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鬱を消す絵本・鬱病カウンセリング

トランプ氏「黄金時代」誓う、不法移民対策など優先 米大統領就任

2025-01-21 | 日記

 

トランプ大統領就任 黄金時代誓う - Yahoo!ニュース

トランプ大統領就任 黄金時代誓う - Yahoo!ニュース

David Morgan Gabriella Borter Jeff Mason Joseph Ax[ワシントン 20日 ロイター] - 米国の第47代大統領に共和党のドナルド・トランプ氏が米東部時

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『カルマの黄金郷』鬱を消す絵本

          原作:芥川龍之介『蜘蛛の糸』

 

プロローグ【prologue】人は言動によって、身分を得る

人は言動するによって、いろいろの地位をうる。

そのように言動によって未来の生をうる。

まことに善業の人は善となり、罪業によって罪人となる。

故に、世の人はいう。人は欲よりなる。

欲にしたがって意志を形成し、意志の向かうところにしたがって業を実現する。

その業にしたがって、その相応する結果がある。

 

恩赦

ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池を、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない良い香りが、絶間なく、あたりへ溢れております。極楽は丁度朝なのでございましょう。
 やがて御釈迦様はその池のふちに御佇ずみになって、水の面を蔽っている蓮の葉の間から、ふと下の容子を御覧になりました。この極楽の蓮池の下は、丁度地獄の底に当って居りますから、水晶のような水を透き徹して、三途の河や針の山の景色が、丁度覗き眼鏡を見るように、はっきりと見えるのでございます。
 するとその地獄の底に、カンダタ(犍陀多)と云う男が一人、ほかの罪人と一しょに蠢いている姿が、御眼に止まりました。この男は、人を殺したり家に火をつけたり、いろいろ悪事を働いた大泥坊でございますが、それでもたった一つ、善い事を致した覚えがございます。と申しますのは、ある時この男が深い林の中を通りますと、小さな蜘蛛が一匹、路ばたを這って行くのが見えました。そこで男は早速足を挙げて、踏み殺そうと致しましたが、「いや、いや、これも小さいながら、命のあるものに違いない。その命を無暗にとると云う事は、いくら何でも可哀そうだ。」と、こう急に思い返して、とうとうその蜘蛛を殺さずに助けてやったからでございます。御釈迦様は地獄の容子を御覧になりながら、この男には蜘蛛を助けたという、それだけの善い事をした報には、出来ることなら、この男を地獄から救い出してやろうと御考えになりました。幸い、側を見ますと、翡翠のような色をした蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、玉のような白蓮の間から、遥か下にある地獄の底へ、まっすぐにそれを御下しなさいました。

 こちらは地獄の底の血の池で、ほかの罪人と一しょに、浮いたり沈んだりしていたカンダタでございます。何しろどちらを見ても、まっ暗で、たまにその奈落の底からぼんやり浮き上っているものがあると思いますと、それは恐しい針の山の針が光るのでございますから、その心細さと云ったらございません。これはここへ落ちて来るほどの人間は、もうさまざまな地獄の責苦に疲れはてて、泣声を出す力さえなくなっているのでございましょう。ですからさすが大泥坊のカンダタも、やはり血の池の血に咽むせびながら、まるで死にかかった蛙のように、ただもがいてばかり居りました。ころがある時の事でございます。何気なにげなく頭を挙げて、血の池の空を眺めますと、そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い天上から、銀色の蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、一すじ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて参るのではございませんか。これを見ると、思わず手を拍って喜びました。この糸に縋りついて、どこまでものぼって行けば、きっと地獄からぬけ出せるのに相違ございません。いや、うまく行くと、極楽へはいる事さえも出来ましょう。そうすれば、もう針の山へ追い上げられる事もなくなれば、血の池に沈められる事もある筈はございません。こう思いましたからカンダタは、早速その蜘蛛の糸を両手でしっかりとつかみながら、一生懸命に上へ上へとたぐりのぼり始めました。しかし地獄と極楽との間は、何万里となくございますから、いくら焦って見た所で、容易に上へは出られません。ややしばらくのぼる中うちに、とうとうくたびれて、もう一たぐりも上の方へはのぼれなくなってしまいました。そこで仕方がございませんから、まず一休み休むつもりで、糸の中途にぶら下りながら、遥かに目の下を見下しました。

 ところが、蜘蛛の糸の下の方には、数限りもない罪人たちが、自分ののぼった後をつけて、まるで蟻の行列のように、やはり上へ上へ一心によじのぼって来るではございませんか。これを見ると、驚いたのと恐しいのとで、しばらくはただ、莫迦のように大きな口を開あいたまま、眼ばかり動かして居りました。自分一人でさえ断きれそうな、この細い蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数の重みに堪える事が出来ましょう。もし万一途中で断れたと致しましたら、折角ここへまでのぼって来たこの肝腎な自分までも、元の地獄へ逆落しに落ちてしまわなければなりません。そこでカンダタは大きな声を出して、「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己のものだぞ。お前たちは一体誰に尋きいて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」と喚わめきました。
 その途端でございます。今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、カンダタのぶら下っている所から、ぷつりと音を立てて断きれました。ですから、あっと云う間もなく風を切って、独楽のようにくるくるまわりながら、見る見る中に暗の底へ、まっさかさまに落ちてしまいました。

 エピローグ【epilogue】無慈悲の業(カルマ)

 御釈迦様は極楽の蓮池のふちに立って、この一部始終をじっと見ていらっしゃいましたが、やがてカンダタが血の池の底へ石のように沈んでしまいますと、悲しそうな御顔をなさりながら、またぶらぶら御歩きになり始めました。自分ばかり地獄からぬけ出そうとする、カンダタの無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましょう。しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着致しません。その玉のような白い花は、御釈迦様の御足のまわりに、ゆらゆら萼を動かして、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない良い香りが、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽ももう昼に近くなったのでございましょう。


今日18日(土)の天気予報共通テスト初日は全国的に穏やか朝晩は寒さ厳しい

2025-01-18 | 日記

 

 

今日18日(土)の天気予報 共通テスト初日は全国的に穏やか 朝晩は寒さ厳しい

今日18日(土)の天気予報 共通テスト初日は全国的に穏やか 朝晩は寒さ厳しい

2025/01/1805:35ウェザーニュース■天気のポイント■・日本海側の雪や雨は段々と落ち着く・関東以西は晴れて空気が乾燥・北風収まり昼間の寒さは幾分控えめ今日18日(土)は広...

