Re-Set by yoshioka ko

■13日目。

 正直、というか、正直は疑心を呼ぶというか、暗鬼が顔を出す。

 何か異常な数値が出たときに発表される国の「放射線量」や「放射能物質」のことだ。規制値であったり、基準値であったりするが、その数値は「安全」を意味するものだ、というお断りが必ずつくけれども、その規制値の何倍とか、基準値の何倍が検出された、とまず発表され、これらの数値は、健康に被害を及ぼすものではない、と続き、その証拠に、仮に検出された数値を一日中浴びても、それはCTスキャンの何百分の一だとかいって、心配には及ばない、と必ず説明される。

 説明の通りかもしれない。しかし、いちいち「健康には全く心配ない」とお断りを入れるのであれば、最初から発表しない方がいい。本当に危なくなったら、というか、まず観察体制を強固にし、数値の変化などから、これは厳しい!という段になったら、そのときに発表すればいい。今のままだと、むしろ不安を煽っている、と思われても仕方ない。

 疑心は安鬼を呼ぶ。

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