情報ネットワーク法学会のため名古屋へ。
機内で「空弁」を食べ、朝食と昼食を兼用。「ごりょんさんの玉手箱」なるもので、中身は、ふぐ、明太子、ちりめん、鯖などの具が載った小さなピンポン玉ほどのむすびめしが9個(具は9種類で、具1種類に付きむすびめし1個)入っているというもの。
山口英・内閣官房情報セキュリティ補佐官・奈良先端科学技術大学教授の基調講演「情報セキュリティの役割拡大と方向性」は、政府の情報セキュリティ対策の経緯と現状に関するもの。
特に内閣官房を中心とするセキュリティ対策を推進する過程において、実務的には立法化を極力回避している現状が紹介された。
その理由は、立法化作業は膨大なコストを要する割には、法律による諸問題の解決は終局的場面が中心であり、一般国民にとって立法化は必ずしも有意義とならないという山口氏の私的な見解が示された。換言すれば、法律は「使いにくいツール」であり、「顧客」である国民にとっては満足度の低いものであるため、政府の情報セキュリティ対策を推進する上で膨大なコストを費やしてまで立法作業を推進する必然性は低いというものである。
上田修一・慶應義塾大学教授の基調講演「日本型ロー・ライブラリーは可能か」は、日本とアメリカの法科大学院の図書館(ロー・ライブラリー)を比較した上で、日本型のロー・ライブラリーのありかたを探求するものである。アメリカの法科大学院の図書館と比較すると、我が国のそれは人的・財政的基盤がすこぶる貧弱であることが紹介された(たとえばアメリカ法曹協会認定の法科大学院185校のロー・ライブラリーの平均的な専門図書館員数は8名)。
それだけではなく、アメリカのロー・ライブラリーは独立性、専門性、管理手法、予算面の担保等の面において、我が国とは大きく異なっていることが指摘された。
我が国の法科大学院が発足して以来、教員および学生の双方から不満の声が上がっているが、アメリカの法科大学院制度に類似する法科大学院を導入する上で、それを支える人的・財政的基盤の整備については意図的に看過されてきた面があり、それが今日の我が国の法科大学院の現状を現出したのではないか。ロー・ライブラリーに関する配慮の欠如(法科大学院設置基準における数値基準を避けた抽象的な言及)もその一例であると思われる。
ただ、大学図書館のあり方として、学部・大学院の専攻に呼応する専門図書館がよいのが、総合的な図書館を一つ造る方がよいのかという問題は、なかなか即答はできないと思われる。法律を学ぶ学生と研究者にとっては前者のほうが使いやすいだろう。しかし、ちょっと専門外の専門の文献が必要になったときには、わざわざ別の図書館に足を運ばなければならないことになってしまう。
パネルディスカッションは、フォレンジックに参加するか法学教育に参加するかで悩んだが、結局、指宿 信・立命館大学教授の司会により、フランク・ベネット(名古屋大学助教授)、門 昇(大阪大学講師)、石川万里子(筑波大学講師)の各会員がパネリストとなったパネルディスカッション「法学教育とライブラリー」に参加した。
本パネルディスカッションでは、法情報の電子化の過程において紙の法律情報と電子情報をどのように使い分けるべきか、法学教育(法科大学院および学部)において図書館と連携した教育をどのように行うべきか、ロー・ライブラリアンをどのように養成していくか、法科大学院の図書館の設置基準を作るべきか、という点が中心に討議された。
指宿先生の司会が巧みで、会場の参加者に上手に発言をうながしながら、スムーズに討論が展開していった。
宿泊は、名古屋の定宿にしている名古屋観光ホテル。
近年でもシティホテルは意外にインターネット接続環境が整っておらず、ビジネスホテルのほうが環境は充実していることが多いが、名古屋観光ホテルは比較的に早い時期から全室高速インターネット接続可能になっていた。やや古いが、このホテルで不愉快な思いをしたことはないので、名古屋に来るときはここに泊まることにしている。
朝食券を昼食に振り返ることができるのもこのホテルのよいところで、朝食ビュッフェはやめて昼食にしてもらった。1800円相当のランチが供された。