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『最高善の王子さま 天国の階段』鬱を消す絵本

          原作:オスカー・ワイルド(Oscar Wilde)『幸福な王子』

プロローグ【prologue】天国の階段を下りて

 神さまが天使たちの一人に「天国の階段を降りて、最も貴いものを二つ持ってきなさい」とおっしゃいました。

その天使は、天国の階段を上って、神さまのところに鉛の心臓と死んだ鳥を持ってきました。

 

once upon a time むかしむかし、あるところに

 町の上に高く柱がそびえ、その上に幸福の王子の像が立っていました。 王子の像は全体を薄い純金で覆われ、 目は二つの輝くサファイアで、 王子の剣のつかには大きな赤いルビーが光っていました。

王子は皆の自慢でした。

「どうしてあの幸福の王子みたいにちゃんとできないの」 月が欲しいと泣いている幼い男の子に、賢明なお母さんが聞きました。 「幸福の王子は決して何かを欲しがって泣いたりしないのよ」

「この世界の中にも、本当に幸福な人がいる、というのはうれしいことだ」 失望した男が、この素晴らしい像を見つめてつぶやきました。

「天使のようだね」と、 明るい赤のマントときれいな白い袖なしドレスを来た養育院の子供たちが聖堂から出てきて言いました。

 

ある晩、その町に小さなツバメが飛んできました。 友達らはすでに六週間前にエジプトに出発していましたが、 そのツバメは残っていました。 彼は最高にきれいな葦に恋をしていたからです。「君を好きになってもいいかい」とツバメは言いました。 ツバメは単刀直入に話すのが好きでした。 葦は深くうなずきました。

やがて、秋が来るとそのツバメたちもみんな飛んでいってしまいました。

みんなが行ってしまうと、ツバメはさびしくなり、自分の恋人にも飽き始めました。

 「僕はピラミッドに出発するよ。じゃあね」ツバメは飛び去りました。

一日中ツバメは飛び、夜になって町に着きました。 

三番目の水滴が落ちてきて、ツバメは上を見上げました。 すると——何が見えたでしょうか。

幸福の王子の両眼は涙でいっぱいになっていました。 そしてその涙は王子の黄金の頬を流れていたのです。 王子の顔は月光の中でとても美しく、 小さなツバメはかわいそうな気持ちでいっぱいになりました。

「あなたはどなたですか」ツバメは尋ねました。

「私は幸福の王子だ」

「それなら、どうして泣いているんですか」とツバメは尋ねました。

「まだ私が生きていて、人間の心を持っていたときのことだった」と像は答えました。 「私は涙というものがどんなものかを知らなかった。 というのは私はサンスーシの宮殿に住んでいて、 そこには悲しみが入り込むことはなかったからだ。 」

 周りには、非常に美しいものしかなかった。 廷臣たちは私を幸福の王子と呼んだ。 実際、幸福だったのだ、もしも快楽が幸福だというならば。 私は幸福に生き、幸福に死んだ。 死んでから、人々は私をこの高い場所に置いた。 ここからは町のすべての醜悪なこと、すべての悲惨なことが見える。 私の心臓は鉛でできているけれど、泣かずにはいられないのだ」

 

「ずっと向こうの」と、王子の像は低く調子のよい声で続けました。 「ずっと向こうの小さな通りに貧しい家がある。

その部屋の隅のベッドでは、幼い息子が病のために横になっている。 熱があって、オレンジが食べたいと言っている。 母親が与えられるものは川の水だけなので、その子は泣いている。 ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん。 私の剣のつかからルビーを取り出して、あの婦人にあげてくれないか。 両足がこの台座に固定されているから、私は行けないのだ」

「私はエジプトに行きたいんです」とツバメは言いました。 

でも、幸福の王子がとても悲しそうな顔をしましたので、小さなツバメもすまない気持ちになりました。 「ここはとても寒いですね」とツバメは言いました。 「でも、あなたのところに一晩泊まって、あなたのお使いをいたしましょう」

「ありがとう、小さなツバメさん」と王子は言いました。

そこでツバメは王子の剣から大きなルビーを取り出すと、 くちばしにくわえ、町の屋根を飛び越えて出かけました。

 

それからツバメは幸福の王子のところに飛んで戻り、やったことを王子に伝えました。 「妙なことに」とツバメは言いました。 「こんなに寒いのに、僕は今とても温かい気持ちがするんです」

「それは、いいことをしたからだよ」と王子は言いました。 そこで小さなツバメは考え始めましたが、やがて眠ってしまいました。 考えごとをするとツバメはいつも眠くなるのです。

 

月がのぼると、ツバメは幸福の王子のところに戻ってきました。 「エジプトに何かことづけはありますか」と声をあげました。 「もうすぐ出発しますから」

「ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん」と王子は言いました。

「もう一晩泊まってくれませんか」

「私はエジプトに行きたいと思っています」とツバメは答えました。

「ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん」と王子は言いました。 「ずっと向こう、町の反対側にある屋根裏部屋に若者の姿が見える。

 彼は劇場の支配人のために芝居を完成させようとしている。 けれど、あまりにも寒いのでもう書くことができないのだ。 暖炉の中には火の気はなく、空腹のために気を失わんばかりになっている」

「もう一晩、あなたのところに泊まりましょう」よい心をほんとうに持っているツバメは言いました。

「もう一つルビーを持っていきましょうか」

「ああ! もうルビーはないのだよ」王子は言いました。

「残っているのは私の両目だけだ。 私の両目は珍しいサファイアでできている。私の片目を抜き出して、彼のところまで持っていっておくれ。 彼はそれを宝石屋に売って、食べ物と薪を買って、 芝居を完成させることができるだろう」

「王子様」とツバメは言いました。 「私にはできません」そしてツバメは泣き始めました。

「ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん」と王子は言いました。 「私が命じたとおりにしておくれ」

そこでツバメは王子の目を取り出して、 屋根裏部屋へ飛んでいきました。

「おいとまごいにやってきました」ツバメは声をあげました。

「ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん」と王子は言いました。 「もう一晩泊まってくれませんか」

