Harumichi Yuasa's Blog

明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)教授・湯淺墾道のウェブサイトです

山本一太参議院議員の「電子投票法案改正案に関する質問リスト」

2009年05月15日 | Weblog
電子投票法案についてのコメントを頻繁に掲載している山本一太参議院議員のブログに、「電子投票法案改正案に関する質問リスト」が掲載された。

 「電子投票」に興味を持つ「全ての読者」の参考になるように、ということだが、まさに参考になるものだと思う。
というのは、技術面、法制面、運用面からの問題点が網羅されているからである。

ちなみに昨日論文草稿をポストしたが、その中で触れたように、アメリカではマークシート投票用紙を光学スキャンして、そのデータで集計を行うという方法が急速に普及しつつある。特に今回の大統領選挙ではその傾向が顕著であった。投票箱がスキャナになっていて、有権者が自分のマークシートを挿入するというものが多い。
マークシート投票用紙の光学スキャンは、電磁的な記録を作成してその記録を用いて集計を行うという意味では一種の電子投票であると言えるが、投票の方向を有権者が選択した瞬間に、直接電磁的に記録するというわけではない。


今回の大統領選における電子投票のポイント

・州においては依然として直接記録方式電子投票機がらみのトラブルが生じている
・VVPATでは対応できない事例も出てきており、VVPATが絶対ではないことが認識され始めている
・本来、電子投票機の問題と言うよりもディスプレイのデザインの問題である事例があっても、世論は電子投票機のトラブルだとして受け止めてしまう
・上記の事情から連邦議会にはVVPAT義務づけには依然として慎重派が多い
・州は、VVPAT是非論に嫌気がさして、直接記録方式電子投票機の使用を思い切ってやめ、マークシート光学スキャンに移行する傾向が出てきた

コメント
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