あー、ショックのせいか熱が出てしまった。ダルい、辛い…。(´;ω;`)
まず順番的に男子スノボハーフパイプ決勝から。
直前予想で、平野=金、平岡=銅としていた。
間の銀はというと、やはりそこはショーンホワイトだった。
絶対王者ホワイトに真っ向から挑む10代の若者が、
その凌駕を崩し頂点に立ち、もう一人は悔しくも届かなかったという。
しかも直前にショーンは連盟との連携を拒否した大会運営サイドの作った
危険極まりないコースから、怪我をしては元も子もないと、
開幕戦であったスロープスタイルを回避していたこと、
それも体を痛めてしまったことによるというので、
そのことによるビッグチャンスもあったからの予想で、
何も日本人だから日本に都合いいことを考えた予想でもなんでもない。
(だから実際スロープスタイルの角野には鬼の居ぬ間に金を取って欲しかった)
2人が勝ったのは嬉しいが、ショーンはありえないまさかのミスで自滅。
実力で上まったのではないことに一抹の不満は有るが、
でも消えたからにはこっちも鬼の居ぬ間に洗濯しないとダメだった。
平野も15歳だから国の威信や期待を背負わせるのは過酷に思う。
でも年齢は関係なく、国の代表を引き受けたと言うことはそういうこと。
ショーンの影の2着にしばしばつけていたのなら、
そこは単純にところてん方式で1位にならないといけなかった。
それがまさかのダークホースであるポドラドチコフが一か八かで
無理やりやった演技が1440まで成功して金をに持っていかれるとは…。
あれが最後尻餅だったら金銀だったので悔しい。
もちろん他人の失敗を期待したり、喜んだりなどは下衆だが、
そんな綺麗事はここにはない。悪事をするわけではないので、
それも勝つこだわりや執着心のひとつ。
でも彼は一発やってやらないと、ショーンは愚か、平野にも敵わないと
プレッシャーをかける意味も含めて、大勝負に出た。
何故ならばここはほかの何にも変えがたい、五輪の舞台だからだ。
それ以外のどの試合で失敗して負けてもいいが、
唯一無二これだけは何が何でも勝ちにこだわらないとならないものだ。
高梨も含めた10代の彼ら3人は若い分明日があるのでそれが無かった。
20代になれば次は4年後で何の補償もない。
考えてみれば、あの腰パンの國母もこの舞台には居ないでは無いか。
(國母は実は彼らを支える凄い立場に名乗り出たのを知る人は少ない)
でも逆にポドラドチコフがまさかのCABダブルコーク1440°を
成功させるとも思わない中、ここで成功させてしまったので、
それはこれが金だということは誰もがその瞬間わかったこと。
だったらほぼノーミスであのスコアだったら、
ルーティンでは足りないことは当然。
そうなるとさっきより+αが必要になる。
ならばこっちも1440とか、ショーンもミスしたが半回転多い1260とか
それが必要だったのでは無いか?