「もう冬です」ツバメは答えました。

「下のほうに広場がある」と幸福の王子は言いました。 「そこに小さなマッチ売りの少女がいる。 マッチを溝に落としてしまい、全部駄目になってしまった。 お金を持って帰れなかったら、お父さんが女の子をぶつだろう。 だから女の子は泣いている。 あの子は靴も靴下もはいていないし、何も頭にかぶっていない。 私の残っている目を取り出して、あの子にやってほしい。 そうすればお父さんからぶたれないだろう」

「もう一晩、あなたのところに泊まりましょう」ツバメは言いました。 「でも、あなたの目を取り出すなんてできません。 そんなことをしたら、あなたは何も見えなくなってしまいます」

「ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん」と王子は言いました。 「私が命じたとおりにしておくれ」

そこでツバメは王子のもう片方の目を取り出して、下へ飛んでいきました。 ツバメはマッチ売りの少女のところまでさっと降りて、 宝石を手の中に滑り込ませました。 「とってもきれいなガラス玉!」その少女は言いました。 そして笑いながら走って家に帰りました。

それからツバメは王子のところに戻りました。 「あなたはもう何も見えなくなりました」とツバメは言いました。 「だから、ずっとあなたと一緒にいることにします」

「いや、小さなツバメさん」とかわいそうな王子は言いました。 「あなたはエジプトに行かなくちゃいけない」

「僕はずっとあなたと一緒にいます」ツバメは言いました。 そして王子の足元で眠りました。

次の日一日、ツバメは王子の肩に止まり、 珍しい土地で見てきたたくさんの話をしました。

「可愛い小さなツバメさん」王子は言いました。 「あなたは驚くべきことを聞かせてくれた。 しかし、苦しみを受けている人々の話ほど驚くべきことはない。 度しがたい悲しみ以上に解きがたい謎はないのだ。 小さなツバメさん、町へ行っておくれ。 そしてあなたの見たものを私に教えておくれ」

ツバメはその大きな町の上を飛びまわり、 金持ちが美しい家で幸せに暮らす一方で、 乞食がその家の門の前に座っているのを見ました。 

それからツバメは王子のところへ戻って、 見てきたことを話しました。

「私の体は純金で覆われている」と王子は言いました。 「それを一枚一枚はがして、貧しい人にあげなさい。 生きている人は、金があれば幸福になれるといつも考えているのだ」

ツバメは純金を一枚一枚はがしていき、 とうとう幸福の王子は完全に輝きを失い、灰色になってしまいました。 ツバメが純金を一枚一枚貧しい人に送ると、 子供たちの顔は赤みを取り戻し、笑い声をあげ、通りで遊ぶのでした。 「パンが食べられるんだ!」と大声で言いました。

やがて、雪が降ってきました。 その後に霜が降りました。

かわいそうな小さなツバメにはどんどん寒くなってきました。 でも、ツバメは王子の元を離れようとはしませんでした。 心から王子のことを愛していたからです。

でも、とうとう自分は死ぬのだとわかりました。 ツバメには、王子の肩までもう一度飛びあがるだけの力しか残っていませんでした。 「さようなら、愛する王子様」ツバメはささやくように言いました。 「あなたの手にキスをしてもいいですか」

「あなたがとうとうエジプトに行くのは、私もうれしいよ、小さなツバメさん」 と王子は言いました。 「あなたはここに長居しすぎた。 でも、キスはくちびるにしておくれ。 私もあなたを愛しているんだ」

「私はエジプトに行くのではありません」とツバメは言いました。

「死の家に行くんです。 『死』というのは『眠り』の兄弟、ですよね」

そしてツバメは幸福の王子のくちびるにキスをして、 死んで彼の足元に落ちていきました。

その瞬間、像の中で何かが砕けたような奇妙な音がしました。

それは、鉛の心臓がちょうど二つに割れた音なのでした。

ひどく寒い日でしたから。

「おやおや、この幸福の王子は何てみすぼらしいんだ」と市長は言いました。

「何てみすぼらしいんだ」市会議員たちは叫びました。 彼らはいつも市長に賛成するのです。

「ルビーは剣から抜け落ちてるし、 目は無くなってるし、 もう金の像じゃなくなっているし」と市長は言いました。

「これでは乞食とたいして変わらんじゃないか」

「乞食とたいして変わらんじゃないか」と市会議員たちが言いました。

そこで彼らは幸福の王子の像を下ろしました。 

「もう美しくないから、役にも立たないわけだ」大学の芸術の教授が言いました。

溶鉱炉で像を溶かすときに、「おかしいなあ」鋳造所の労働者の監督が言いました。

「この壊れた鉛の心臓は溶鉱炉では溶けないぞ。 捨てなくちゃならんな」

心臓は、ごみために捨てられました。 そこには死んだツバメも横たわっていたのです。

 

エピローグ【epilogue】天国の階段を上って

 天使は、天国の階段を昇って、神さまのところに鉛の心臓と死んだ鳥を持ってきました。

神さまは「良き善を選んできた」とお褒めになりました。

「天国の庭園でこの小さな燕は永遠に歌い、 黄金の都でこの幸福の王子は私を賛美するだろう」


フジテレビ・港浩一社長、きょうの「会見」は中居正広「騒動」への「一連の報道について説明す…

2025-01-17 | 日記

 

フジテレビ・港浩一社長、きょうの「会見」は中居正広「騒動」への「一連の報道について説明する方針」…「めざましテレビ」報道

フジテレビ・港浩一社長、きょうの「会見」は中居正広「騒動」への「一連の報道について説明する方針」…「めざましテレビ」報道

フジテレビ系情報番組「めざましテレビ」(月〜金曜・午前5時25分)は17日、同局の港浩一社長(72)ら幹部が出席しタレント・中居正広(52)による騒動に関して説...

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フジ社長17日に緊急会見 「通常業務にも支障」 中居トラブル説明へ、会見で問われる5つのポイント

 

フジ社長が会見へ 5つのポイント - Yahoo!ニュース

フジ社長が会見へ 5つのポイント - Yahoo!ニュース

フジテレビは16日、17日に緊急の定例社長会見を開催すると発表した。タレント中居正広(52)の女性トラブル騒動に関する報道などについて説明する。港浩一社長らからどのよ...

