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NO.14 テクノロジーの進歩に胸躍る時

2024年06月29日 | 日記

       AURACAST   HPより  https://www.bluetooth.com/ja-jp/auracast/assistive-listening/

テクノロジーの進歩に胸躍る時

<埼玉県難聴児を持つ親の会主催 講演会にて>

 去る5月19日(日)、市民会館おおみや(RaiBoc Hall)で、埼玉県難聴児を持つ親の会主催の講演会があった。今回の講師は、補聴器相談室ライカ(北本市)の柴田治さんだ。子どもの補聴器の相談に親身になってくださるので、この辺では有名で人気のある補聴器屋さんだ。補聴器自体の歴史や変化、そして補聴援助システムのこと、リモートフィッティングのこと、スマホとの連携、音声認識アプリとの連携などの説明があり、こういう時代になったんだなあと改めて感じ入った。中でも興味深かったのは、「Bluetooth Auracast」(ブルートゥース オーラキャスト)なるものの出現予告だった。

  Auracastは、1台の送信ディバイスから大量の受信ディバイスへの音声送信ができるもので、例えば、公共施設や店舗に設置されている無音テレビの音声を自分のデジタルイヤホンや補聴器で直接受信できるような仕組みだ。駅や空港のアナウンスも設定しておけば、自分の補聴器やデジタルイヤホンで直接受信できるのだ。難聴者は、電車内のアナウンスやホームでのアナウンスは、なかなか聞き取れないが、Bluetoothによる直接受信ができるようになるというのだ。講演などでは、自分の選ぶ言語での音声が受信できたりするという。(https://www.bluetooth.com/ja-jp/auracast/assistive-listening/)

 これが実現できれば、かなり暮らしやすくなるのではないだろうか。駅のアナウンスなどが、補聴器で直で聞けるなら、うれしい人はたくさんいるだろう。

 

 

<デジタル聴診器の話>

左が3Mリットマンコアデジタルステソスコープ 右はネクステート

写真はTさん提供

 

 それからもう一つ、胸躍る話があった。この講演会の前日に、難聴児保護者のTさんから連絡があった。Tさんは、娘のHちゃんがこの春看護師養成校に入学し、勉強を始めている。感音性難聴70dBのHちゃんが使用可能なデジタル聴診器を探していたのだが、実際に出回っているデジタル聴診器がよく聞こえずに困っていたのだ。Tさんは、ネットで調べるうち、日本という範囲でなく、海外も含めて探さなければダメだと気づき、海外のYouTubeを調べたそうだ。そして海外の「聴診器オタク」みたいな人のYouTubeを見つけ、そこからの情報で、3Mリットマン コアデジタルステソスコープを見つけた。それを実際に取り寄せて、試してみて、ラインをくれたのだった。

「夜分にすみません!感極まってしまいました・・・。補聴器ともバッチリ同期できて、もちろんヘッドホンも使え、ボリュームも調節でき、ノイズは入らず、チューブ無しのヘッドのみで使えて、かつ補助的にスマホで波形を視認でき、Bluetoothもメチャクチャ安定・・・もはやメリットしかない!ワクワクしますー!」

 この知らせに、私もテンションが上がった。すごい、すごすぎる、自力で探しちゃったんだ!Tさん! Tさんは、昔からディバイス関係に強く、最新の最高のものを追求する人だ。今回も脱帽だった。

私の知る範囲でも、難聴者で看護師をしている人は、2名いる。そのうちの一人は、Sさんで、2000年頃にアメリカから当時20万円くらいしたデジタル聴診器を取り寄せ、以来20年以上その聴診器を使い倒していた。もう一人のMさんは、カチューシャ型の骨導補聴器とデジタル聴診器を、ロジャーやマイリンクをからませて、極めて複雑な使い方で使用していた。聴診がよりスムーズにできるようになることは、難聴看護師にとって画期的なことだ。

 SさんとMさんに是非新しい聴診器を見せてあげたいと思い、二人に連絡すると、Sさんは、講演会の場に来てくれることになった。Mさんは、仕事で来られなかった。

 親の会の会長が機転をきかせてくださり、柴田さんの講演の最後にTさんもデジタル聴診器のホットな話をみなさんの前で話すことができた。そして、興味のある人は、補聴器だけでなく、デジタル聴診器も試聴することができたのだった。そして急遽かけつけてくれた看護師のSさんも、即決でその新しい聴診器の購入を決めたのだった。

 もちろん金銭的な負担のあることだが、医療を目指す難聴者にとって、聴診器が使えることは大事なことだろう。こういうことが少しずつ、テクノロジーの進歩によって、ハードルが下がることは、うれしい。

 

 聴診器を試す練習台になってくれた、補聴器相談室ライカの柴田さんありがとうございました!

 親の会の皆様ありがとうございました!

 それからTさん! 最新の電子聴診器情報をありがとうございました!

 

 



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