第159回芥川賞受賞作。単行本未収録の2篇を加えて、待望の文庫化。
春休み、東京から東北の山間の町に引っ越した、中学3年生の少年・歩。
通うことになった中学校は、クラスの人数も少なく、翌年には統合される予定。クラスの中心で花札を使い物事を決める晃、いつも負けてみんなに飲み物を買ってくる稔。転校を繰り返してきた歩は、この小さな集団に自分はなじんでいる、と信じていた。
夏休み、歩は晃から、河へ火を流す地元の習わしに誘われる。しかし、約束の場所にいたのは数人のクラスメートと、見知らぬ作業着の男だった――。少年たちは、暴力の果てに何を見たのか――。
「圧倒的な文章力がある」「完成度の高い作品」と高く評価された芥川賞受賞作。
春休み、東京から東北の山間の町に引っ越した、中学3年生の少年・歩。
通うことになった中学校は、クラスの人数も少なく、翌年には統合される予定。クラスの中心で花札を使い物事を決める晃、いつも負けてみんなに飲み物を買ってくる稔。転校を繰り返してきた歩は、この小さな集団に自分はなじんでいる、と信じていた。
夏休み、歩は晃から、河へ火を流す地元の習わしに誘われる。しかし、約束の場所にいたのは数人のクラスメートと、見知らぬ作業着の男だった――。少年たちは、暴力の果てに何を見たのか――。
「圧倒的な文章力がある」「完成度の高い作品」と高く評価された芥川賞受賞作。
都会はよく世知辛いと言われるが、田舎には田舎特有の恐ろしさがあることを教えてくれる一冊。
町の住人のほとんどが顔見知りであるということは、時にどういうジレンマを生み出すのか。同調圧力の根源が問われる。
この物語の登場人物達(主人公以外)は、田舎の雰囲気しか知らずに育っているため、前述の恐怖を恐怖と感じておらず、(というか知らず)知らず知らずの内に理不尽を受容してしまっているが、多くの人間がこれを読んで、環境が生み出す潮流を客観的に感じとってもらいたい。
『送り火』の感想
閉鎖的な田舎では、そこで馴染めないものはただただ理不尽を受け入れるしかない、村八分になったら死活問題であるということを如実に教えてくれる作品。
#ブクログ
『送り火』の感想
閉鎖的な田舎では、そこで馴染めないものはただただ理不尽を受け入れるしかない、村八分になったら死活問題であるということを如実に教えてくれる作品。
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