何かが起き始めている、と思わざるを得ない。誰がなんのために混乱を起こそうとしているのだろうか?ブット暗殺という事態を目の当たりにして3週間、パキスタンで取材を続けた中で言えることは、ことはそんなに単純ではない、ということだ。例えば自爆テロひとつとっても、果たしていつものように「アルカイダ」で済ませることが出来るのかどうか。
建国以来パキスタンは「謀略」の国でもあった。今回のブット暗殺にしても、ブット家では4人目の犠牲者だ。アメリカのケネディ家以上というしかない。そしていままた新たな「謀略」が始まったのだろうか。
またこの「謀略」は常に政変を伴う。ムシャラフ大統領が選挙前でも、辞めろという声が高まればいつでも辞任する、とフランスのフィガロ誌に語った。本気なのかブラフなのか、いまはまだ判然としないが、もし辞任ということになれば軍事クーデターは現実的な問題になるに違いない。
そうなれば悲劇は一般国民ということになるが、それで満足する人々もいる。既得権益を得ているごく一部の、そして絶大な権力をかざすことの出来る人々だ。彼らにとって混乱は危険な賭ではあるが、上手くいけばさらにのうのうと生き延びるチャンスでもある。
パキスタンで今の危機を作り出しているのは、いったいどっちだ?
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