Harumichi Yuasa's Blog

明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)教授・湯淺墾道のウェブサイトです

沼ノ沢と真谷地再訪

2023年06月12日 | 自治体
夕張市の沼ノ沢と真谷地を1年ぶりに訪問しました。

沼ノ沢駅の線路には花が咲き開き、まるで花壇のようになっていました。



「レストランおーやま」というレストランが入っていた沼ノ沢駅の駅舎は、そのまま残っています。



下の写真は2011年に「レストランおーやま」で食べたハンバーグ。



北海道炭礦汽船真谷地炭鉱専用線「真栄町(六区)」駅跡の前には、当時としては比較的に新しかった市営住宅や改良住宅が建ち並んでいたため、今でも少ないながら住民がいます。このため、住民向けの公営浴場も営業中でした。以前はここまで夕鉄バスの路線バスが一日に数本だけ走っていたので、バスで来ることができましたが、今は路線廃止となっています。





さらに奥の方に進んでいくと、真谷地市街地。かつて繁華街だった真谷地市街地は、昭和27年の大火で全焼してしまいますが、このときの焼失戸数121戸で、狭い2本の通りの両側に100戸以上の建物があったようです。年々家や商店が取り壊され、空き家はどんどん倒壊していきます。

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JST/RISTEX 「情報社会における社会的側面からのトラスト形成」について

2023年04月29日 | 情報法
科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)は、SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(情報社会における社会的側面からのトラスト形成)の提案募集を開始しました。
当該プログラムは私が総括を務めるものです。
詳細は下記をご覧下さい。
https://www.jst.go.jp/ristex/proposal/proposal_2023.html

令和5年度の公募要領はこちら。
https://www.jst.go.jp/ristex/proposal/files/guideline_digist2023_jp.pdf
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投票日当日の選挙運動

2023年01月22日 | 選挙制度
先日、ある新聞記者から「なぜ投票日当日の選挙運動は禁じられているのですか」という質問を受けた。

日本では、公職選挙法によって投票日当日の選挙運動が禁じられている。
正確にいえば、「選挙運動は、各選挙につき、(中略)候補者の届出、(中略)衆議院名簿の届出、(中略)参議院名簿の届出、(中略)公職の候補者の届出のあつた日から当該選挙の期日の前日まででなければ、することができない。」(129条)として選挙運動を行うことができる期間が定められており、投票日当日はその中に含まれないということである。
それでは、素朴な疑問だが、なぜ投票日当日の選挙運動は禁じられているのであろうか。現行版の『逐条解説個人情報保護法』にはこの点に関する明確な記述がなく、古い版(昭和32年初版)を見ても明確な理由の説明はなかった。その他、いろいろな本を見てみたが、投票日当日の選挙運動の禁止の理由や合理性に関する明確な説明はまだ見出していない。
投票日当日の選挙運動が禁じられたのは、戦後のことで、選挙運動等の臨時特例に関する法律(昭和23年法律第196号)によって初めて禁止規定が設けられた。

(選挙運動の制限)
第二十四条 何人も、左の各号に掲げる行為は、これをすることができない。
一 いかなる方法を以てするを問わず、選挙運動のために特定の候補者の氏名又は政党その他の政治団体の名称を連呼すること、但し、個人演説会を開催する場合にあつてはその実施一時間前からその場所において、街頭における演説会を行う場合にあつてはその実施の場所において、当該演説会の告知のためにする場合は、この限りでない。
二 選挙に関し、自動車を連ね又は隊伍を組んで往来する等気勢を張る行為をすること
三 選挙の当日選挙運動をすること

この規定が公職選挙法にも受け継がれているのである。

第2回国会衆議院本会議(昭和23年5月27日)では、このような発言がある。

<長野重右ヱ門>
しかも、あのトラックの上からどなり歩いたり、あるいは選挙当日、その近くにおいて、だれだれさんを頼みますとか、はなはだしきに至つては候補者みずからおじぎをするというようなとは、国会議員の品位を傷つくるものでありまして、これは断固やれないように法定すべきであると考えるのであります。これが個人の選挙運動に対しますところの徹底であります。

