仙台の大学に通う青年・支倉爽太は、人には秘密にしている過去があった。
失意の底にいた小学校三年生の頃、幽霊が出ると噂のある海で溺れたことをきっかけに、遠い未来――2070年――へと時間を超えたことがあったのだ。
そして現代に戻れたあとも、未来で出会った年上の女性を忘れられずにいた。再会する方法など分かるはずもなく、気持ちを押し殺して大学とアルバイトに明け暮れていた爽太。
しかし、大学の室内楽サークルに入っている友人達の揉め事に関わる中で親しくなった八宮和希という青年に「おれは、過去から来た人に会ったことがある」と告げられて…?
大好評を博した『どこよりも遠い場所にいる君へ』に続く、様々な「出会い」の物語!
以前紹介した「どこよりも遠い場所にいる君へ」と同じ世界線を共有する作品。時系列的には本作は数年後の世界である。
ブクログの感想にも書いたことだけど、人と人は見えない何かで繋がっている。空間や時間を超えて。それは以前からなんとなく思っていたことだった。
本作は自分にとってそれが証明された小説だった。世界は素晴らしいと思わせてくれる小説です。
『また君と出会う未来のために (集英社オレンジ文庫)』の感想
運命とは常に無情。しかしそれをこじ開けていく者は常に有情。人はどこかで繋がっている。空間を超え、目には見えない線で繋がっている。それが形を成した時奇跡は必然的に起こりうる。そんな哲学を感じてしまった。
#ブクログ
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