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「愛と殺意と」

性にまつわる犯罪「女性への暴行及び心の殺人」は、何を学んで、何を求めて起こされるのか?

                   心理カウンセラー坂口由美

 

 性にまつわる犯罪は「学習」によって行われています。

このような「アノミー理論」に基づいて、さらに「ある人は犯罪を犯す」「ある人は犯罪を犯さない」という、この違いを説明したのが、アメリカの社会学者で、犯罪学において大きな影響を与えたEHサザランド(Edwin Hardin Sutherland 1883-1950)です。

たとえば、ある男の、もしくは、彼の属する集団や組織の、性にまつわる犯罪性や犯罪傾向は、生まれつき身についたものや、先天性のものではありません。自動車の運転について学んだ人でなければ、自動車は運転できません。同じように、性にまつわる犯罪は学習された後で、実行されるものなのです。

 EHサザランドの学説は、次のようにまとめられます。

  1. 彼の性にまつわる犯罪性は、遺伝ではない。組織や集団のなかに交じり込んだ後で、「学習されたもの」である。
  2. 彼の属する「社会」は、親密で私的な共同体で組織されている。
  3. この共同体は、ルールや秩序を「認める組織」か、「認めない組織」のどちらかである。
  4. 彼は、どちらかの共同体から「犯罪の動機や技術を学習した態度」か、「順法的な言動や行動」のどちらかを表わす。
  5. 犯罪の学習は、犯罪を肯定的に認識する共同体の中の、「態度・行動・動機・技術)という文化に接触して学ばれる。
  6. ところが、同じ文化に接触しても、「性にまつわる犯罪を犯す男」と「犯さない男性」の二通りに大きく分かれる。

この違いは、なぜ生まれるのでしょうか?

 その理由は、彼の性にまつわる犯罪行動を認めてくれる「共同体と個」とを同一化させる、「個を共同体」と一体化させるという「心の変化・心の変容」があって、性にまつわる犯罪が起こるのだと、 アメリカの犯罪研究者D.グレーザーは唱えています。

 

「分化的同一化理論」 D.グレーザー アメリカ 犯罪研究者
 自分の犯罪行為を認めてくれる人や集団に自分自身を「同一化」させる。
個人の内面の変化があって、初めて犯罪行動が発生する。

 

性にまつわる犯罪は、犯罪心理に基づく言動や行動によって、誰もが持っている欲望や欲求を実現するという目的によって表されます。

性にまつわる犯罪とは、三者の中で確定します。

  1. 性にまつわる犯罪を実行した人
  2. 性にまつわる犯罪行動の影響で、苦悩する人
  3. 性にまつわる犯罪を裁定する人

したがって、裁定する人が介在しないところでは、犯罪は成立しません。それゆえに、性にまつわる犯罪は、誰もが持っている欲望や欲求を実現するための方法として実行され続けています。このような特質をもちます。

 

 性にまつわる犯罪心理学とは、以上のような定義から成り立ちます。すると、問題になるのは、

性にまつわる犯罪と、病理は、どこが違うのか?ということです。

法律の次元で、性にまつわる犯罪という概念を構成する主体者か?と問えば、性にまつわる犯罪者であることが、想定されます。

 

性にまつわる犯罪の成立の定義とは、

  1. 性にまつわる犯罪行為の加害者であること
  2. 性にまつわる犯罪行為の被害者であること
  3. 性にまつわる犯罪行為の状況と、互いの関係性
  4. 性にまつわる犯罪を裁定する第三者

この4つが揃って、ここではじめて、性にまつわる犯罪が成立します。

性にまつわる犯罪は、非合法な手段で、誰もが欲しがる欲求の対象を手に入れることである、と定義されています。

すると、「女性を刺したり、傷ついた女性の身体、もしくは死体」は、誰もが欲しがる欲求の対象ではないので、犯罪行為の目的には成り得ません。それは「性的な快感や興奮を得たい」という性の関係の欲求になります。

性の関係とは、物理的な性の行為だけがあるように見えて、実は、心の関係が形成されているのである、というのが、性の本質です。男性は、物理的な性の関係を橋渡しにして、女性から「社会的な知性の評価と支持」を享受して安心を得ているのです。

一方、女性は、物理的な性の関係を橋渡しにして、男性の「社会性の知性」を吸収し同化し一体化して、「社会性の世界からの孤立」を防いで安心出来るのです。この男性と女性の気持ちの安心の成立が、性によって創られた「心の世界」です。

しかし、性的な関係はあるが、心の関係はないということはあり得ます。それは、男性の社会性の知性が、女性にとって評価に値しない場合です。女性の知性が、男性の社会性の知性の水準より高過ぎても、低過ぎても、緊張の対象になります。

このことは、性とは、女の心の病か、男の心の病のいずれかによって、性の心の世界を病的に変えてしまう行為になりやすいということを意味しています。

法的に処罰されることはないとしても、彼が、実質的に、性にまつわる犯罪の加害者であると仮定すれば、中学生の頃に、凄まじい絶望感を感じています。漠然と、「僕は、誰からも相手にされないのではないか?」「僕は一体、なんで生きているのだろう?」と空しい、空虚な思いが浮かんでくるようになりました。おそらく、初めての「性にまつわる犯罪」を実行したのは、15歳の頃と推定されます。


芥川賞は島田雅彦選考委員「最も過剰な2作」、直木賞の伊与原さんは「諦めず書き続けてよかっ…

2025-01-16 | 日記

 

芥川賞は島田雅彦選考委員「最も過剰な2作」、直木賞の伊与原さんは「諦めず書き続けてよかった」

芥川賞は島田雅彦選考委員「最も過剰な2作」、直木賞の伊与原さんは「諦めず書き続けてよかった」

第172回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は安堂ホセさん(30)の「DTOPIA(デートピア)」(文芸秋...

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芥川・直木賞に選ばれた3作家 どんな人物?

 

芥川・直木賞に選ばれた3作家 どんな人物?

芥川・直木賞に選ばれた3作家 どんな人物?

第172回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれた。芥川賞に安堂ホセさん(30)の「DTOPIA(デートピア)」(文芸秋季号...