でもそう思わされたら相手の思う壺。
尻餅でもついたら最高得点を出さないといけないのに本末転倒。
1回目にミスした選手は2回目に成功が必須であると同時に
高い得点が出ていれば、難易度の高いことも挑まないとならない。
よって2回とも失敗してメダルを逃した実力者も多々居たのも事実。
そう思えばルーティンを確実にこなし、金は無理でもメダルを取ったことは
それは冷静でクレバーだったとも言い切れる。
でも反面アスリート全てが言うように狙うは金のみ。
そう思うとなんとも歯がゆく釈然としないのだ。
でも何もしなかったわけでもない。
平岡は1本目を失敗しているのでリザルドを残すには
ある程度置きに来ることも必要だった。
それで予選とは全く同じスコアになったルーティンだったが
92.5点を出したのだから、1本目を思えば理解できなくも無い。
金を狙って技を盛れば、メダルは確実に無かっただろう。
難易度を上げるわけなので、ルーティンでミスしたことから
さらに難易度を上げて成功する確率は低い。
ただそれを覚悟で挑んで散るか取るか。
それとも確実に決めて金は叶わずともメダル争いに参加するか。
前者がポドラドチコフ。後者が平岡。
たまたまポドラドチコフが成功させてしまっただけの話で、
確立は非常に低い。でも五輪だから挑む価値は十二分にあり、
実際彼はそれを決めて金を物にした。
でも平岡もメダル無しになる可能性から銅をゲットしたとも言える。
一方平野はポドラドチコフを受けてルーティンではなく、
ただの1040をダブルコークに変えてきた。
それで93.5点。予選は92.5点。1点上げたがポドラドチコフは94.75点。
95点が必要なら3ヒットのCABを半回転入れた1260にして、多分それで94.5点。
最後も同じことを揃えたら多分95点以上で金だったかと。
でもそれも絵空事。
半回転すれば手前は変わるので次の演技もしやすいしにくいがある。
一発1440を入れてしまえば完全に金だけど、そのリスクは大きすぎる。
決勝では1本目小さいミスがあり90.75止まりだったので、
そのスコアではメダルが怪しい。
何せポドラドチコフが94.75ならショーンもそれぐらい出してくる。
目前で平岡が92.5を出したと来れば、自分は4位になってしまう。
ならばメダルを得るには絶対に1本目以上のスコア。
出来ればポドラドチコフ超え、ダメでも2位につけること。
ショーンに抜かれても銅。これが絶対条件だった。
ならば現状で95点はリスクが大きすぎるならば、2位狙いに絞る。
だからダブルコークを1回増やした。でも横は10のまま無理せず。
それで平岡の92.5を上回るだけに特化したのだ。
自分の予選もルーティンのミス無しで92.5だった。
ならばそれに僅か足すことでも十分逆転できる。
無理して元も子もなくなるよりも、その銀狙いに考え方を変えたことで
ウマくすれば銀。ダメでも銅。スノボハーフパイプ初の五輪メダルを
確実にすることが果敢に攻めて失敗して何もなかったよりは
前向きな消極的で及第点を求めたと言うことだったのだと思う。
やはり私も元アスリートだから金にこだわって欲しかったけど、
角野も上村も葛西もダメだったとなれば、
金へのこだわりをやや緩くして、メダルへのこだわりにシフトすることは
一見目標のダウングレードだと思うが、有るか無いかは大きな違いで、
徹底的に戦い抜くことをアスリートはしたいものだが、
周りの大人が冷静に諭してメダル奪取に集中させたのだと。
結果としてショーンは1本目の失敗とポドラドチコフのビッグスコア、
さらには日本人少年2人のミス無しの演技に大きなプレッシャーが掛かり
万全でもなかったこともあり、彼らしからぬ精彩を欠いた演技になった。
それも平野と平岡がミスして消えていれば、ショーンは金を狙いに
大技炸裂し取ったかもしれない。それか金は譲ってもルーティンをこなし
