今年は海外に行かないことにしたせいもあり、夏休みの宿題(論文執筆)は今のところは順調である。
しかし、上には上があるものだ。
指宿信先生(立命館大学法科大学院)の夏休みの宿題の一覧を見てびっくり。
代わりに、私のほうは学内行政の宿題が多い。
特に頭を悩ませているのは、来年度のゼミの編成にそろそろ着手しなければならないことだ。
最近、学力低下、少人数教育志向、就職活動の長期化と開始時期の繰り上げなどさまざまな要因のせいで、ゼミが低学年に降りてくるようになってきている。僕の本務校も例外ではなく、1年生(入門演習)、2年生(基礎演習)、3年生(発展演習)、4年生(応用演習)というそれぞれの学年にあわせたゼミがある。
これ、大学の教員が見たら「えっ?」と思うでしょう。「ゼミだけで4コマになっちゃうじゃん!?」。そうなんです。1人の教員が全部の種類のゼミを担当すると、もう4コマになってしまうのです(勤務条件の良い大学だったら、これでもう責任コマ数に達してしまうはずだ)。
それではとてもコマが回らない。理論的には、クリアする方法が4つあると考えられる。
(1)低学年次のゼミは一般教育担当教員が担当し、高学年次のゼミは専門教育担当教員が担当する。
(2)教員のローテーションで担当する(教員Aは今年は入門演習と基礎演習、Bは発展演習と応用演習というようにする)。
(3)非常勤講師に頼む。
(4)事実上、1年生から4年生までのゼミという体制を放棄する。たとえば、基礎演習は全部休講にする。そうすると、1人の教員が全種類のゼミを担当するとしても、3コマで済む。
ここで、いろいろな条件。
・法学部の場合は入門演習は必修で、あと2種類の演習を履修しないと卒業できない。つまり希望者だけゼミを取るというわけには行かない。
・(3)はだめ。財政的にも、人のリソースの面でも、ゼミの非常勤講師は無理。
・(1)も厳しい。一般教育担当の専任教員は少ないからである。
・教授の場合は、大学院の担当があるので、ゼミはせいぜい2種類を持ってもらうのが限界だろう。
・(4)が合理的なようだが(そもそも限られたスタッフで4年間ゼミを実施というところに無理があるのだ)、1年から4年まで通してのゼミの維持という要望は多い。あるいは、個別の学年のゼミについて「1年ゼミは必須」「いや、2年ゼミこそ中だるみを防ぐために必要」「4年ゼミがないと就職の指導がきめ細かくならない」など個々の意見がある。
・(2)は学生からの苦情がある。今年A先生の2年生ゼミを取り、来年はA先生の3年生ゼミを取ろうと思ったら、A先生は来年は3年生ゼミを担当しない、というケースが出てくる。
さーて、どんなパズルの解がありえるというのか。