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芥川賞・鈴木結生さん 在学先教授「課題の文体、物語のようだった」

 

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ゲーテはすべてを言った 単行本 – 2025/1/15

福岡から世界へ、未来へ。

西南学院大学から作家になるということ


『雪の女王と呪いの鏡 神はあなたと共におられる』鬱を消す絵本

          原作:Hans Christian Andersen 「雪の女王」

 

 この物語は、悪い魔法使いの作り上げた呪いの鏡から始まりました。この魔法使いというのは、仲間でもいちばんいけない奴で、それこそまがいなしの「悪魔」でした。

 さて、ある日のこと、この悪魔は、たいそうなご機嫌でした。というわけは、それは、鏡をいちめん作りあげたからでしたが、その鏡というのが、どんなけっこうな美しいものでも、それに映ると、ほとんど無いも同然に、縮こまってしまう代わりに、くだらない、みっともない様子のものにかぎって、よけいはっきりと、いかにも憎々しく映るという、不思議な性質を持ったものでした。「こりゃおもしろいな。」と、その悪魔は言いました。ここに、誰かが、優しい、慎ましい心を起こしますと、それが鏡には、しかめっつらに映るので、この魔法使の悪魔は、我ながら、こいつはうまい発明だわいと、つい笑いださずには、いられませんでした。
 この悪魔は、魔法学校の校長先生でしたが、そこに通っている魔生徒どもは、こんな不思議な鏡があらわれたと、ほうぼう触れ回りました。
 さて、この魔法の鏡ができたので、はじめて世界や人間の本当の姿が解るのだと、この連中は吹聴して歩きました。で、ほうぼうへその鏡をもちまわったものですから、とうとうおしまいには、どこの国でも、どんな人でも、その鏡に映し出されると、歪んだ姿を見ない者は、いなくなってしまいました。

 

 こうなると、図にのった悪魔の弟子どもは、天までも昇っていって、天使たちや神さままで、笑い種にしようと思い付きました。すると、鏡はあいかわらず、しかめっつらしながら、激しくぶるぶる震えだしたものですから、ついに悪魔どもの手から、地の上へおちて、何千万、何億万、というのでは足りない、たいへんな数に、細かく砕けて、飛んでしまいました。ところが、これがため、よけい下界の災いになったというわけは、鏡の欠片は、せいぜい砂粒くらいの大きさしかないのが、世界じゅうに飛び散ってしまったからで、これが人間の目にはいると、そのままそこにこびりついてしまいました。すると、その人たちは、なんでも物をまちがってみたり、ものごとの悪いほうだけを見るようになりました。それは、その欠片が、どんな小さなものでも、鏡が持っていた呪いの力を、そのまま、まだ残して持っていたからです。なかにはまた、人の心臓に入ったものがあって、その心臓を、氷の欠片のように、冷たいものにしてしまいました。大きなかけらもあって、めがねに用いられたものもありましたが、このめがねをかけて、物を正しく、間違いのないように見ようとすると、とんだ騒ぎが起こりました。悪魔はこんなことを、たいへんおもしろがって、おなかをゆすぶって、くすぐったがって、嗤い転げました。

 大勢の人々が住んでいる大きな町に、誰もが庭のない狭いアパートメントに暮らしていました。そういう町に、ふたりの貧しい子どもが住んでいて、そのふたりの子どもは、兄さんでも妹でもありませんでしたが、まるで本当の兄妹のように、仲よくしていました。

 男の子はカイ、女の子はゲルダといいました。

 冬になると、窓はどうかすると、まるっきり凍りついてしまいました。

「雪の女王さまは、うちのなかへもはいってこられるかしら。」と、ゲルダがたずねました。
「くるといいな。そうすれば、ぼく、それをあたたかいストーブの上にのせてやるよ。すると女王はとろけてしまうだろう。」と、カイが言いました。

 その夕方、カイは窓のそばの、椅子の上にあがって、例の小さな覗き穴から、外を眺めました。おもてには、ちらちら、こな雪が舞まっていましたが、そのなかで大きなかたまりがみるみる大きくなって、雪の女王になりました。優しい女の姿はしていましたが、氷の身体をしていました。ぎらぎらひかる氷のからだをして、そのくせ生きているのです。その目は、明るい星をふたつ並べたようでしたが、落ち着きも休みもない目をしていて、カイのいる窓のほうに、肯きながら、手招きしました。

 そのあくる日は、からりとした、霜日よりでした。カイとゲルダは、手をとりあって、ばらの花にほおずりして、神さまの、みひかりのかがやく、お日さまをながめて、幼子イエスが、そこに、おいでになるかのように、うたいかけました。なんという、楽しい夏の日だったでしょう。

 ちょうどそのとき、カイは、ふと、
「あっ!なにかちくりと胸に刺さったよ。それから、目にも何か飛び込んだようだ。」と、言いました。カイの目にはいったのは、例の呪いの鏡から、飛び散った欠片でした。可哀そうに、カイは、心臓に、欠片がひとつ入ってしまいましたから、まもなく、それは氷の塊のように、なるでしょう。

 カイの目のなかに入った鏡の欠片や、心臓の奥深く刺さった、鏡の欠片のさせることでした。それからのカイは、真心を捧げて兄のように慕ってくれるゲルダまでも、苛め抜きました。

その後まもなく、カイはそりをかついで、やってきました。そしてゲルダにむかって、
「ぼく、ひろばのほうへいってほかのこどもたちのあそんでいる」と、そのまま行ってしまいました。とうとうそりは町の門のそとに、出てしまいました。そのとき、雪が、ひどくふってきたその時、雪の女王があらわれました。女王は、カイをじぶんのそりにいれて、かたわらにすわらせ、カイのからだに、その毛皮をかけてやりました。するとカイは、まるで雪のふきつもったなかに、うずめられたように感じました。
雪の女王は、カイにほおずりしました。それで、カイは、もう、かわいらしいゲルダのことも、なにもかも、すっかり忘れてしまいました。
 女王はカイを連れて、高く飛びました。高い黒雲の上までも、飛んで行きました。ながいながい冬の夜じゅう、カイは女王の足もとで眠りました。

 

 ところで、カイが、あれなりかえってこなかったとき、あの女の子のゲルダは、どうしたでしょう。ゲルダは、ひとりぼっちで、もうながいあいだ、胸の破れるほどに泣きました。みんなの噂では、カイは町のすぐそばを流れている川におちて、溺れてしまったのだろうと言うことでした。ああ、まったくながいながい、憂鬱な冬でした。