銀を普通に取れていたことだろうと思う。
そう思うと大勢がミスして消えて行く中、ルーティンを決めて2位になった
平岡は、平野かショーンがミスったらメダルという権利を取った。
その判断は結果を見ても思うように大正解だった。
そして平野も若干の盛り込みをしてウマくすれば1位。
ダメでも2位に付け、ショーンの結果待ちと言うのも大正解だった。
でもでもでもでもショーンがこけて4位になったのだから、
そこは金奪取の大チャンスだったので、
そこに果敢に挑まなかったことはどうしてもモヤモヤ感が取れない。
千載一遇のチャンスだったので勿体無いと強く思ってしまう。
そんなジレンマが残った。
ちなみにスコアだけで考えると、それでもショーンの予選の95.75がトップ。
少なからず王者が爪あとだけは残した。
あ、國母は自分の経験を活かして臨時でアドバイザーになったらしい。
まだ現役だが、選ばれなかったので自分より若い連中の支えにと、
自分の体験した4年前のことを以って接することができるのは大きいと、
腰パンから大人にもなっているし、テクニカルアドバイザーに就任したそうな。
そんな國母の力もあったことだと思う。
そして問題は女王高梨。
平野は15歳なのでピョンチャンでも19歳だが、彼女は21歳。
10代は物も知らないから怖いもの無しだが20代は違う。
次の25歳の保証なんてないし、失敗も恐れ、ここしかないと感じる。
そうやって自分が自分に大きなプレッシャーを掛けてしまう。
なので今以上に成長してもっと飛ぶだろうと思うが、
逆に年を追うごとに失速していくのかもしれない。
しかもこの競技は初めての五輪種目なので、
初代女王に君臨するしないは凄まじく印象が違う。
だったら徹底的にこだわって欲しかった。
高梨はこれまで最長飛距離がテレマークが入らないのを補ってきたが、
追い風で2本とも飛んでしまってまずまずの飛距離にテレマークが入らなければ、
メダル逃すのも当然。
誰よりも勝ちまくってきたのに、決めないといけない場所はここだったので
意識の問題もあるだろうな。
お父さんが彼女に直前に掛けた言葉が良い部分と悪い部分を併せ持った
諸刃の剣で悪いほうが伝わってしまったようで残念。
(これまでで一番勝ってきた人が強いのでここの結果が全てではないと)
やはり誰よりも勝ってきた人は、頂上決戦で勝たなければ、
低い山でいくら沢山頂上に上っても、それは全部一番高い山の頂上から
見下ろされているだけ。
K2で頂上に上っても、富士山で頂上に上っても、マナスルで頂上に上っても、
オリンピックというエベレストのてっぺんに立ったものだけが、
全てを見下ろすことができる。まさにそれと同じ。
いくら勝ってもエベレストで勝たれれば、それを見上げるだけ。
全てを見下ろせるのが8848mのエベレストだけなのだから、
五輪の女王が世界のナンバーワンなのは当然のこと。
それが単発でもフロックでも女王に違いは無い。
勝ちの数を競っているのではなく、その中身や背景が大事なのだから。
私がお父さんなら親として同じ言葉を掛けたいと思う。
でも最後にこれを付け足したと思う。
「だけどこれが最高峰の五輪の舞台。目標は全員ここの優勝。
だからお前もいつも以上に勝ちにこだわりを持って、
1本目からデカイのを気合で決めて、2本目を楽しんで飛びなさい。
みんな楽しいだけではなく、必死に飛んでくるんだから、
そんな人たち相手に自分らしく楽しくで勝てるなんて、
勝負の世界は甘くない。みっともないほど必死に飛びな。その後楽しめ。」
こんなことをね。
距離が出なくて悩んでいることも、きっと気持ちが足りないからだと
そのように言って、強い気持ちを持たせて挑ませたと思う。
スノボと大きく違うのは、彼らは金を狙ってきて下方修正をして
確実に銀と銅を奪取した。それだから誰もが納得できる。
