建築設備実務の知識とセンスを養う!(全日本土木建築情報センター提供)

1960年創業の春日書房(全日本土木建築情報センター)提供の給排水設備・衛生設備・空調設備・電気設備に関する最新情報集。

「平成21 年度 公共工事の施工体制に関する全国一斉点検結果について」が国交省より公表されました

2010年03月21日 | 建築・建築設備最新情報
公共工事を適切に実施するためには、請負者による適正な施工体制の確保が重要であることから、国土交通省では平成14 年度から、稼働中の国土交通省直轄工事を対象に「施工体制に関する全国一斉点検(以下、“一斉点検”という。)」を年1回実施しております。
8 回目となる今回も、平成21 年10 月から12 月にかけて一斉点検を実施し、その結果を取りまとめられました。
施工業者様においては、検査項目は常に意識しておく必要がある事項ですので、是非ご一瞥いただきたいと思います。
※結果の詳細については、国土交通省HPをご確認下さい。

○ 全体で853 件の工事(稼働中工事10,203 件の約8%)を点検。このうち低入札価格調査制
度調査対象工事(以下、「低入札工事」という。)は112 件(稼働中工事168 件の約67%)、それに準じて重点的な監督業務を実施する工事は204 件(稼働中工事839 件の約24%)。

○ 点検を実施した結果、明らかな建設業法違反で許可部局への通知が必要な工事が『(Ⅰ)基本点検項目』で3 件(3 工事)(約0.4%)、『(Ⅲ)下請業者への点検項目』で2 件(1 工事)(約0.3%)あった。

○ 点検を実施した工事のうち約3 割(228 件、約27%)の工事で、書類の不備など軽微な改善事項が見られた。

○ 点検結果は全般的に毎年改善されており(H20:325 件、約29%)、“建設業法”や“公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(以下、「適正化法」という。)”に関する理解の浸透が着実に進んでいることが伺え、特に建設業許可票の掲示(改善すべき事項
がある工事の割合は、H14:75.6%→H21:1.1%)や施工体系図の掲示(同H14:18.6%→
H21:1.8%)などで顕著である。

○ 平成20年度からの経年調査で重点点検項目とした“明確な工事内容での契約(同
H20:14.8%→H21:15.1%)”は微増傾向にあるため、今後も特に着目していく必要がある。
同じく重点点検項目とした“施工体制台帳の備え付け(同H20:2.8%→H21:2.0%)”及び
“請負代金の適切な支払い方法(同H20:2.6%→H21:2.2%)”はわずかに改善している。

○ 施工体制確認型総合評価方式(以下、「施工体制確認型」という。)(改善すべき事項がある工事の割合は、H20:28.8%→H21:26.9%)はわずかに改善していることが確認された。

○ また、施工体制確認型とその他の入札方式を採用した工事に比べて「改善すべき事項のあった工事の割合」が同程度の比率となっており、施工体制確認型の有無に関わらず、適切な施工体制を確保することが浸透していることが伺える。

○ 国土交通省では、適正な施工体制の一層の確保を図るため、本点検結果を踏まえつつ、引き続き通常の監督及び検査業務を通じて対策を講じていく。

本当の「チカラ」がないと勝ち残れない。この苦境をチャンスに変える!

2010年03月19日 | 建築・建築設備最新情報
ある関東地方の市の工事において、公共下水道工事発注で材料の単価を100倍で積算したミスが発生し、担当課長など職員が懲戒処分になったニュースは記憶に新しい。

報道によれば、ミスは、汚水管を敷設する工事について、設計者の主査がマンホールの材料単価2万6800円を誤って100倍の268万円としてパソコンに入力。設計金額が約863万円も過大に積算され、入札を行った、ということらしい。

ケアレス・ミスと言えばそれまでで、よくある話といえば、よくある話でもあります。

人間がやることだから、ミスをするのは当たり前であるが、それを最後まで発見できずに入札にまで至ってしまうのは、組織の問題であったり、再鑑態勢の欠落であったり、上司とのコミュニケーション不足の問題かもしれません。

あと気になるのは、「パソコンに入力」というところです。

パソコン、積算ソフト、EXCELなどは、計算負担を解消してくれる非常に有難いツールではありますが、それらのツールには計算工程を「順をおって」進めていくプロセスがまったくないので、今回のようにマンホール単価の異常値に気づかぬまま、もっともらしい積算総額をはじき出せてしまうところがリスクポイントであるわけです。