投票日当日の選挙運動は、なにぶんにも当日であるだけに露骨、直裁な候補者への投票依頼が行われることが多かったようだ。
昭和23年の臨時特例法の趣旨は、選挙公営の拡大と選挙の公正であったが、飲食物の提供、連呼行為、自動車を連ねたり隊伍を組んだりして気勢を張る行為が臨時特例法ではじめて禁止されている。
なおこの臨時特例法制定を主導したのは、片山哲首班の社会党内閣であった。社会党内閣は当初、選挙公営を徹底し、個人による自由な選挙運動を全面的に禁止することを企図していたという。この間の経緯は杣 正夫『日本選挙制度史』が詳しい。
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平昌のオリンピック施設のその後

2022年12月30日 | 自治体
12月27日に、平昌オリンピックが開催されたスタジアムその他を視察。
大規模なスポーツイベントの際に整備されたスポーツ施設は、その後の維持費が問題となることが多いものの、平昌の場合はもともと韓国の中でも清涼な気候の場所として知られ、夏は避暑、冬はウィンタースポーツの客で賑わうところだったので、オリンピックが終わった途端に閑古鳥が鳴くということもなかったそうだ。
ジャンプ台は現在も国内のジャンプ大会などに利用されており、訪問したときはちょうど人工雪噴霧器でジャンプ台を整備しているところだった。





オリンピック開催にあわせてKTXが整備され、交通の便がよくなったこともあり、特にスキー会場周辺は冬場はスキー客で賑わうようになっているという。またカジノが併設されているため、カジノ客の需要も一定程度は見込むことができるようだ。
ただしボブスレー用の施設や、スケートリンクはほとんど利用されることがなく、スケートリンクに各種のスケート大会を誘致しようとしているものの、なかなか難しいのが実情とのこと。



下の写真は、聖火台を備えて開会式と閉会式が開催されたスタジアム周辺の整備状況。
スタジアム、スケートリンクなどが建設された。



スタジアムの跡はオリンピックミュージアムに改装されているものの、こちらはほとんど訪れる客もなく、閑散としていた。



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済州自治特別道議会議事堂のオンライン採決 その2

2022年12月30日 | 自治体
済州自治特別道議会議事堂のオンライン採決システムを実際に体験してみた様子です。

議席にはモニターが設置されており、マウスと小型キーボードも用意されています。





議長が採決に入ることを宣言すると、モニターに投票画面が表示されます。



議員が投票した結果(賛成、反対、棄権)は、議員の氏名と共にリアルタイムでモニターに表示されます。
モニターは傍聴席からも見える位置に設置してあり、傍聴席からどの議員がどのタイミングでどのように投票したのかが確認できるようになっています。



なおこの電子採決システムには、議員同士のチャット機能も装備されているとのことです。


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済州自治特別道議会議事堂のオンライン採決

2022年12月30日 | 自治体
12月26日(月)に済州島の済州自治特別道議会議事堂を訪問し、本会議場の電子採決システムを実際に体験しました。
「共に民主党」院内代表の梁(Yang Young-sik)議員に出迎えていただき、電子採決システムの導入経緯についての説明を受けました。梁議員は神奈川県議会も訪問されたことがあるそうです。
電子採決システム自体は、日本の参議院本会議場でも導入されていますが、済州道議会本会議場の電子採決システムはオンラインで外部からも参加できるようになっているのが特色です。いまのところの遠隔採決の実績として、議員執務室から採決に参加した例があるとのことです。
実際に議場で議員が座る椅子に座らせていただいて、採決の模擬デモンストレーションを体験しました。



各議員の席上に置かれているモニタには、あらかじめ議員の氏名と写真が表示されていて、座席は固定制になっています。議長が採決に入る旨を宣言した後、議員は各自の席上に置かれているモニタに表示されている「出席」ボタンをクリックし、次の画面で表示される「賛成」「反対」「棄権」のボタンをクリックすることで行います。投票状況は、本会議場正面に出席されている大型モニターにリアルタイムで表示され、どの議員がどの選択を行ったのか、傍聴席からもリアルタイムで見ることができるようになっています。リアルタイムですから、どの議員がすぐ選択したか、周囲の様子を見てから選択した議員は誰かというようなことも傍聴席から見えるわけです。
集計後、議長が採決の結果を口頭で読み上げ、木槌(ガベル)を鳴らすことで確定します。なお韓国の議会における木槌の使用は、アメリカの影響を受けているものと思われます。
ちなみに済州道議会議事堂の議員執務室は個室になっており、議員が他の議員や職員等と接触しないで各執務室からオンラインの会議やミーティング、電子採決システムを使った採決に参加することができるようになっているとのことです。執務室の中は見学しませんでしたが、いただいてきた議会のパンフレットに載っていた議事堂の建物の平面図からみると、けっこう広そうです。議員に個室の執務室が与えられているというのも、アメリカの影響でしょう。日本国内では沖縄県議会が同様にアメリカの影響で議員の個室を備えていたかと思います。



