中南海の広場で開かれた公開討論会も勿論アップされ、それは党のファイヤーウォールを超えて広く世界中に拡散します。
その為この討論会は革命の成否を左右する重要なモノであり、些か平和ボケに聞こえるアラムのメッセージと歌の次には、彼の師である清華大学の外国人講師シャロームがマイクを取ります。
彼は政治哲学の分野で世界的な名声があり、清華大学はアジア1の大学としての箔をつけるタメに彼を雇っていました。
シャロームはイスラエルに平和をもたらした、パレスチナの王子タハと光の子カレンの一人息子として描いており、年齢的には60代に当たります。
この「近未来ではイスラエルとパレスチナの平和共存が実現している」という設定は、些か理想主義に過ぎると思われるかも知れませんが、そもそもユダヤ教徒とイスラム教徒は同じ神を崇めているので、同じゴールを目指せるハズです。
シャローム教授は平和こそが人類のゴールだと語り、中国の独裁政権も基本的にはみんな同じ人類なので、共に平和を祈れるハズだと説きます。
こうした穏健なメッセージは党に向けて送られており、急激な軍事力による中南海の解放を牽制する狙いがあります。
党も世界的に有名な教授を敵に回したくはないので、穏健な話し合いによる解決をひとまずは目指すとします。