですよー、ということを紹介するということを理論的にじゃなくてもされていると思います。
そして大事なことは観客に好かれること。
もしくは興味をもってもらうこと。
映画でどうしても寝てしまうんだ、という友人がいて、彼女と話していると、どうやら作品がつまらないと寝てしまうのはもちろんのこと、「こいつらがどうなろうと知ったことか」となってしまうと眠くなる、ということでした。
このとき、「ああ、なるほど」と思ったのです。
確かに、出てくる登場人物に興味が持てなければ、そしてある種の感情を抱かせなければ、その後見てもらえる可能性はとても低くなります。
それは稽古場で僕が俳優を好きになるからもっと見たいと思うし、稽古を続けられるのと同じだな、と。
ただ、好かれることだけを目標にしなくても良いかな、とは思います。
必ずしも感情移入してもらうキャラクターとして設定しなくても。
でも基本的に演出家は俳優も登場人物も愛しているので、好かれて欲しいな、とは思います。
特に人間がきちんとごろっと提示されるようにしたいな、と思います。
ああ、こういう人がこの世に存在するんだ、ということだけは疑わせてはならないと思います。
と、いうことで初めを作るのはものすごく難しい。
ちなみに「初めは」というのは on the beginning といいます。
接触を表す前置詞onが、使われています。
言葉に出来ないですが、わかる感覚です。
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