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演出の技術:想像力


 思考力とは何でしょうか。最近脳科学の本にハマり、大きく分けると視覚・聴覚に分かれて人は物事を覚えたり、考えたりしているようです。いやもちろん映像で、というのが正しいのでしょうが、その聴覚記憶が強い、とか視覚記憶が強いとかがあるようなのです。
 駆け出しの頃、僕はよく稽古場で「ちょっと20秒ください」と言って頭の中で目の前でやってもらったシーンを再生していました。そしてそれがない方がいいかあった方がいいか、みたいに考えていました。そういえばあんまり最近やってないけど。
 つまり、思考力とは結局想像する力かもしれないと思っています。もちろん論理的に考える力でもあるのはその通りで、その上でなお想像力がなければ、上記のようにここがこう変わったらどうなる?っていうのを見出せないといけないだろうな、と思うのです。
 実は、僕はでも、人の心とか相手の立場とかを考えたりというのが苦手でした。「空気を読む」とかも何となくわかる気はするのだけれど、あえて「読まなくて良かろう」「ちゃんと明言しない人の方が悪いのではないか」と思ったり。でも演劇をやることで、自分には理解し難い人のことを考えるようになり、ほんの少しだけですが、他の人はこう感じているのじゃないだろうか、と想像することができるようになってきました。これって本当に演劇が社会に対して有用であることの証左であると思うのです。
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