機内で「空弁」を食べ、朝食と昼食を兼用。「ごりょんさんの玉手箱」なるもので、中身は、ふぐ、明太子、ちりめん、鯖などの具が載った小さなピンポン玉ほどのむすびめしが9個(具は9種類で、具1種類に付きむすびめし1個)入っているというもの。
山口英・内閣官房情報セキュリティ補佐官・奈良先端科学技術大学教授の基調講演「情報セキュリティの役割拡大と方向性」は、政府の情報セキュリティ対策の経緯と現状に関するもの。
特に内閣官房を中心とするセキュリティ対策を推進する過程において、実務的には立法化を極力回避している現状が紹介された。
その理由は、立法化作業は膨大なコストを要する割には、法律による諸問題の解決は終局的場面が中心であり、一般国民にとって立法化は必ずしも有意義とならないという山口氏の私的な見解が示された。換言すれば、法律は「使いにくいツール」であり、「顧客」である国民にとっては満足度の低いものであるため、政府の情報セキュリティ対策を推進する上で膨大なコストを費やしてまで立法作業を推進する必然性は低いというものである。
上田修一・慶應義塾大学教授の基調講演「日本型ロー・ライブラリーは可能か」は、日本とアメリカの法科大学院の図書館(ロー・ライブラリー)を比較した上で、日本型のロー・ライブラリーのありかたを探求するものである。アメリカの法科大学院の図書館と比較すると、我が国のそれは人的・財政的基盤がすこぶる貧弱であることが紹介された(たとえばアメリカ法曹協会認定の法科大学院185校のロー・ライブラリーの平均的な専門図書館員数は8名)。
それだけではなく、アメリカのロー・ライブラリーは独立性、専門性、管理手法、予算面の担保等の面において、我が国とは大きく異なっていることが指摘された。
我が国の法科大学院が発足して以来、教員および学生の双方から不満の声が上がっているが、アメリカの法科大学院制度に類似する法科大学院を導入する上で、それを支える人的・財政的基盤の整備については意図的に看過されてきた面があり、それが今日の我が国の法科大学院の現状を現出したのではないか。ロー・ライブラリーに関する配慮の欠如(法科大学院設置基準における数値基準を避けた抽象的な言及)もその一例であると思われる。
ただ、大学図書館のあり方として、学部・大学院の専攻に呼応する専門図書館がよいのが、総合的な図書館を一つ造る方がよいのかという問題は、なかなか即答はできないと思われる。法律を学ぶ学生と研究者にとっては前者のほうが使いやすいだろう。しかし、ちょっと専門外の専門の文献が必要になったときには、わざわざ別の図書館に足を運ばなければならないことになってしまう。
パネルディスカッションは、フォレンジックに参加するか法学教育に参加するかで悩んだが、結局、指宿 信・立命館大学教授の司会により、フランク・ベネット(名古屋大学助教授)、門 昇(大阪大学講師)、石川万里子(筑波大学講師)の各会員がパネリストとなったパネルディスカッション「法学教育とライブラリー」に参加した。
本パネルディスカッションでは、法情報の電子化の過程において紙の法律情報と電子情報をどのように使い分けるべきか、法学教育(法科大学院および学部)において図書館と連携した教育をどのように行うべきか、ロー・ライブラリアンをどのように養成していくか、法科大学院の図書館の設置基準を作るべきか、という点が中心に討議された。
指宿先生の司会が巧みで、会場の参加者に上手に発言をうながしながら、スムーズに討論が展開していった。
宿泊は、名古屋の定宿にしている名古屋観光ホテル。
近年でもシティホテルは意外にインターネット接続環境が整っておらず、ビジネスホテルのほうが環境は充実していることが多いが、名古屋観光ホテルは比較的に早い時期から全室高速インターネット接続可能になっていた。やや古いが、このホテルで不愉快な思いをしたことはないので、名古屋に来るときはここに泊まることにしている。
朝食券を昼食に振り返ることができるのもこのホテルのよいところで、朝食ビュッフェはやめて昼食にしてもらった。1800円相当のランチが供された。