大坂なおみの姉が「ナイキCM」に言及「日本には差別がないと思っている人たちへ」』
まず大前提として「日本社会には差別がある」ってことを認めるのが第一歩。そこを認めないと一歩も先へ進めないよ。
https://courrier.jp/news/archives/223258/
テニス選手の大坂なおみとマンガといえば、昨年初めにスポンサー企業の日清が彼女を描いたアニメ広告で「肌の色を白く」して物議を醸した一件が記憶に新しい。
日清は、非白人のキャラクターを白人化する「ホワイトウォッシュ」をやったとして非難された。大坂は「私の(実際の)肌の色が小麦色なのは明らかなはず」とコメントし、「今度、私を描くときは、まず私に相談してほしい」とつけ加えた。
あれから2年弱、その「今度」は大坂の意見を参考にしながら進められたようだ。
日本に暮らす外国ルーツの子供たちが偏見や差別に苦しみながらも、スポーツを通じて乗り越えていく姿を描いた同CMは、「感動した」と多くの称賛を呼んだ一方、「日本に差別はない」などと怒りをあらわにするコメントもたくさんついた。
まりは、そうした反発の声を、一部の日本人の本心が発露した結果だと見ている。というのも、この夏、人種差別に抗議する声を上げた大坂を「トラブルメーカー」扱いする日本人は、差別は存在しないと思っているからだと、まりは言う。
「目の前で問題を見せない限り、彼らはそこに問題が存在することを信じません。彼らは、問題がないところに、なおみが問題を持ち込んだと考えているのです」
シャイだった大坂なおみが変わった理由
日本には差別がない、日本人は偏見をもっていないと本当に言えるのだろうか。
大坂なおみは自身が受けた偏見や差別について、8月に彼女を特集した「ウォールストリート・ジャーナル・マガジン」に明かしている。
それは大坂が10歳くらいの頃、フロリダ州で開催されたジュニアの国際大会だった。大坂の対戦相手だった日本人の女の子が、同じ日本人のジュニア選手に話していたのを聞いたという。
その2人の少女は、大坂がそばにいること、または彼女が日本語を理解できることを知らずに、こんな会話を始めた。
「対戦相手は誰なの?」
「大坂っていう子」
「ああ、あの黒人の子ね。彼女、あれで日本人なの?」
「違うでしょ」
大坂は、その出来事を「特にはっきり覚えている」と語っている。「だって、時々、(彼女たちだけでなく)たくさんの人に自分がそう思われているような気がするから」
シャイな性格で、試合後のインタビューでも多くを語らなかった大坂は今年、ジョージ・フロイドが警官に殺された事件を受けて、人種差別の問題を声高に訴えるようになった。
その背景には、アメリカで起きている警察暴力や制度的人種差別への憤りもあるが、世界的な影響力をもつトップアスリートとしての責任感、とりわけ日本の子供たちのロールモデルとしての自覚を強く意識したのではないだろうか。
大坂は7月、フロイドの死の後に自分の中に起きた変化と、なぜ人種差別に抗議すべきなのかを綴ったエッセイを米誌「エスクァイア」に寄稿した。最後は、自分と同じバイレイシャル(両親の人種が違う)の子供たちに思いをはせた、こんな文章で締めている。
「私がグランドスラムで優勝したとき、日本の教室にいるバイレイシャルの女の子が誇りに満ちあふれて顔を輝かせる姿を思い浮かべるのが好きだ。ロールモデルを得て、ありのままの自分を誇れるようになった彼女にとって、学校がより安らげる場所になることを願う。そして大きな夢を抱いてほしい」
まず大前提として「日本社会には差別がある」ってことを認めるのが第一歩。そこを認めないと一歩も先へ進めないよ。
https://courrier.jp/news/archives/223258/
テニス選手の大坂なおみとマンガといえば、昨年初めにスポンサー企業の日清が彼女を描いたアニメ広告で「肌の色を白く」して物議を醸した一件が記憶に新しい。
日清は、非白人のキャラクターを白人化する「ホワイトウォッシュ」をやったとして非難された。大坂は「私の(実際の)肌の色が小麦色なのは明らかなはず」とコメントし、「今度、私を描くときは、まず私に相談してほしい」とつけ加えた。
あれから2年弱、その「今度」は大坂の意見を参考にしながら進められたようだ。
日本に暮らす外国ルーツの子供たちが偏見や差別に苦しみながらも、スポーツを通じて乗り越えていく姿を描いた同CMは、「感動した」と多くの称賛を呼んだ一方、「日本に差別はない」などと怒りをあらわにするコメントもたくさんついた。
まりは、そうした反発の声を、一部の日本人の本心が発露した結果だと見ている。というのも、この夏、人種差別に抗議する声を上げた大坂を「トラブルメーカー」扱いする日本人は、差別は存在しないと思っているからだと、まりは言う。
「目の前で問題を見せない限り、彼らはそこに問題が存在することを信じません。彼らは、問題がないところに、なおみが問題を持ち込んだと考えているのです」
シャイだった大坂なおみが変わった理由
日本には差別がない、日本人は偏見をもっていないと本当に言えるのだろうか。
大坂なおみは自身が受けた偏見や差別について、8月に彼女を特集した「ウォールストリート・ジャーナル・マガジン」に明かしている。
それは大坂が10歳くらいの頃、フロリダ州で開催されたジュニアの国際大会だった。大坂の対戦相手だった日本人の女の子が、同じ日本人のジュニア選手に話していたのを聞いたという。
その2人の少女は、大坂がそばにいること、または彼女が日本語を理解できることを知らずに、こんな会話を始めた。
「対戦相手は誰なの?」
「大坂っていう子」
「ああ、あの黒人の子ね。彼女、あれで日本人なの?」
「違うでしょ」
大坂は、その出来事を「特にはっきり覚えている」と語っている。「だって、時々、(彼女たちだけでなく)たくさんの人に自分がそう思われているような気がするから」
シャイな性格で、試合後のインタビューでも多くを語らなかった大坂は今年、ジョージ・フロイドが警官に殺された事件を受けて、人種差別の問題を声高に訴えるようになった。
その背景には、アメリカで起きている警察暴力や制度的人種差別への憤りもあるが、世界的な影響力をもつトップアスリートとしての責任感、とりわけ日本の子供たちのロールモデルとしての自覚を強く意識したのではないだろうか。
大坂は7月、フロイドの死の後に自分の中に起きた変化と、なぜ人種差別に抗議すべきなのかを綴ったエッセイを米誌「エスクァイア」に寄稿した。最後は、自分と同じバイレイシャル(両親の人種が違う)の子供たちに思いをはせた、こんな文章で締めている。
「私がグランドスラムで優勝したとき、日本の教室にいるバイレイシャルの女の子が誇りに満ちあふれて顔を輝かせる姿を思い浮かべるのが好きだ。ロールモデルを得て、ありのままの自分を誇れるようになった彼女にとって、学校がより安らげる場所になることを願う。そして大きな夢を抱いてほしい」