でも彼女は弱気一辺倒で思うように行かず勝負根性を見せ付けぬまま
彼女からしたら平凡なスコアでメダルを逃した。それはダメすぎ。
どんなにいっぱい勝ってきて誰より強いと思われていても、
ここ一番で決められないのはアスリートとしては致命的。
彼女はいい意味で幼少期から習い事のような楽しみでやってきた。
W杯まではその延長のままに勝ってきてしまっていたのだ。
だから勝てるので何も思うことはなかった。普通に楽しんで飛べば。
しかし五輪という本番の舞台で、初めてこれまでと違う何かを感じた。
それは何か恐怖のようで怖さにおどおどとしてしまうような。
それでのびのびと出来ない。だから飛距離が出ないのだ。
せめてテレマークが入っていればきっと銅は取れたのに、
2本ともテレマークが十分入らず減点が痛い。
飛距離は1番じゃなかったが、飛形点は高い。
国際映像がテレマークを映さないのでわからなかったが、
テレマークが全然出来ないと6点も減点。
100m超えたらそれは維持困難としても、以下だったら決めて欲しい。
なんとなく3点は損している気がする。
その3点があれば銅メダルを取っている。
しかも2本目をもう1m飛んで99.5mだったらイラシュコとはテレマークの3点を
加算すれば0.2点差になるから、1m分の加算で高梨がそれ以上で銀だったのだ。
彼女こそ金以外はありえなく、誰よりも金鉄板と思っていただけに
銀でも銅でも責められると思うが、それがメダル自体無いとは、
誰よりも沢山勝ってきたのに、負けても表彰台に乗ってきたし、
特に大きな怪我など何もなかったのにこの結果はあっけなさすぎ。
追い風だったことは不運だったけど、追い風加点されてるしね。
今後は徹底的なテレマーク練習。飛ぶことよりもそっちだね。
テレマークが入れられないなら常にヒルサイズ飛ばないと。
HSの大ジャンプだからこそテレマークは目をつぶられた。
そこに未達でテレマークも入らなければ、そりゃ勝てもしないしメダルも取れん。
メダル鉄板なのにメダル無しとは、高梨がメダル梨になってしまった。
そんなサブ過ぎる駄洒落も飛び交うかもしれない。
やはり全ての競技の基本は金に必死に食らいつく。
無理でリスクが大きくなればメダルへと下方修正する。
それだと思う。まずは金に向けて必死こかないと。
ちなみに今日はノルディック複合ノーマルヒルで渡部暁斗が銀!
予想では一応ノルディック複合もメダル候補に書いていた。
でも団体で考えていたし、ちょっと層が薄いと思って
メダル候補からも外したのだった。
それがエースの渡部暁斗が個人で銀を取った!
自分の世代以来となった荻原次晴は放送事故並の大号泣。
最初は普通に話していたが、単も兄らの団体もリレハンメル以来の20年ぶりで
それまでに挑んだ選手たちの苦労や苦渋を思い出して堪えきれなくなった。
おかげでこっちももらい泣きしてしまったでは無いか…。
こうなればラージや団体も頑張ってもらいたい。
そして小野寺をインフルで欠いたカーリング。
攻め倒して昨日デンマークに勝ったと思えば、今日は開催国ロシアと
接戦を物にしての勝利。初戦の韓国の敗退が痛すぎる。
こっちのほうが辛うじて格上だし。
フィフスのやしろ優…じゃなくて吉田が慣れてきていい仕事をしていた。
反面スキップの小笠原が決めたいところをミスして窮地に追い込まれ、
それでも安定感抜群のサードの船山がフォローしてなんとか。
下手したら小笠原のミスで今日のロシア戦も落としたかも知れんのだ。
初戦の韓国戦は日本に有利な展開で小笠原のミスでビッグエンドを
第6エンドに決められたことが大きく響き、難しい展開となった第8エンドに
2点取られ、第9エンドも韓国のガードに苦しんで最悪のスチール。
そうなるとラストエンドは3点も取らないと同点にできず、
実質そこで勝負ありということになったので、第6エンドのミスが大きかった。
