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来年のNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」のヒロイン・江(ごう)に、“のだめ”でおなじみの女優、上野樹里(23)が正式に決まった。
50作目のメモリアル大河となる「江」は、脚本が2008年の宮崎あおい(24)主演「篤姫」と同じ田渕久美子氏のオリジナルだ。
ヒロインの江は、戦国時代を生き抜いた浅井三姉妹の三女。後半生では、徳川家康の嫡男・秀忠が3度目の嫁ぎ先となり、豊臣秀吉の側室となった姉・淀と敵対関係に。秀忠が2代将軍になり、江ものちの3代将軍・家光を出産。大奥の基礎を築き上げる。
屋敷陽太郎チーフ・プロデューサーは企画段階から江役は「上野さんしかいない」と候補を限定。局内でも「のだめカンタービレ」のイメージが強烈だったらしく、「『ぎゃぼ』とか、それ以外にセリフ言えるの?」と不安がる上司もいたというが、昨年春ごろからオファーを出していたという。
初対面は先月。中華料理店で餃子を食べながら、ドラマや江の役柄について話した。その際、浅井三姉妹の長女・淀を醤油、次女の初は酢、三女の江をラー油にたとえ、「醤油とラー油が戦うことになる」と上野に説明したという。
上野自身も実は三姉妹の末っ子。長姉とは「一緒に住んで、2人とも仕事しているので本当に気楽な姉妹」という。
淀、初のキャストは「現在、交渉中」(屋敷CP)。上野は「たくさんの役者さんの演技を受けて、発信できるようにしたい」と謙虚だが、プロ意識は強い。
2003年のNHK連続テレビ小説「てるてる家族」で、主人公の四姉妹の三女役を演じていた際は、「四女役の石原さとみにライバル心を燃やしていた。石原のほうが目立っていたし、上野はああ見えて、ハングリー精神が強いコだから」(制作関係者)。
大河といえば、福山雅治(40)主演の「龍馬伝」がスタート以来20%以上の高視聴率を続けている。福山と上野は同じ事務所、アミューズの所属だが、上野は「会ったことも話したことも、すれ違ったこともない」と話す。その福山から番組にエールが届くと、「名前を初めて呼ばれてうれしい」と素直に感激した。
同じ事務所から主役が2年連続で選ばれたことについて、一部では「バーター(抱き合わせの出演交渉)か」と噂されたが屋敷CPは「大河は毎年、旬の俳優をそれぞれのプロデューサーが選ぶ。
同じ事務所というのは気にしない」と言い切る。上野には、“雑音”を吹き飛ばす名演技を期待したい。