和貴の『 以 和 為 貴 』

〔神々と〕十七条憲法との関係

ねずさんと語る 古事記〔壱〕より

■ 〔神々と〕十七条憲法との関係

聖徳太子の十七条憲法は、なぜ十七条なのでしょうか。実は、この十七という数字に意味があるのです。なぜならそれは、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)から伊耶那美神(いさなみのかみ)までの創成の神々が全部で十七柱だからです。聖徳太子の十七条憲法の各条文は、それぞれ創成の神々の神名と関連付けて書かれているからこそ、十七条なのです。

まず、最初に登場するのが天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)です。この神名は、天空の中心点を意味します。十七条憲法では、国の中心に置くべきものとして、「以和為貴」、つまり「和を持って貴しとなせ」としています。

二代目は高御産巣日神(たかみむすひのかみ)です。この神名は、結ばれた紐を意味します。十七条憲法では、「篤敬三寳、篤く三宝(仏法僧)を敬え」としています。

三代目が神産巣日神(かみむすひのかみ)です。この神名は、紐の振動を意味します。十七条憲法では、「承詔必謹、みことのりを受けては必ずつつしめ」です。実際の政治で様々なブレや議論があっても、詔が出たら必ずつつしんで、それに従うことです。

四代目は宇摩志阿斯訶備比古遲神(うましあしかひひこちのかみ)です。この神名は、葦のような早い成長を意味します。十七条憲法では、「以禮為本、うやまうことを本とせよ」とあります。人の成長は様々ですが、常に互いを敬うことです。

五代目は天之常立神(あめのとこたちのかみ)です。宇宙の成立を意味します。十七条憲法では、「絶餮棄欲、むさぼりを絶ち欲を棄てよ」とあります。どんなに強欲をかいても、宇宙から見たら、それはちっぽけなものです。

六代目は、国之常立神(くにのとこたちのかみ)です。この神名は、生命の誕生を意味します。十七条憲法では、「懲悪勧善、悪をこらしめて善を勧めよ」とあります。生命が、善なる道に進化すべきなのか、悪の道に進化すべきなのか、答えは明らかです。

七代目は、豊雲野神(とよくものかみ)です。この神名は、銀河の誕生を意味します。十七条憲法では、「人各有在、人各々任あり」です。銀河毎におそらくは様々な生命体の進化があることでしょう。それぞれが尊重されるべき存在です。

 以降は男女神になります。

八代目は、宇比地迩神(うひちにのかみ)です。この神名は、泥(う)を意味します。十七条憲法では、「早朝晏退、朝早く出仕し遅くに退せよ」とあります。一般庶民は、朝早くから夜遅くまで、膝まで泥田に浸かって米を作ってくれています。これを管理監督する立場の臣は、それ以上に「おほみたから」のために働かなくてはなりません。

九代目は、須比智迩神(すひちにのかみ)です。この神名は、砂州を意味します。十七条憲法では、「信是義本、まことはことわりのもとなり」とあります。何事も砂上の楼閣であってはならないのです。

十代目は、角杙神(つのくひのかみ)、この神名は、星にうがたれた杭を意味します。十七条憲法では、「絶忿棄瞋、心の怒りを絶ち表の怒りを棄てよ」とあります。憤慨や無知蒙昧から発することは、ろくな結果になりません。そのことを杭のようにして肝に銘じよということです。

十一代目は、活杙神(いくくひのかみ)です。この神名は、杭を活かすことを意味します。十七条憲法では、「明察功過、功過を明らかに察せよ」とあります。怒りを捨て、慈愛の心を持って民に接するとき、必要なことは、民の心を察する心です。

十二代目は、意富斗能地神(おほとのちのかみ)です。この神名は、雄大で大きな戸を意味します。十七条憲法では、「国非二君、国に二君なし」とあります。国家が神々に通じる窓口は、天皇ただおひとりです。これを履き違えると、国が乱れることは歴史が証明しています。

十三代目は、大斗乃辨神(おほとのへのかみ)です。この神名は、海辺を意味します。十七条憲法では、「同知職掌、もろもろの官に任ずる者は同じく職掌を知れ」です。海辺は海と陸の境界線ですが、同様に何事も職掌の境界があるのです。

十四代目は、於母陀流神(おもたるのかみ)です。この神名は重たい、中空に上がらないことを意味します。十七条憲法では、「無有嫉妬、嫉妬あるなかれ」です。何事によらず嫉妬は、上昇を停めるものです。

十五代目は、阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)です。この神名は、嶺の上にある明るい金星を意味します。十七条憲法では、「背私向公、私に背き公に向え」とあります。正々堂々と、そして無私の心で生きるということは、常に光に向かって生きることです。そうすることで人は明けの明星となることができます。

十六代目は、伊邪那岐神(いさなきのかみ)です。この神名は、地上における男性性の源と進化を意味します。十七条憲法では、「古之良典、古の良典を用いよ」とあります。進化するには、故きを温(たず)ねて新しきを知るということです。

十七代目は、伊邪那美神(いさなみのかみ)です。この神名は、地上における女性性の源と進化を意味します。十七条憲法では、「不可独断、独断不可」とあります。伊邪那美逮論大事神は、その感情の豊かさから、ときに「神のまにまに」よりも自分の心を優先してしまうことが古事記神話に描かれています。何事も独断、独善によらず、「逮論大事、若疑有失」大事なことを論ずるときは、常にどこかにあやまりがあることを疑いなさいと十七条憲法は説いています。






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