 いま、春はまた、あたたかいお日さまの光とつれだってやってきました。
ある朝、「川へおりていって、カイちゃんのことをきいてみましょう。」とゲルダは、考えました。そして、葦の茂みに浮かんでいた小舟にのりました。「この川は、わたしを、カイちゃんのところへ、つれていってくれるのかもしれないわ。」と、ゲルダは考えたのです。

 舟は岸から離れて、そのまま、どんどんはやく流れていきました。ゲルダは、たいそうびっくりして、泣き出しました。すると、岸辺の小さな可愛らしいお家のなかから、たいそう年とったおばあさんが出てきました。「やれやれ、かわいそうに。どうしておまえさんは、そんなに大きな波のたつ上を、こんなとおいところまで流れてきたのだね。」と、おばあさんは言いました。

 それからおばあさんは、ゲルダの手をとって、じぶんのちいさな家へつれていって、中から戸にかぎをかけました。「わたしは長いあいだ、おまえのような、かわいらしい女の子がほしいとおもっていたのだよ。さあこれから、わたしたちといっしょに、なかよくくらそうね。」と、おばあさんはいいました。おばあさんは、わるい魔女ではありませんでした。

ある日、「あら、このお家のお庭には、薔薇がないわ。」と、ゲルダはさけびました。そして、じぶんの家の薔薇をおもいだし、それといっしょに、カイのこともおもいだしました。

 「まあ、あたし、どうして、こんなところにひきとめられていたのかしら。」と、ゲルダは、思い出しました。「ああ、どうしましょう。あたし、こんなにおくれてしまって。」と、ゲルダはいいました。「もうとうに秋になっているのね。さあ、ゆっくりしてはいられないわ。」
 そしてゲルダは立ちあがって、ずんずんあるきだしました。まあ、ゲルダのかよわい足は、どんなにいたむし、そして、つかれていたことでしょう。どこも冬がれて、わびしいけしきでした。ああ、なんてこのひろびろした世界は灰色で、薄暗く見えたことでしょう。

 

 ゲルダは、またも、やすまなければなりませんでした。ゲルダがやすんでいた場所の、ちょうどむこうの雪の上で、一わの大きなからすが、ぴょんぴょんやってきて、「このひろい世界で、たったひとりぼっち、どこへいくのだ」とたずねました。この「ひとりぼっち。」ということばを、ゲルダはよくあじわって、しみじみそのことばに、ふかいいみのこもっていることをおもいました。ゲルダはそこでからすに、じぶんの身の上のことをすっかり話してきかせた上、どうかしてカイをみなかったか、たずねました。するとからすは、ひどくまじめにかんがえこんで、こういいました。「あれかもしれない。あれかもしれない。」

それからからすは、しっていることを、話しました。
わたしたちがいまいる国には、たいそうかしこい王女さまがおいでなるのです。ところで、馬にも、馬車にものらないちいさな男の子が、たのしそうにお城のほうへ、あるいていきました。その人の目は、あなたの目のようにかがやいて、りっぱな、長いかみの毛をもっていましたが、着物はぼろぼろにきれていました。」
「それがカイちゃんなのね。ああ、それでは、とうとう、あたし、カイちゃんをみつけたわ。」と、ゲルダはうれしそうにさけんで、手をたたきました。ところが、それはカイちゃんではなかったのです。いまは王子となったその人は、ただ、くびすじのところが、カイちゃんににていただけでした。。でもその王子はわかくて、うつくしい顔をしていました。王女は白いゆりの花ともみえるベッドから、目をぱちくりやって見あげながら、たれがそこにきたのかと、おたずねになりました。そこでゲルダは泣いて、いままでのことや、からすがいろいろにつくしてくれたことなどを、のこらず王子に話しました。
「それは、まあ、かわいそうに。」と、王子と王女とがいいました。

 あくる日になると、ゲルダはあたまから、足のさきまで、絹やびろうどの着物でつつまれました。そしてこのままお城にとどまっていて、たのしくくらすようにとすすめられました。

 ゲルダはただ、ちいさな馬車と、それをひくうまと、ちいさな一そくの長ぐつがいただきとうございますと、いいました。それでもういちど、ひろい世界へ、カイちゃんをさがしに出ていきたいのです。「さよなら、さよなら。」と、王子と王女がさけびました。するとゲルダは泣きだしました。この上ないかなしいわかれでした。馬車はお日さまのようにかがやきながら、どこまでもはしりつづけました。ゲルダのなかまは、くらい森の中を通っていきました。ところが、馬車の光は、たいまつのようにちらちらしていました。それが、おいはぎどもの目にとまって、がまんがならなくさせました。
「やあ、金だぞ、金だぞ。」と、おいはぎたちはさけんで、いちどにとびだしてきました。馬をおさえて、ぎょしゃ、べっとうから、おさきばらいまでころして、ゲルダを馬車からひきずりおろしました。
「こりゃあ、たいそうふとって、かわいらしいむすめだわい。きっと、年中くるみの実みばかりたべていたのだろう。」と、おいはぎばばがいいました。ながい、こわいひげをはやして、まゆげが、目の上までたれさがったおばあさんでした。「なにしろそっくり、あぶらののった、こひつじというところだが、さあたべたら、どんな味がするかな。」
 そういって、おばあさんは、ぴかぴかするナイフをもちだしました。きれそうにひかって、きみのわるいといったらありません。

 そのとたん、おばあさんはこえをあげました。その女のせなかにぶらさがっていた、こむすめが、なにしろらんぼうなだだっ子で、おもしろがって、いきなり、母親の耳をかんだのです。
「このあまあ、なにょをする。」と、母親はさけびました。おかげで、ゲルダをころす、はなさきをおられました。
「あの子は、あたいといっしょにあそぶのだよ。」と、おいはぎのこむすめは、いいました。

 「あたい、おまえとけんかしないうちは、あんなやつらに、おまえをころさせやしないことよ。おまえはどこかの王女じゃなくて。」と、いいました。
「いいえ、わたしは王女ではありません。」と、ゲルダはこたえて、いままでにあったできごとや、じぶんがどんなに、すきなカイちゃんのことを思っているか、ということなぞを話しました。
 