議会のオンライン化、特に本会議や委員会のオンライン化の際に問題となるのは、遠隔参加している議員が本人であるかどうかの確認をどのように行うか、なりすましを防止するにはどうするかという点ですが、いまのところは自宅等からオンラインで電子採決に参加した例はないので、この点は問題とならなかったようです。
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久しぶりに八幡を歩く

2022年12月07日 | 自治体
12月6日(火)の1限、2限に九州国際大学で北九州市男女共同参画センターの事業の一環として「キャリア形成プログラム」の講義を行った。
前日の夜に空路北九州市に入り、千草ホテルに宿泊。
当日は、千草ホテルを朝チェックアウトして九州国際大学まで歩いていった。
久しぶりに八幡に行ったが、変わらないところもあれば、すっかり様相が変わったところもあった。



千草ホテルの道路向かい。
このあたりは変わっていないが、写真の右側に写っている中華料理の「華兆亭」は閉店してしまった様子。現在はアジア・アフリカ研究所の理事長をされているN先生が贔屓にされていた店。



八幡には村野藤吾の設計になる建物が多かった。
そのうちの一つが八幡図書館で、保存運動も行われたようだが、結局取り壊しになった。



上の写真は現在の八幡図書館。
実はこの建物は、1997年に建てられた九州国際大学の文化交流センターという建物だった。地域連携の拠点として建てられたものだったが、大学本体よりもかなり開放的なつくりで、中の調度品も大学のものよりも豪華なものが多かった。このころは九州国際大学も財政にゆとりがあったと見える。



皿倉山の斜面にびっしりと張り付くように家が建っているのが見える。
平地が少なく、海岸部の平地はほとんど八幡製鉄所をはじめとした工業地域や八幡製鉄所の社宅などで占められていた八幡では、住宅地は山の斜面のほうに広がっていくしかなかった。住民がどんどん高齢化している現在、斜面地の住民の交通手段をどのように確保するかが大きな問題になっている。



「ぽぱい」はもともと新日鐵労働組合会館の中に入っていた店だったと記憶するが、祇園のほうに引っ越してきた様子。
労働組合会館は、2013年に建て替えられたそうだ。





大きく変わってしまったのが祇園町商店街(八幡祇園町銀天街)。
2018年、老朽化して危険な状態になっていたアーケードが撤去された。その数年前に火災が発生して危険性があらためて指摘され、商店街の積立金が残っているうちに取り壊した方がよい、ということだったようだ。アーケードの下の通りはシャッター街になっていたので、アーケードを取り壊した結果、シャッターばかりの通りになるかと思いきや、アーケード取り壊しと共に空き店舗の取り壊しも加速し、空き地ばかりになってしまったのだという。
この商店街では、同僚の先生がゼミ生たちと今で言うところの地域連携によるアクティブラーニング、フィールドスタディを実践していた。その頃、50年ぶりに仮装行列も行われた。その動画がYoutube上に残っている。
https://www.youtube.com/watch?v=pMKu9QMTFNI
空き地には、個人向けの分譲住宅が建ち始めている。あと数年たつと、ここに商店街があったということすら見分けられないようになるだろう。


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RIETI-早稲田大学-東北大学共催シンポジウム 先端技術と民主主義 国際シンポジウム「日本における電子投票・インターネット投票の未来」

2022年11月23日 | 選挙制度
11月30日(水)に、RIETI-早稲田大学-東北大学共催シンポジウム 先端技術と民主主義 国際シンポジウム「日本における電子投票・インターネット投票の未来」が開催されます。
今回はオンラインではなく、現地開催です。
参加申込は、こちらからお願いいたします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfBCGtOvGMCnPID4Xmq3O83QYYESSnJ4QrbeCXlQKvKvzmHhg/viewform

イベント概要
日時:2022年11月30日(水)13:00~15:00(日本時間)
開催言語:日本語(一部逐次通訳有り)
会場:早稲田大学三号館302教室(対面開催)
定員:100名
参加費:無料
主催:独立行政法人経済産業研究所/早稲田大学現代政治経済研究所実験政治学部会
共催:東北大学大学院情報科学研究科