積算とは計算を積み上げていくわけであるから、積み上げ対象の各々の計算金額が正しくなければ正しい結果を導き出せないのは言うまでもありません。

積算業務の省力化、事務軽減のために、パソコン・ソフト類を使うのはもちろん構わないのですが、原始的な(手)計算の方法をきちんと理解していないと、検算もできないわけで、ここで積算実務者の基本に忠実な力量、「チカラ」が求められるところであると思います。
その「チカラ」があれば、今回の積算ミスは絶対に防げたのではないでしょうか。

当センターの積算の本は、計算の1ステップ、1ステップを、「丁寧に」解説しておりますから、実際の皆さまの業務でも、きちんと再現することができます。
「丁寧に」の意味するところは、わからない人が当然わからないであろうところを先回りしてくわしく説明しているという意味で、手元に置いておけば、いろいろ役立つ御守りのような本に仕上げてあるつもりです。

是非、ここをクリックして、当センターのHPを覗いてみてください。






【国交省】【総合評価落札方式】直轄工事、入札制度を見直し。10年度執行から

2010年03月07日 | 建築・建築設備最新情報
国土交通省は、3月5日、2010年度の予算執行から、国の直轄工事の入札契約制度を改めると発表しました。

改正するのは価格以外に技術力などを加味して事業者を決める「総合評価落札方式」。
点数や具体的な評価を参加企業に通知するとのことです。

全国8つの地方整備局に窓口を設け、評価内容についての質問も受けるなど、事業者の選定過程を透明にすることで、民間企業に技術力の向上を促すのがねらいのようです。

「総合評価落札制度」においては、入札価格だけでなく、企業の技術力や経営基盤の安定性も吟味するほか、施工計画が周辺環境に配慮しているかも点検されます。

新しい制度では、周辺環境への配慮などで、どのような行為が加点対象として評価され、どのような行為が加点対象として評価されなかったかを分かりやすく説明する、とも報じられており、「戦略的な技術競争」をしていくことになりそうです。

各社は、自分の会社の技術面での競争優位性を正しく認識し、適切な配置予定技術者を選定したり、現地調査を徹底的に行うなど、従来以上に手間暇かけて、そのうえで発注者の企図に沿った技術提案をしていくことが、今回報道されている「総合評価落札方式」という制度下では肝要となります。

現在、建設業を取り巻く環境は非常に厳しい中ですが、この制度は、価格だけの勝負ではない点に注目しておく必要があると思います。

上で「戦略的な技術競争」という言葉を使いました。
正しいことを正しくやる、ということだけではダメで、正しいことを正しくやれることを正しく理解してもらい、評価してもらえるような技術力・ノウハウと工夫が必要なわけです。

しかしながら、あまり特効薬はなく、設計、施工、積算の実務を幅広い知識や経験をベースとして、それらをうまく組み合わせたり、応用したりして、より良く、より高く評価される技術提案を行なうことに尽きるわけで、従来以上に、そのベースを強化する継続的な努力をしていかなければならないのだと思います。

弊社の書籍は、幸いにも、設計、施工、積算の三大業務を幅広く、かつ相当くわしく取り上げている実務書ばかりです。

このような時代にこそ、永年にわたり安定的に改訂を重ねてきた弊社書籍をフルにご活用いただきたいと思います。




水道管の水漏れ個所をロボットで

2010年02月24日 | 建築・建築設備最新情報
三井造船は、水道管の水漏れ個所を断水せず、内側から調べることができるロボットを開発した。水道管は高度成長期に大量に埋設され、老朽化による漏水が問題になってきている。

ロボットは円筒形で直径6センチ、長さ45センチ。推進用プロペラと発光ダイオード(LED)の照明灯、360度回転するカメラが長さ300メートルのケーブルの先についている。マンホールから入れて地上でモニターを見ながら遠隔操作し、漏水個所を見つけ出すという。

漏水があった際は断水した上で、漏れていると思われる場所の地面を広範囲に掘り返して、補修すべき個所を見つけ出すというのが今までの一般的な方法であるが、ロボットによる調査の場合には検査時の断水が不要で、水漏れ個所を補修する際も作業や断水が短時間で済むというメリットがある。

全国の上水道管の総延長約61万キロのうち、直径50センチ以上の幹線部分約15万キロ、全国の農業用水約40万キロのうち、4万5千キロでも使えるという。

日本水道協会によると、全国の上水道管のうち埋設後40年以上のものは、3万8千キロにも上り、ほぼ地球一周分の該当し、材質も現在のものより品質が劣り、耐震性も低い。

また、厚生労働省の調べでは、2007年度の上水道の給水量は154億トン。このうち蛇口に届くまでに、主に水道管の老朽化が原因で7%の11億トンが漏れたとみられる。

(朝日新聞様の記事より)