若者向けの眼鏡や偽名、昔の住所。潜伏先の建設会社社員寮から逃走後に、防犯ビデオの映像を次々と公開され、追い詰められた高橋克也容疑者(54)が取った偽装工作は稚拙なものだった。
逃走翌日の5日、京急鶴見駅近くの眼鏡店に現れた高橋容疑者は「吉田新一」の偽名を使い、年齢も49歳と、5歳さばを読んだ。住所欄に記入したのは、以前勤めた別の建設会社の社員寮だった。
この時は、太くて茶色っぽいフレームの眼鏡を1万円で購入した。男性店長(57)によると、10~20代向けの商品で「若く見せたかったのではないか」。
コンビニで新聞を買う姿が7日に公開された前後、写っていた黒いバッグは鶴見駅のごみ集積所に捨てた。
青い線の入った大きなキャリーバッグは、JR鶴見駅西口のコインロッカーに入れた。8日に警視庁が画像を公開すると持ち出せなくなり、追加料金を払って預け続ける一方、JR蒲田駅付近で別のバッグを購入した。