プログラム
司会
尾野 嘉邦(早稲田大学政治経済学術院教授 / RIETIファカルティフェロー)

13:05-14:20 報告
13:05- 日本における電子投票の法制上の課題
湯淺 墾道(明治大学大学院ガバナンス研究科教授)

13:25- つくば市スーパーシティ特区におけるインターネット投票について
市ノ澤 充((株)VOTE FOR代表取締役社長)

13:45- 韓国の民間選挙におけるインタ-ネット投票システムの利活用
高 選圭(大邱大学招聘教授)

14:05- 韓国におけるインターネット投票システムの開発
宋 在敏(Korea Smart Voting代表)*高教授による逐次通訳

14:20-15:00 パネルディスカッション(フロアからの質疑応答を含む)
尾野 嘉邦(早稲田大学政治経済学術院教授 / RIETIファカルティフェロー)

湯淺 墾道(明治大学大学院ガバナンス研究科教授)

市ノ澤 充((株)VOTE FOR代表取締役社長)

高 選圭(大邱大学招聘教授)

宋 在敏(Korea Smart Voting代表)*高教授による逐次通訳

河村 和徳(東北大学大学院情報科学研究科准教授)


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先端技術と民主主義 国際シンポジウム「日本における電子投票・インターネット投票の未来」

2022年10月31日 | 選挙制度
11月30日(水)に電子投票・インターネット投票に関するシンポジウムが早稲田大学で開催されます。
私も報告する予定です。
今回はオンラインではなく、オンサイトで対面形式により開催されますので、以下のリンクからお申し込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfBCGtOvGMCnPID4Xmq3O83QYYESSnJ4QrbeCXlQKvKvzmHhg/viewform?usp=sf_link

先端技術と民主主義 国際シンポジウム「日本における電子投票・インターネット投票の未来」
主催:独立行政法人 経済産業研究所
共催:早稲田大学現代政治経済研究所実験政治学部会 / 東北大学大学院情報科学研究科

日時:2022年11月30日 13:00-15:00
場所:早稲田大学三号館302教室(対面開催)、定員:100名
開催言語:日本語(一部、逐次通訳あり)

【プログラム】
<司会> 尾野 嘉邦(早稲田大学政治経済学術院・教授/RIETIファカルティフェロー)
<報告> 13:05 ~ 14:20
 13:05~ 日本における電子投票の法制上の課題
 湯淺 墾道 明治大学大学院ガバナンス研究科教授
 13:25~ つくば市スーパーシティ特区におけるインターネット投票について
 市ノ澤 充 (株)VOTE FOR代表取締役社長
 13:45~ 韓国の民間選挙におけるインタ-ネット投票システムの利活用
 高 選圭 大邱大学招聘教授
 14:05~ 韓国におけるインターネット投票システムの開発
 宋 在敏 Korea Smart Voting代表(高教授による逐次通訳)

<パネルディスカッション(フロアからの質疑応答を含む)> 14:20~15:00
 尾野 嘉邦 (早稲田大学政治経済学術院・教授/RIETIファカルティフェロー)
 湯淺 墾道 (明治大学大学院ガバナンス研究科・教授)
 市ノ澤 充 ((株)VOTE FOR代表取締役社長)
 高 選圭  (大邱大学招聘教授)
 宋 在敏( Korea Smart Voting代表)(高教授による通訳)
 河村 和徳(東北大学大学院情報科学研究科・准教授)

【シンポジウム概要】
日本では、在外選挙でのインターネット投票実現に向けての実証実験が2020年に行われ、現在、つくば市スーパーシティ特区事業においてインターネット投票実現へ向けての事業が進められています。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世界レベルで非接触型の投票方式であるインターネット投票に注目が集まるなか、本シンポジウムでは、つくば市における取り組みの状況、また民間選挙などに広くインターネット投票を活用している韓国の事例を検討しながら、日本における電子投票・インターネット投票の未来について議論したいと思います。そして、議論を通じ、参加者とともに日本における民主主義のDXの可能性と課題を考えたいと思います。



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明治大学ガバナンス研究科2023年度学内選考試験及び2023年度Ⅰ・Ⅱ期入学試験の入試要項

2022年09月07日 | 情報法
明治大学専門職大学院ガバナンス研究科では、2023年度学内選考試験及び2023年度Ⅰ・Ⅱ期入学試験の入試要項を公開しました。
こちらからご参照ください。

https://www.meiji.ac.jp/mugs2/exam/schedule.html
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