子供たちも一万人以上となると当然そこからは悪ガキも現れ、その少年は棒切れを振り回してポニーを虐めたとします。
それまで人懐っこかったポニーはスネて人を乗せるのを嫌がる様になり、その原因が追及されて悪ガキは「子供のサークル」で断罪されます。
この裁判の過程を少し深掘りしますと、彼は犯行の現場を抑えられませんでしたが過去にも同じコトをやっており、その為に裁判にかけられました。
「自白しないと罪は重くなるぞ」と迫られて悪ガキも言い逃れが出来ず、彼には「虐めたポニーに乗ってカイラスを一周してこい」という判決が下されます。
この聖山カイラスをコルラ(巡礼)させる刑は、シャンシュン王国ではお馴染みのモノとします。
カイラス一周は子供の足では4日程かかりますが、ポニーならば2日の行程です。 しかし虐められたポニーはなかなか素直に歩いてくれず、悪ガキは日暮れまでにカイラス裏側のキャンプまで辿り着けずに焦ります。
彼を心細くさせたのは山中の闇の寂しさからだけでなく、このカイラス-キャンプには流刑者がただ1人で居ると知らされていたかでもあります。
その流刑者は半年間もそこで暮らす刑罰を受けており、一体どんな凶悪犯が居るのかと少年の心は不安に駆られます。
しかし、夜中に到着した少年を流刑者はとても優しくもてなして、貴重な食糧も分け与えます。 1人ぼっちの寂しさから話しが止まらなくなり、彼の古参兵としての昔話を少年に聴いて貰います。
それは他国を略奪して来た懺悔であり、今回もその悪いクセが出て女性を力ずくでモノにしようとしてしまい、半年の刑に服するコトとなりました。
しかし彼は「静」の試練を生き残った精鋭でもあり、過酷な流刑地でも逞しく生き残っており少年には親しみと共に尊敬を懐かせました。
そうした少年の姿勢は流刑者にとっても何よりの慰めとなり、2人は硬い絆を結んで翌朝に別れます。
2日目にはポニーの足取りも快調になり、少年はカイラス山の氷河まで登り水源を確かめる余裕も持てました。
冒険を終えて戻った少年は子供たちの声援に迎えられ、それ以降彼はもう悪ガキと呼ばれるコトは無くなり、かなり女の子にモテルようにもなります。