韓国辺りに星をこぼしていたら非常に勿体無く、
デンマークとロシアに勝利も玉に瑕となってしまっている。
ランキング9位の日本は10位の韓国に負けて、6位のデンマークと
8位のロシアに勝利しているのだから。
明日は米国だがランク7位だけどまだ未勝利なのでここにも勝ってほしい。
4位スイスと2位カナダは強いけど、以前カナダに勝利目前で負けたし相性はいい。
スイスは日本が負かしたデンマークに負けてる。
3位スコットランドも出遅れてるし、1位スウェーデンも強いが勝てないこともない。
そして最終予選のように中国も5位と格上だが連勝してもらいたい。
基本的には最終結果8位がいいところの日本だが、上位に勝ちだすと希望が見える。
是非ともお気に入りのマリリンのロコソラーレを蹴散らし、
超お気に入りの市川美余の中部電力も蹴散らして棚ぼた的に獲た出場権。
彼女らのためにも、この人たちが行って良かったと言う結果を見せて欲しい。
画像:gorin.jp(共同通信社) Special Thank you
まず順番的に男子スノボハーフパイプ決勝から。
直前予想で、平野=金、平岡=銅としていた。
間の銀はというと、やはりそこはショーンホワイトだった。
絶対王者ホワイトに真っ向から挑む10代の若者が、
その凌駕を崩し頂点に立ち、もう一人は悔しくも届かなかったという。
しかも直前にショーンは連盟との連携を拒否した大会運営サイドの作った
危険極まりないコースから、怪我をしては元も子もないと、
開幕戦であったスロープスタイルを回避していたこと、
それも体を痛めてしまったことによるというので、
そのことによるビッグチャンスもあったからの予想で、
何も日本人だから日本に都合いいことを考えた予想でもなんでもない。
(だから実際スロープスタイルの角野には鬼の居ぬ間に金を取って欲しかった)
2人が勝ったのは嬉しいが、ショーンはありえないまさかのミスで自滅。
実力で上まったのではないことに一抹の不満は有るが、
でも消えたからにはこっちも鬼の居ぬ間に洗濯しないとダメだった。
平野も15歳だから国の威信や期待を背負わせるのは過酷に思う。
でも年齢は関係なく、国の代表を引き受けたと言うことはそういうこと。
ショーンの影の2着にしばしばつけていたのなら、
そこは単純にところてん方式で1位にならないといけなかった。
それがまさかのダークホースであるポドラドチコフが一か八かで
無理やりやった演技が1440まで成功して金をに持っていかれるとは…。
あれが最後尻餅だったら金銀だったので悔しい。
もちろん他人の失敗を期待したり、喜んだりなどは下衆だが、
そんな綺麗事はここにはない。悪事をするわけではないので、
それも勝つこだわりや執着心のひとつ。
でも彼は一発やってやらないと、ショーンは愚か、平野にも敵わないと
プレッシャーをかける意味も含めて、大勝負に出た。
何故ならばここはほかの何にも変えがたい、五輪の舞台だからだ。
それ以外のどの試合で失敗して負けてもいいが、
唯一無二これだけは何が何でも勝ちにこだわらないとならないものだ。
高梨も含めた10代の彼ら3人は若い分明日があるのでそれが無かった。
20代になれば次は4年後で何の補償もない。
考えてみれば、あの腰パンの國母もこの舞台には居ないでは無いか。
(國母は実は彼らを支える凄い立場に名乗り出たのを知る人は少ない)
でも逆にポドラドチコフがまさかのCABダブルコーク1440°を
成功させるとも思わない中、ここで成功させてしまったので、
それはこれが金だということは誰もがその瞬間わかったこと。
だったらほぼノーミスであのスコアだったら、
ルーティンでは足りないことは当然。
そうなるとさっきより+αが必要になる。
ならばこっちも1440とか、ショーンもミスしたが半回転多い1260とか
それが必要だったのでは無いか?