「おまえ、ラップランドって、どこにあるのかしってるのかい。」と、むすめは、となかいにたずねました。「わたしほど、それをよくしっているものがございましょうか。」と、目をかがやかしながら、となかいがこたえました。「わたしはそこで生まれて、そだったのです。わたしはそこで、雪の野原を、はしりまわっていました。」

「あたい、おまえがラップランドへ行けるように、つなをほどいてにがしてやろう。けれど、おまえはせっせとはしって、この子を、この子のおともだちのいる、雪の女王のごてんへ、つれていかなければいけないよ。おまえ、この子があたいに話していたこと、きいていたろう。とても大きなこえで話したし、おまえも耳をすまして、きいていたのだから。」
 トナカイはよろこんで、高くはねあがりました。とたんに、トナカイは駆け出しました。ひゅっ、ひゅっ、空で、なにか音がしました。それはまるで花火があがったように。
「あれがわたしのなつかしい北極オーロラ光です。」と、トナカイがいいました。

「ごらんなさい。なんてよく、輝いているのでしょう。」
 それからトナカイは、ひるも夜も、前よりももっとはやくはしって行きました。
 トナカイとゲルダとは、ラップランドにつきました。

 

 ちいさな、そまつなこやの前で、トナカイはとまりました。

その家には、たったひとり年とったラップランドの女がいて、鯨油ランプのそばで、おさかなをやいていました。トナカイはそのおばあさんに、ゲルダのことをすっかり話してきかせました。でも、その前にじぶんのことをまず話しました。トナカイは、じぶんの話のほうが、ゲルダの話よりたいせつだとおもったからでした。
 ゲルダはさむさに、ひどくやられていて、口をきくことができませんでした。
「やれやれ、それはかわいそうに。」と、ラップランドの女はいいました。「おまえたちはまだまだ、ずいぶんとおくはしって行かなければならないよ。百マイル以上も北のフィンマルケンのおくふかくはいらなければならないのだよ。雪の女王はそこにいて、まい晩、青い光を出す花火をもやしているのさ。」

 「カイって子は、ほんとうに雪の女王のお城にいるのだよ。そして、そこにあるものはなんでも気にいってしまって、世界にこんないいところはないとおもっているんだよ。けれどそれというのも、あれの目のなかには、鏡のかけらがはいっているし、しんぞうのなかにだって、ちいさなかけらがはいっているからなのだよ。だからそんなものを、カイからとりだしてしまわないうちは、あれはけっして真人間になることはできないし、いつまでも雪の女王のいうなりになっていることだろうよ。」

「では、どんなものにも、うちかつことのできる力になるようなものを、ゲルダちゃんにくださるわけにはいかないでしょうか。」トナカイはお願いしました。


「このむすめに、うまれついてもっている力よりも、大きな力をさずけることは、わたしにはできないことなのだよ。まあ、それはおまえさんにも、あのむすめがいまもっている力が、どんなに大きな力だかわかるだろう。ごらん、どんなにして、いろいろと人間やどうぶつが、あのむすめひとりのためにしてやっているか、どんなにして、はだしのくせに、あのむすめがよくもこんなとおくまでやってこられたか。」

「そういうわけで、あのむすめは、わたしたちから、力をえようとしてもだめなのだよ。それはあのむすめの心のなかにあるのだから」

「その秘密の魔法の力は、可愛い無邪気な子どもだというところにあるのだよ。」

「もし、あのむすめが、自分で雪の女王のところへ、でかけていって、カイからガラスのかけらをとりだすことができないようなら、まして、わたしたちの力におよばないことさ。」こういって、フィンランドの女は、ゲルダを、となかいのせなかにのせました。そこで、となかいは、ぜんそくりょくで、はしりだしました。

 ゲルダは、いつもの主の祈の「われらの父」をとなえました。

 さむさはとてもひどくて、ゲルダはじぶんのつくいきを見ることができました。それは、口からけむりのようにたちのぼりました。そのいきはだんだんこくなって、やがてちいさい、きゃしゃな天使になりました。それが地びたにつくといっしょに、どんどん大きくなりました。天使たちはみな、かしらにはかぶとをいただき、手には楯たてとやりをもっていました。天使の数はだんだんふえるばかりでした。そして、ゲルダが主のおいのりをおわったときには、りっぱな天使軍の一たいが、ゲルダのぐるりをとりまいていました。天使たちはやりをふるって、おそろしい雪のへいたいをうちたおすと、みんなちりぢりになってしまいました。そこでゲルダは、ゆうきをだして、げんきよく進んで行くことができました。天使たちは、ゲルダの手と足とをさすりました。するとゲルダは、前ほどさむさを感じなくなって、雪の女王のお城をめがけていそぎました。
 

 ところで、カイは、あののち、どうしていたでしょう。カイは、まるでゲルダのことなど、おもってはいませんでした。だから、ゲルダが、雪の女王のごてんまできているなんて、どうして、ゆめにもおもわないことでした。

雪の女王のお城は、はげしくふきたまる雪が、そのままかべになり、窓や戸口は、身をきるような風で、できていました。このみずうみのまん中に、お城にいるとき、雪の女王はすわっていました。そしてじぶんは理性の鏡のなかにすわっているのだ、この鏡ほどのものは、世界中さがしてもない、といっていました。
 カイはここにいて、さむさのため、まっ青に、というよりは、うす黒くなっていました。それでいて、カイはさむさを感じませんでした。というよりは、雪の女王がせっぷんして、カイのからだから、さむさをすいとってしまったからです。そしてカイのしんぞうは、氷のようになっていました。
雪の女王が出掛けると、カイは、たったひとりぼっちで、なんマイルというひろさのある、氷の大広間のなかで、氷の板を見つめて、じっと考えこんでいました。
 ちょうどそのとき、ゲルダは大きな門を通って、その大広間にはいってきました。そこには、身をきるような風が、ふきすさんでいましたが、ゲルダが、ゆうべのおいのりをあげると、ねむったように、しずかになってしまいました。そして、ゲルダは、いくつも、いくつも、さむい、がらんとしたひろまをぬけて、とうとう、カイをみつけました。ゲルダは、カイをおぼえていました。で、いきなりカイのくびすじにとびついて、しっかりだきしめながら、
「カイ、すきなカイ。ああ、あたしとうとう、みつけたわ。」と、さけびました。
 けれども、カイは身ゆるぎもしずに、じっとしゃちほこばったなり、つめたくなっていました。そこで、ゲルダは、あつい涙を流して泣きました。それはカイのむねの上におちて、しんぞうのなかにまで、しみこんで行きました。そこにたまった氷をとかして、しんぞうの中の、鏡のかけらをなくなしてしまいました。カイは、ゲルダをみました。ゲルダはうたいました。

