Re-Set by yoshioka ko

■危機を作るのは、いったいどっちだ?

 ラホールからイスラマバードに戻った。パキスタンは本当に揺れ始めたのだろうか。カラチではバイクだか手押し車だかに仕掛けられた爆弾が爆発し、10人が死亡し、40人以上が負傷した、という。またペシャワルでも爆弾が使われ、一人が死亡した、と地元テレビが伝えている。

 何かが起き始めている、と思わざるを得ない。誰がなんのために混乱を起こそうとしているのだろうか?ブット暗殺という事態を目の当たりにして3週間、パキスタンで取材を続けた中で言えることは、ことはそんなに単純ではない、ということだ。例えば自爆テロひとつとっても、果たしていつものように「アルカイダ」で済ませることが出来るのかどうか。

 建国以来パキスタンは「謀略」の国でもあった。今回のブット暗殺にしても、ブット家では4人目の犠牲者だ。アメリカのケネディ家以上というしかない。そしていままた新たな「謀略」が始まったのだろうか。

 またこの「謀略」は常に政変を伴う。ムシャラフ大統領が選挙前でも、辞めろという声が高まればいつでも辞任する、とフランスのフィガロ誌に語った。本気なのかブラフなのか、いまはまだ判然としないが、もし辞任ということになれば軍事クーデターは現実的な問題になるに違いない。

 そうなれば悲劇は一般国民ということになるが、それで満足する人々もいる。既得権益を得ているごく一部の、そして絶大な権力をかざすことの出来る人々だ。彼らにとって混乱は危険な賭ではあるが、上手くいけばさらにのうのうと生き延びるチャンスでもある。

 パキスタンで今の危機を作り出しているのは、いったいどっちだ?

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「テロとの戦争」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2021年
2012年
人気記事