でもそう思わされたら相手の思う壺。
尻餅でもついたら最高得点を出さないといけないのに本末転倒。
1回目にミスした選手は2回目に成功が必須であると同時に
高い得点が出ていれば、難易度の高いことも挑まないとならない。
よって2回とも失敗してメダルを逃した実力者も多々居たのも事実。
そう思えばルーティンを確実にこなし、金は無理でもメダルを取ったことは
それは冷静でクレバーだったとも言い切れる。
でも反面アスリート全てが言うように狙うは金のみ。
そう思うとなんとも歯がゆく釈然としないのだ。
でも何もしなかったわけでもない。
平岡は1本目を失敗しているのでリザルドを残すには
ある程度置きに来ることも必要だった。
それで予選とは全く同じスコアになったルーティンだったが
92.5点を出したのだから、1本目を思えば理解できなくも無い。
金を狙って技を盛れば、メダルは確実に無かっただろう。
難易度を上げるわけなので、ルーティンでミスしたことから
さらに難易度を上げて成功する確率は低い。
ただそれを覚悟で挑んで散るか取るか。
それとも確実に決めて金は叶わずともメダル争いに参加するか。
前者がポドラドチコフ。後者が平岡。
たまたまポドラドチコフが成功させてしまっただけの話で、
確立は非常に低い。でも五輪だから挑む価値は十二分にあり、
実際彼はそれを決めて金を物にした。
でも平岡もメダル無しになる可能性から銅をゲットしたとも言える。
一方平野はポドラドチコフを受けてルーティンではなく、
ただの1040をダブルコークに変えてきた。
それで93.5点。予選は92.5点。1点上げたがポドラドチコフは94.75点。
95点が必要なら3ヒットのCABを半回転入れた1260にして、多分それで94.5点。
最後も同じことを揃えたら多分95点以上で金だったかと。
でもそれも絵空事。
半回転すれば手前は変わるので次の演技もしやすいしにくいがある。
一発1440を入れてしまえば完全に金だけど、そのリスクは大きすぎる。
決勝では1本目小さいミスがあり90.75止まりだったので、
そのスコアではメダルが怪しい。
何せポドラドチコフが94.75ならショーンもそれぐらい出してくる。
目前で平岡が92.5を出したと来れば、自分は4位になってしまう。
ならばメダルを得るには絶対に1本目以上のスコア。
出来ればポドラドチコフ超え、ダメでも2位につけること。
ショーンに抜かれても銅。これが絶対条件だった。
ならば現状で95点はリスクが大きすぎるならば、2位狙いに絞る。
だからダブルコークを1回増やした。でも横は10のまま無理せず。
それで平岡の92.5を上回るだけに特化したのだ。
自分の予選もルーティンのミス無しで92.5だった。
ならばそれに僅か足すことでも十分逆転できる。
無理して元も子もなくなるよりも、その銀狙いに考え方を変えたことで
ウマくすれば銀。ダメでも銅。スノボハーフパイプ初の五輪メダルを
確実にすることが果敢に攻めて失敗して何もなかったよりは
前向きな消極的で及第点を求めたと言うことだったのだと思う。
やはり私も元アスリートだから金にこだわって欲しかったけど、
角野も上村も葛西もダメだったとなれば、
金へのこだわりをやや緩くして、メダルへのこだわりにシフトすることは
一見目標のダウングレードだと思うが、有るか無いかは大きな違いで、
徹底的に戦い抜くことをアスリートはしたいものだが、
周りの大人が冷静に諭してメダル奪取に集中させたのだと。
結果としてショーンは1本目の失敗とポドラドチコフのビッグスコア、
さらには日本人少年2人のミス無しの演技に大きなプレッシャーが掛かり
万全でもなかったこともあり、彼らしからぬ精彩を欠いた演技になった。
それも平野と平岡がミスして消えていれば、ショーンは金を狙いに
大技炸裂し取ったかもしれない。それか金は譲ってもルーティンをこなし
銀を普通に取れていたことだろうと思う。
そう思うと大勢がミスして消えて行く中、ルーティンを決めて2位になった
平岡は、平野かショーンがミスったらメダルという権利を取った。
その判断は結果を見ても思うように大正解だった。
そして平野も若干の盛り込みをしてウマくすれば1位。