ばらのはな さきてはちりぬ
おさな子イエス やがてあおがん


 すると、カイはわっと泣きだしました。カイが、あまりひどく泣いたものですから、ガラスのとげが、目からぽろりとぬけてでてしまいました。すぐとカイは、ゲルダがわかりました。そして、大よろこびで、こえをあげました。「やあ、ゲルダちゃん、すきなゲルダちゃん。――いままでどこへいってたの、そしてまた、ぼくはどこにいたんだろう。」こういって、カイは、そこらをみまわしました。「ここは、ずいぶんさむいんだなあ。なんて大きくて、がらんとしているんだろうなあ。」ふたりは手をとりあって、その大きなお城からそとへでました。そして、うちのおばあさんの話だの、屋根の上のばらのことなどを、語りあいました。ふたりが行くさきざきには、風もふかず、お日さまの光がかがやきだしました。そして、赤い実みのなった、あの木やぶのあるところにきたとき、そこにもう、トナカイがいて、ふたりをまっていました。

 カイとゲルダとは、手をとりあって、あるいていきました。いくほど、そこらが春めいてきて、花がさいて、青葉がしげりました。お寺の鐘かねがきこえて、おなじみの高い塔とうと、大きな町が見えてきました。それこそ、ふたりがすんでいた町でした。そこでふたりは、おばあさまの家の戸口へいって、かいだんをあがって、へやへはいりました。そこではなにもかも、せんとかわっていませんでした。柱どけいが「カッチンカッチン」いって、針がまわっていました。けれど、その戸口をはいるとき、じぶんたちが、いつかもうおとなになっていることに気がつきました。おもての屋根のといの上では、ばらの花がさいて、ひらいた窓から、うちのなかをのぞきこんでいました。そしてそこには、こどものいすがおいてありました。カイとゲルダとは、めいめいのいすにこしをかけて、手をにぎりあいました。ふたりはもう、あの雪の女王のお城のさむい、がらんとした、そうごんなけしきを、ただぼんやりと、おもくるしい夢のようにおもっていました。おばあさまは、神さまの、うららかなお日さまの光をあびながら、「なんじら、もし、おさなごのごとくならずば、天国にいることをえじ。」と、高らかに聖書せいしょの一せつをよんでいました。
 カイとゲルダとは、おたがいに、目と目を見あわせました。そして、

ばらのはな さきてはちりぬ
おさな子エスやがてあおがん

というさんび歌のいみが、にわかにはっきりとわかってきました。
 こうしてふたりは、からだこそ大きくなっても、やはりこどもで、心だけはこどものままで、そこにこしをかけていました。
 ちょうど夏でした。あたたかい、みめぐみあふれる夏でした。

 


視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚すべてに苦痛を感じる18歳、起業した会社で「感覚過敏」解決に挑む

2025-01-15 | 日記

 

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚すべてに苦痛を感じる18歳、起業した会社で「感覚過敏」解決に挑む #令和の子 #令和に働く(ほ・とせなNEWS) - Yahoo!ニュース

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現在18歳の加藤路瑛(かとうじえい)さんは、五感すべてが敏感である「感覚過敏」を抱え、日常生活に大きな支障をきたしています。ざわざわした音や食べ物の匂い、着る服に...

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『えんどう豆のベッドで眠れないお姫さま 忠誠の儀式』 鬱を消す絵本

          原作:Hans Christian Andersen 「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」

 

 むかし昔、王子がいました。

王子はお姫様と結婚したがりましたが、それは正真正銘のお姫様でなければなりません。

「本当のお姫さまでなければ、お城の中には入れませんよ」

王子のお母様は、厳格な方でした。

そこで、王子は世界中のお姫様を探して回りました。

ところが、どこへ行っても、本当のお姫様は見つからないのです。

お姫様はいくらでもいましたが、王子のお母様の御眼鏡に適いそうもない。

こうして、王子は、お姫様に失望してお城へ帰りました。

 

 ある夜のことです。

ひどいあらしになり、雷がなって、ひじょうに気味が悪い雨が降ってきました。

その時、お城の門を叩く訪問者がありました。

門を開けると、そこに立っていたのは一人のお姫様でした。

ところが、雨にうたれて、みすぼらしくて、あわれな流人の姿をしていました。

髪の毛や着物からは雨水がしたたり、靴もびしょびしょです。

それでも、「わたくしは本当のお姫様です。お城の中に入れてください」と言うのでした。

 

 王子のお母様は、

「どうせ、偽物の姫だと分かることです。」

と考え、お城の中の寝室に入れてあげました。

そして、ベッドの上に、まず一粒のエンドウ豆を置きました。

それから、そのエンドウ豆の上にマットレスを20枚も重ね、その上にさらに、羽毛の布団を20枚も重ねました。

お姫様は、その夜、このベッドに寝ることになりました。

 

 朝になって、お姫様に寝心地を聞いてみると、

「ええ、とてもひどかったわ。

一晩中、寝心地が悪かったわ。

寝床の中に何が入っていたのでしょう。

固いものの上に寝たものですから、体に傷跡がついてしまいました。

本当に、ひどい目にあいましたわ。」

王子のお母様が見てみると、お姫様の背中には、エンドウ豆の跡がいっぱい付いていました。

 

 これで、このお姫様は本当のお姫様だということが証明されました。

なにしろ、二十枚のマットレスと、二十枚の羽毛布団の下にあるエンドウ豆に、強くこだわるのですから。

こんなに繊細で傷つきやすい人は、本当のお姫様に違いないと、王子のお母様は満足しました。

 

 王子は、このお姫様と結婚しました。とうとう、王子のお母様の強いこだわりと不平不満を、いちばん理解することができる、本当のお姫様を見つけたのです。