演劇をやっていて一番大事なのは相対化していくことだと思います。
実はこれ、現代文を教えながら確信したことです。
学校の現代文の授業では、どちらかといえば美術や音楽のように文章をどのように鑑賞するのかに重きが置かれがちですが、受験では文章の読解力と論理力を見ます。
つまりどのように鑑賞するかは主観ですが、書かれた文章の筆者の主張の理解は客観でなければできません。
シャーロックホームズも言っていることですが、可能性を消していって最後に残るものが自分が信じがたいものであっても真実である、ということです。
4択あって一番適したものを選べという問題が主ですから、この方法論はとても大切です。
多くの生徒は自分が正しいと思う答えを書いてしまいがちですが、実際には筆者が言っていること、もっと言うと文章に書かれていることに根拠がなければ駄目だからです。
入試現代文の問題は、多くの人が解く問題ですから、誰が見ても正解だと分かるように論理的に作られています。
相対化するとは、自分の主観を絶対化しないということです。
それは相手の考えを理解し、わかる言葉を発しないといけない現場では本当に重要なことです。
自分のまわりだけに通じる作品を創っていてもしょうがないわけです。
世界に向けて公演を打つわけですから、身内の発表会ではなくて、いろんな考えがあることを理解して作品を創らねばなりません。
そんなことを考えています。
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