ダメでも2位に付け、ショーンの結果待ちと言うのも大正解だった。
でもでもでもでもショーンがこけて4位になったのだから、
そこは金奪取の大チャンスだったので、
そこに果敢に挑まなかったことはどうしてもモヤモヤ感が取れない。
千載一遇のチャンスだったので勿体無いと強く思ってしまう。
そんなジレンマが残った。
ちなみにスコアだけで考えると、それでもショーンの予選の95.75がトップ。
少なからず王者が爪あとだけは残した。
あ、國母は自分の経験を活かして臨時でアドバイザーになったらしい。
まだ現役だが、選ばれなかったので自分より若い連中の支えにと、
自分の体験した4年前のことを以って接することができるのは大きいと、
腰パンから大人にもなっているし、テクニカルアドバイザーに就任したそうな。
そんな國母の力もあったことだと思う。
そして問題は女王高梨。
平野は15歳なのでピョンチャンでも19歳だが、彼女は21歳。
10代は物も知らないから怖いもの無しだが20代は違う。
次の25歳の保証なんてないし、失敗も恐れ、ここしかないと感じる。
そうやって自分が自分に大きなプレッシャーを掛けてしまう。
なので今以上に成長してもっと飛ぶだろうと思うが、
逆に年を追うごとに失速していくのかもしれない。
しかもこの競技は初めての五輪種目なので、
初代女王に君臨するしないは凄まじく印象が違う。
だったら徹底的にこだわって欲しかった。
高梨はこれまで最長飛距離がテレマークが入らないのを補ってきたが、
追い風で2本とも飛んでしまってまずまずの飛距離にテレマークが入らなければ、
メダル逃すのも当然。
誰よりも勝ちまくってきたのに、決めないといけない場所はここだったので
意識の問題もあるだろうな。
お父さんが彼女に直前に掛けた言葉が良い部分と悪い部分を併せ持った
諸刃の剣で悪いほうが伝わってしまったようで残念。
(これまでで一番勝ってきた人が強いのでここの結果が全てではないと)
やはり誰よりも勝ってきた人は、頂上決戦で勝たなければ、
低い山でいくら沢山頂上に上っても、それは全部一番高い山の頂上から
見下ろされているだけ。
K2で頂上に上っても、富士山で頂上に上っても、マナスルで頂上に上っても、
オリンピックというエベレストのてっぺんに立ったものだけが、
全てを見下ろすことができる。まさにそれと同じ。
いくら勝ってもエベレストで勝たれれば、それを見上げるだけ。
全てを見下ろせるのが8848mのエベレストだけなのだから、
五輪の女王が世界のナンバーワンなのは当然のこと。
それが単発でもフロックでも女王に違いは無い。
勝ちの数を競っているのではなく、その中身や背景が大事なのだから。
私がお父さんなら親として同じ言葉を掛けたいと思う。
でも最後にこれを付け足したと思う。
「だけどこれが最高峰の五輪の舞台。目標は全員ここの優勝。
だからお前もいつも以上に勝ちにこだわりを持って、
1本目からデカイのを気合で決めて、2本目を楽しんで飛びなさい。
みんな楽しいだけではなく、必死に飛んでくるんだから、
そんな人たち相手に自分らしく楽しくで勝てるなんて、
勝負の世界は甘くない。みっともないほど必死に飛びな。その後楽しめ。」
こんなことをね。
距離が出なくて悩んでいることも、きっと気持ちが足りないからだと
そのように言って、強い気持ちを持たせて挑ませたと思う。
スノボと大きく違うのは、彼らは金を狙ってきて下方修正をして
確実に銀と銅を奪取した。それだから誰もが納得できる。
でも彼女は弱気一辺倒で思うように行かず勝負根性を見せ付けぬまま
彼女からしたら平凡なスコアでメダルを逃した。それはダメすぎ。
どんなにいっぱい勝ってきて誰より強いと思われていても、
ここ一番で決められないのはアスリートとしては致命的。
彼女はいい意味で幼少期から習い事のような楽しみでやってきた。
W杯まではその延長のままに勝ってきてしまっていたのだ。
だから勝てるので何も思うことはなかった。普通に楽しんで飛べば。
しかし五輪という本番の舞台で、初めてこれまでと違う何かを感じた。
それは何か恐怖のようで怖さにおどおどとしてしまうような。
それでのびのびと出来ない。だから飛距離が出ないのだ。
せめてテレマークが入っていればきっと銅は取れたのに、
2本ともテレマークが十分入らず減点が痛い。
飛距離は1番じゃなかったが、飛形点は高い。
国際映像がテレマークを映さないのでわからなかったが、
テレマークが全然出来ないと6点も減点。
100m超えたらそれは維持困難としても、以下だったら決めて欲しい。
なんとなく3点は損している気がする。
その3点があれば銅メダルを取っている。
しかも2本目をもう1m飛んで99.5mだったらイラシュコとはテレマークの3点を
加算すれば0.2点差になるから、1m分の加算で高梨がそれ以上で銀だったのだ。
彼女こそ金以外はありえなく、誰よりも金鉄板と思っていただけに
銀でも銅でも責められると思うが、それがメダル自体無いとは、
誰よりも沢山勝ってきたのに、負けても表彰台に乗ってきたし、
特に大きな怪我など何もなかったのにこの結果はあっけなさすぎ。
追い風だったことは不運だったけど、追い風加点されてるしね。
今後は徹底的なテレマーク練習。飛ぶことよりもそっちだね。
テレマークが入れられないなら常にヒルサイズ飛ばないと。
HSの大ジャンプだからこそテレマークは目をつぶられた。
そこに未達でテレマークも入らなければ、そりゃ勝てもしないしメダルも取れん。
メダル鉄板なのにメダル無しとは、高梨がメダル梨になってしまった。
そんなサブ過ぎる駄洒落も飛び交うかもしれない。
やはり全ての競技の基本は金に必死に食らいつく。
無理でリスクが大きくなればメダルへと下方修正する。
それだと思う。まずは金に向けて必死こかないと。
ちなみに今日はノルディック複合ノーマルヒルで渡部暁斗が銀!
予想では一応ノルディック複合もメダル候補に書いていた。
でも団体で考えていたし、ちょっと層が薄いと思って
メダル候補からも外したのだった。
それがエースの渡部暁斗が個人で銀を取った!
自分の世代以来となった荻原次晴は放送事故並の大号泣。
最初は普通に話していたが、単も兄らの団体もリレハンメル以来の20年ぶりで
それまでに挑んだ選手たちの苦労や苦渋を思い出して堪えきれなくなった。
おかげでこっちももらい泣きしてしまったでは無いか…。
こうなればラージや団体も頑張ってもらいたい。
そして小野寺をインフルで欠いたカーリング。
攻め倒して昨日デンマークに勝ったと思えば、今日は開催国ロシアと
接戦を物にしての勝利。初戦の韓国の敗退が痛すぎる。
こっちのほうが辛うじて格上だし。
フィフスのやしろ優…じゃなくて吉田が慣れてきていい仕事をしていた。
反面スキップの小笠原が決めたいところをミスして窮地に追い込まれ、
それでも安定感抜群のサードの船山がフォローしてなんとか。
下手したら小笠原のミスで今日のロシア戦も落としたかも知れんのだ。
初戦の韓国戦は日本に有利な展開で小笠原のミスでビッグエンドを
第6エンドに決められたことが大きく響き、難しい展開となった第8エンドに
2点取られ、第9エンドも韓国のガードに苦しんで最悪のスチール。
そうなるとラストエンドは3点も取らないと同点にできず、
実質そこで勝負ありということになったので、第6エンドのミスが大きかった。
韓国辺りに星をこぼしていたら非常に勿体無く、
デンマークとロシアに勝利も玉に瑕となってしまっている。
ランキング9位の日本は10位の韓国に負けて、6位のデンマークと
8位のロシアに勝利しているのだから。
明日は米国だがランク7位だけどまだ未勝利なのでここにも勝ってほしい。
4位スイスと2位カナダは強いけど、以前カナダに勝利目前で負けたし相性はいい。
スイスは日本が負かしたデンマークに負けてる。
3位スコットランドも出遅れてるし、1位スウェーデンも強いが勝てないこともない。
そして最終予選のように中国も5位と格上だが連勝してもらいたい。
基本的には最終結果8位がいいところの日本だが、上位に勝ちだすと希望が見える。
是非ともお気に入りのマリリンのロコソラーレを蹴散らし、
超お気に入りの市川美余の中部電力も蹴散らして棚ぼた的に獲た出場権。
彼女らのためにも、この人たちが行って良かったと言う結果を見せて欲しい。
画像:gorin.jp(共同通信社) Special Thank you